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フィクサー登場

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****説明上、マンションの住人の名前を書いていますが、すべて仮名です****

前期理事長、そして次期副理事長(このマンションでは、前期理事長がサポートとして次期副理事長となるルールになっている) 田川さん(変人)…2021年理事長。理事としての責任を何も果たさず、他にもいろいろと変わり者のうわさ。

【有識者メンバーの方々】
次期理事長  渡辺さん…次期(2022年)理事長の予定の方。一度総会であいさつしただけだが、この人は絶対に味方にしないといけないので、自動的に有識者メンバーに。

小西さん…引越しのごあいさつに行って以来、奥さんが気さくな方なので立ち話をしたりする。インターホンが壊れたことも相談していて、有識者メンバーのひとりとなった。

高橋さん…わたしたちが引っ越してきた年に理事長をされていて、とてもしっかりした方という印象だったので、有識者メンバーのひとりに。

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管理会社を替えるため、夫が集めた資料と、副理事長に立候補したいという文書を有識者メンバーに渡したところ、すぐに反応があった。

まずは高橋さん。

「資料を見て、今すぐにでも管理会社を替えたいと思った。○○さん(わたしたち)が副理事長になってくれればスムーズに運ぶと思う。小西さんに総会で、『部屋番号順の理事も2巡したので、次は途中入居の方々に理事長をやっていただいてはどうだろうか』と提案していただき、わたしが援護射撃をします。その後、次期理事長の渡辺さんから、『副理事長が田川さんでは心もとないので、○○さん(わたしたち)にやってもらいたい。来年理事長になる前に副理事長を体験していただければよいのでは』と提案してもらえば、決まると思います」

もうすでに小西さんにも渡辺さんにも話を通してあると言う。このあと、高橋さんはわたしたちから陰でフィクサーと呼ばれることになった。

そして、渡辺さんからもお手紙。

「いただいた資料で、今の管理会社ではダメなことがはっきりした。高橋さんが知恵を絞ってくれて、自然な形で○○さん(わたしたち)が副理事長に就任する方法を考えてくれた。田川さんは相変わらず居留守を使っているし、あてにできないと感じていたので、○○さん(わたしたち)が副理事長になってくれれば百人力。ただ、一部の人間で画策しているとみなさんに思われないよう、気をつけましょう」

こちらこそ、百人力である。だが、渡辺さんに公の場で田川さんを正面から非難するようなことを言わせるのはまずいだろう。そこで、

「小西さんと高橋さんから途中入居の方に理事長をやってもらおうという提案が出たとき、わたしたちが、『それはかまわないが急に理事長というのも荷が重いので、副理事長を経験してからにしたい』と言えば、矛盾がないと思います」

と渡辺さんにお返事をした。

心強い味方を得て、また一歩進んだわたしたち。なんだか、政治家みたいだね、と夫に言ったら、いや、ドラクエだ、俺らは賢者をパーティーに入れたんだ、と言っていた。

さあ、総会という名のダンジョンへ乗り込むぞー!

次回、2ヶ月遅れの通常総会

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