2021年6月度 活動レポ✏️

なんと、6月にして今年度初の活動となってしまいました…!
「次の活動はいつですか?」と何名かの方から質問をいただいていました…お待たせしてしまって本当にごめんなさい😭

今年度新しく入会してくれた新入生もいる!ということで、交渉学の基礎講義とシンプルなケースで模擬交渉を行いました。

アイスブレイクは外せない!

弊会名物のアイスブレイク!(?)
今回は(私が)新入生とも仲良くなりたかったので、対話型のアイスブレイクをしました。
テーマは「宝くじで100万円当たったらどうする⁈」です!

お金の遣い方って性格が出ますよね…!
この人は大金を手にしたら一体どんな風に遣うんだろう、、なんてことが知れたら面白いのでは🤔と思ってこのテーマにしてみました。

びっくりするようなお金の遣い方をする人がいるかも?とか期待していましたが、
「動物を飼いたい🐶」
などのほっこりドリームが多かったです。心が浄化されました…

交渉学基礎講座

「交渉学」を正しく理解してもらうのに良く使う例が、
「オレンジをめぐる論争🍊」
です。
オレンジをめぐる論争とは…

ある姉妹が1個のオレンジをめぐってケンカしています。
あなたは2人のお母さんとして、どんな対応をしますか?

というものです。皆さんは、どんな対応が思い浮かびますか?
オレンジを2等分するとか、じゃんけんで決めるとか…
「平等性」や「分け方」に注目した方法は、よく出てくる対応です。

ところで、もしこの姉妹が、こんな事情を抱えていたとしたらどうでしょうか?
お姉ちゃんが欲しいのは、マーマレードを作るためのオレンジの「皮」で、妹が欲しいのは、喉を潤すためのオレンジの「実」だったとしたら…
2人とも、オレンジ丸々1個を手に入れたくて「欲しい!」と言っていたのではなかったということになりますね。

一見対立していても相手が望んでいること、つまりそもそもなぜオレンジを欲しがっているのかということが分かると、実は対立そのものがなかったことが分かったり、解決方法が変わってきたりします。

まぁ、実際オレンジが欲しいと騒いでいる子供が、実は皮だけで良かったとかいうのは滅多にないとは思いますが、それでも欲しがっている背景を聞いてみない限りはこの可能性だって捨て切れないですよね。

このケースを通して、表立って見えていることは事実の内ほんの一部分に過ぎないということが分かってもらえれば、情報収集の重要性が自然と分かってくるのではないかと思います。
この情報収集の手段として有力なもののうちの1つが「質問」です。
交渉が上手い人というのは、口が上手くて相手を言いくるめられる人のことではなく、質問が上手な人を指すのだと言い換えることもできます。

このように交渉というのは対立をコミュニケーションによって解決したり、乗り越えたりするプロセスのことです。
コミュニケーションを通して相手の事情や背景を知れば、仲良く分け合える可能性すらあることが、このケースでお分かりいただけたのではないかと思います。

交渉学テッパン!フレームワーク

今回は、交渉学ではお馴染みのフレームワークを丁寧に紹介し、参加者の皆さんに考えてもらいました!
それがこちら👇

Mission / ZOPA / BATNA
Mission :この交渉の中で実現したいこと
ZOPA(Zone of Possible Agreement):「最高の目標」と「最低の目標」
BATNA(Best Alternative to Negotiated Agreement ):最も望ましい代替案

交渉は、Mission実現のためにします。
ZOPAもBATNAも、Missionを達成するために設定するものです。
逆に言えば、自分のMissionから遠ざかってしまうような合意は形成するべきではありません。

「何を実現したいか」というMissionを軸として、「最高の目標」と「最低の目標」と言うふうに2段構えで幅を持たせて設定したZOPA、ZOPA内で合意できなかった時の別の選択肢として設定したBATNAの、3要素をしっかりと自分の頭の中に持って、交渉に臨むことが大事です。

ということで実際に、Missionを決めた後、ZOPA、BATNAも設定して模擬交渉に取り組んでいただきました!

今回扱ったのは、時計店と時計コレクターが人気ブランドの限定ウォッチを売買するというケースでした。
かなりシンプルにアレンジしたので、皆さん自由に発想しながら交渉に臨んでいた印象でした。

活動を終えて…

講義パートで「相手のコンテキスト(背景事情)を知ることが、対立を乗り越えるのに役立つ」という話をしましたが、実際に模擬交渉をしてみると、
相手のコンテキストを引き出すことの難しさを実感されたことと思います(特に感想戦で感じるのではないでしょうか)。もちろん私もいつも難しいと感じています…!
口で言うのは簡単ですが、実践するとなると難しいことはたくさんありますね。私ももっと精進します!!!

また、交渉の目的は「合意」ではない、ということにもここで触れておきたいと思います。
「良い交渉」の評価基準は、「Missionにどの程度近づけたか」。
模擬交渉をしていると、つい時間内に合意に至らないといけないような気がしてしまいますが、そういう固定概念に縛られてしまうことがないようにしましょう!

加えて、ビジネスシーンなどにおける交渉の際には、その結果を上司などの利害関係者に、背景や理由を説明する必要も出てきます。
この時に、事前準備の段階から相手の背景を仮説思考したり、自分の中長期的なMissionを定めておいたりすると後々有利に働くことがあるので、準備の時から「他人に納得してもらえるような論理」を意識してみてもいいかもしれません。

弊会では、今回のケースの他にも様々なケースを用いた模擬交渉を行っています!
少しでもご興味のある方はお気軽にお声掛けくださいね😊



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