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座談会 第1夜 vs 高校演劇OB&現役

関西演劇祭2022を1カ月先に控え、参加10団体と演劇祭OBや現役学生、若手演劇人をお招きして関西演劇祭をより広く知ってもらうため、ご意見や質疑を交わして、演劇祭本番に向けて準備していきたいと思います。
(事前に収録した内容をテキスト化しています)
第1夜目に集まっていただいた方々は、

≪ 第1夜 ≫ 
【関西演劇祭2022参加劇団】
激団リジョロ・・・団長 金光仁三、星野桃子、斉藤未来
Micro To Macro・・・石井テル子
【咲くやこの花高校演劇科】
薬師寺希佳 栗山拓(OB 劇団竜人世界代表)
【司会進行】
藤原治基


<1.参加劇団と高校演劇科出身者との交流の始まり>

藤原:本日はお忙しい中、お集まりいただきありがとうございます。関西演劇祭を幅広い世代の方々に知ってもらうためこのような座談会を企画いたしました。よろしくお願いいたします。ではまず学生さんのご紹介です。

栗山拓さん・・・2021年咲くやこの花高校演劇科OBOGを中心に「劇団竜人世界」を旗揚げ。2022年3月おうさか学生演劇祭Vol.15に参加・公演予定でしたがコロナの影響で本番直前に中止。同年8月に無事再演することができました。現在現役の大学生です。
https://twitter.com/9330_aguri_ritu

薬師寺希佳さん・・・咲くやこの花高校演劇科の現役高校生。現在11月の学外公演に向けてアカルスタジオにて稽古中です。

続いて関西演劇祭2022参加劇団さんの紹介です。

激団リジョロ「Recall」

星野:激団リジョロは東京を拠点に活動していて来年で25周年。
http://rigolock-hitman.com/
字のごとく「激しくアツくハードコア」をテーマにお芝居をやっております。
金光:団長の金光です。
私は関西学院大学 演劇グループSomethingのOBなのでリジョロは大阪発、東京に輸入して今回戻ってきた感じです。
関西演劇祭で一番熱い芝居をしようかなと思っております。
よろしくお願いします。

藤原:続きましてMicro To Macroさんお願いします。

Micro To Macro 過去の上演作品

テル子:石井テル子です。
Micro To Macroは名古屋のミソゲキ2019に参加したぐらいで主に関西で活動しています。
https://twitter.com/micro_to_macro
劇団の特徴は音楽の生演奏を入れた作品をやるっていうのを目指にしてて、みんなで楽しく歌ったり踊ったり音楽劇寄りな作品です。
テーマは人間の生き死にとか少し重たいテーマを 扱うことが多いんですけど、その重たいテーマを吹き飛ばすような暑苦しい芝居(リジョロさんとはちょっと違う感じなんですけどw)で、生の力の音楽と芝居の相乗効果みたいなのをいつも目指しています。
関西演劇祭では 重いテーマだけどアツくぶちかました作品にしたいなと思っています。よろしくお願いします。


< 2.関西演劇祭2022大トリ >

藤原:ここで関西演劇祭2022のスケジュールを確認しておきましょう!

藤原:本日お越しのリジョロさんとMicro To Macroさんは
関西演劇祭2022の大トリの 組み合わせになるんですね。
なんで大トリに選んだのかお伝えしてなかったですよね?
金光:いや、演劇祭終わってからにしましょう(笑)
テル子:(爆笑)
藤原:終わってからでいいですか~(笑)まあ、もったいぶっても仕方ないので、言いますね!
演劇祭15ステージの最後は、作品テーマがしっかりしていて、心が温かくなる劇団さんを選びました。リジョロさんはこれまで結構重めの作品が多かったので金光さんには事前に作品の雰囲気をお聞きしたときに「今回の作品は親子をテーマに笑いを盛り込んでいきます」とおっしゃってくださったのでトリをお任せしようと考えました。
Micro To Macroさんは作風はとてもライトなんですが人の生き死にをテーマに最後はホロっとさせてくれる心温まる作品になると確信しました。
この2劇団でラストを締めていただきたいと私を含め事務局で考えてお願いしました。
そうは言ってもトリにふさわしくない可能性もあるんですけどそこはもう今から プレッシャーかけてしっかりトリを務めていただこうと思います!
リジョロ・ミクマク:(爆笑)
藤原:もちろん他の8劇団もすごく楽しみな劇団さんが揃ってます。この演劇祭は一等賞を決めるための演劇祭ではなくて
みんながバトンを渡してこの演劇祭を盛り上げようというのが最大のテーマですので、トリ務めるから一番いいという訳ではないです。
10劇団すべて面白い作品をお見せできればと思っております。



< 3.現役学生からの率直な質問 >
 
藤原:実はこの座談会にお声がけするまで栗山くんも薬師寺さんも関西演劇祭の存在を知らなかったし、リジョロさんとミクマクさんも見たことがないということだったので、ここまで私たちが喋ってることがチンプンカンプンだったかも知れないですね。実際そうだと思うんです。
演劇祭をやってきて4年目なのに演劇をやっている若い人たちに演劇祭の情報が届いてないっていうのが実情だと思います。そこは真摯に受け止めながら、どうしたらいいのか?もう現役に聞くしかないかなと。どうですか?栗山君。

栗山:座談会の話をいただいて関西演劇祭の概要は少し確認させていただいたんですけど、1劇団45分って作品を作る上で掴みにくい時間じゃないのかなと思って?
1時間とか30分でやってる演劇祭はよく見たことあるんですけど 45分ってどうやって作るんやろなーって思ってて。
元にある台本を縮めたのか、それとも少ない台本を広げたのか、それとも専用に書いたのか?どんな感じでしょうか?
 
金光:そうですね 普段だと長編で2時間越えの作品ばっかりなんですけど今回は45分用にスペクタクルやろうって決めて綺麗に詰め込めるような書き方をしました。
例えばテレビドラマだと1時間ぐらいじゃないですか?それってCM入れたら実は45分とか40分ぐらいしかないんですよね?
だからその感覚で1話をこうして詰めたら満足感のある作品ができるんじゃないかなと思って書いたんで多分見に来てもらうと「うまく入れたなみたいな」っと思ってもらえるかなと思うんです。

テル子:私もだいたい2時間ぐらいの作品を書いているんですけど、45 分って私も初めてで。新作で今書いてるんでどうなるかなって自分でもドキドキしてるんだけど、30分のを何回か作ったことがあるんで、その30分のをもう少し 広げてっていうかもう少し膨らまして作れるのかなぐらいの感覚で今やってるんです。自分でもやってみてうわめっちゃ短いやんとか長すぎるやんってなるかなって結構今からめっちゃドキドキしてビビってます。

藤原:45分はワンシチュエーションだけでは持たないっていうところが難しくもあり作品としてもうひと工夫必要な面白さもあるかなと思います。
私もね30分派だったんですけど実際45分の芝居を見てこれは2時間芝居に匹敵するぐらい凝縮した作品を作る必要があると思います。

栗山:ありがとうございます。参考になりました。
藤原:薬師寺さんどうでしょう?

薬師寺:今日、クラスのみんなに「関西演劇祭の座談会あるから来てみいひん」って言ったらみんな「関西演劇祭って何?」って言われたんです。
自分も何も知らないんでどういう交流というかあるんかなと思って、他の劇団の色とか見たりして交流したりして刺激もらうみたいなことがあるんですか?

藤原:ありがとうございます。私からお答えしますね。
まず関西演劇祭が 始まったのが 2019年です。
関西を中心に演劇界を盛り上げましょうという コンセプトで始めて
募集は学生劇団から 社会人劇団まで全国に広く募集をかけてます。
審査は過去の上演作品動画審査と上演する作品の台本もしくはプロットを見させていただきます。オリジナル作品に限ります。
11月の演劇祭に参加できるのは10劇団のみ。
選ばれた劇団さんは45分×3ステージの上演。各終演後にお客様や審査員の方々の質問に答えるティーチイン、各種インタビュー。そして最終日には各賞授賞式があります。

詳しくはこちらをご覧ください。
https://kansai-engekisai.com/

ティーチインについてもう少し詳しく。

ティーチインの様子

映画試写会とかではよくあるんですけれど、舞台上の 演者さんと
審査員の方々とお客さんも交えて質問や感想を話す時間があります。
あのシーンが良かったとか、ここが面白かったと言う感想から、予期していなかった考察を繰り広げて話が盛り上がることもあり、あっという間に時間が過ぎます。
他の演劇祭にはない特徴ですね。実際ティーチインをやってみると、ダイレクトに感想をいただけるので、お客様と劇団との距離がすごく縮まっていく気がします。劇団によってはアドバイスを受けて2ステージ目で芝居が変わる場合もあります。そんなのもちょっと 面白いなと思ってます。

金光:ネタバレなんですけどリジョロはとりあえず今回めちゃくちゃ走ります。なので体力消耗するので立ってられないかもです。三角座りかもしれないです。
藤原:舞台上の役者の方々はみんな立ってますものね。役者にイスを出す案もあったんですが、15分ぐらいなのでみんな立ってますね。
去年の劇想からまわりえっちゃんもずっと踊ってて相当動いていたんですが
奴らは全員立ってましたけどね。
金光:じゃあうちも立たせます(笑)

2021年表彰式の様子

もう一つ 特徴的なのが開会式と表彰式です。
開会式も表彰式も盛大に行われ多くのカメラやマスコミ各社の方々にお越しいただいています。
3ステージの公演が終わって、最終日曜日に表彰式があります。
この日だけは正装して演劇祭関係者全員参加です。
賞レースではないと言いながら、ここまで頑張って来られた劇団さんに何かしらの証をとのことで賞を設けています。
お客さんの得票で賞が決まる観客賞もあります。
というような演劇祭なんですよ。

現役学生劇団の10劇団選出はまだないんですけれど学生演劇祭OBもたくさん
応募はあります。
これまで私が主宰している「おうさか学生演劇祭」に参加した劇団で
関西演劇祭に選出された劇団は
昨年の「劇想そうからまわりえっちゃん」と「創造Street」
今年の「芝居処華ヨタ」(学生演劇祭では「白の鸚鵡」)の3つだけなんです。
https://hopsince2013.wixsite.com/osakagakusei/past-productions
ちょっとハードルが高いかもしれないですが関西演劇祭に学生劇団がチャレンジするのもありだと思うし、どんどん若い劇団さんに出てきてもらいたいと思っているので、栗山くんもまずは観てもらえたらと思っています。
今回の2劇団以外のどの組み合わせを見ても絶対納得いただける思います。

 
藤原:次にチケット料金について、学生さんに質問なのですが、高校生3,000円は厳しいですか?
薬師寺:そうですね。2,000円やったら行けます。3000円やと「おーっ」て感じなんですけど・・・
藤原:大学生も 学生枠に入るんですが栗山くんはどうですか?2,000円やっ たら来る?
栗山:行きますね。金ない大学生は関西多いっすからね。
藤原:去年まで学生料金2,000円やったんですよ。一般料金は3,000円でした。今年は学生料金(大学生以下)が3,000円、一般料金が4,000円。
その代わり 1日券を創りました。2公演(4劇団)で7,000円、3公演(6劇団)で10,000円です。
去年は通し券を買って東京から泊りで2日間観ますっていう方がいらっしゃったりとか楽しみにしてる人たちはだなというのはすごく感じたので1日券はお得かなと思っています。
結論として、現役の高校生からすると3,000円は高くて、2,000円になったら薬師寺さんが、演劇科を全員引き連れて見に来てもらえるっと(笑)

薬師寺:WWW

藤原:相談しますね。貴重なご意見ありがとうございます。
去年まではコロナの影響であまり高校生には声がかけられなかったので今後はどんどん宣伝していきたいと思います。
ちなみに今はどうですか?高校演劇の方は?
薬師寺:卒業公演とかはマウスシールドつけてやりました。人数が多くて、歌ったりするし、学校はもうクラスター発生したら終わりなんで。
演劇科は観劇実習もあるので、全然行くと思います。

リジョロ・ミクマク:よろしくお願いします!


< 星取り表 >
藤原:最後に今回の関西演劇祭参加10団体の特徴をより分かりやすく表すために星勘定で特徴を表現したいと思います。

劇団リジョロ
ジャンル:家族愛
☆5:熱量
☆3:笑い
☆1:恐怖

※恐怖:1はリジョロさんの作風が怖いというイメージがあるので、今回の作品は怖くないよという逆転の発想で表現しています。

Micro To Macro
ジャンル:ヒューマンドラマ
☆5:涙
☆3:演奏
☆1:難解さ

※演奏にするか音楽にするか迷いましたが、音楽ライブっぽく思われたら違うので演奏するんだみたいなのあってもいいかなと

藤原:以上。本日はお忙し中ありがとうございました。

  
 < 告知 >
〇栗山拓さん 役者出演11/12-13 「のろみプロジェクト」at 梅田Lateral
https://twitter.com/9330_aguri_ritu
〇劇団竜人世界 2023年4月以降に公演予定
https://twitter.com/dragonmansworld
〇薬師寺希佳さん  役者出演
「ガラスの仮面」3週連続作中劇
11/25-27、12/9/11「忘れられた荒野‐狼少女ジェーン‐」 演出:金哲義
 https://akaru-project.co.jp/
 
藤原:最後にスクショを取って終わりたいと思います
ありがとうございました。
次回の座談会は「劇団イロモンスター」さんです。




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