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漫才「金のオノ銀のオノ」

漫才『金のオノ銀のオノ』
ツッコミ→ツ ボケ→ボ 両方→両

ツ「どうも~」
(入ってくる)
ツ「お願いします~」
ツ「まあね、今日も頑張って漫才して
  いきますけども」
ボ「あの~」
ツ「はい」
ボ「金のオノ銀のオノってあるじゃないですか」
ツ「あー、泉の中に鉄のオノ落としちゃって、
  金のオノでもなく銀のオノでもなく
  正直に答えると3本全部もらえて、
  嘘を答えると何ももらえないやつね」
ボ「あれ~……事件ですよ」
ツ「まあおとぎ話の大半は事件だからね」
ボ「もうあれ以上オトいでる作品
  ないんじゃないですかね」
ツ「あんまオトイでるって表現しないけどね」
ボ「あれ、オノ投げるべきじゃないです」
ツ「なんでよ」
ボ「オノなんてもの投げ込むのは
  おとぎ話の中かオノーティストだけですよ」
ツ「…」
ボ「…え?」
ツ「「え?」じゃないよ、責任を持ちなさいよ
  自分発の造語に」
ツ「じゃあお前さ、オノの代わりになにを
  投げ込めばいいのよ」
ボ「嫌いな上司」
ツ「コンプライアンス!」
ボ「いやね、話聞く限りあの泉、
  物理的に投げ込めるものなら入る
  大きさなんですよ」
ボ「それなら散々パワハラで苦しめられている
  上司を投げ込めば…」
ツ「お前はモラルを豚に食われたのか?」
ボ「でですよ!」
ボ「入れ込んだらあのお決まりの
  選ぶやつですね、けどこれどっち選んでも
  成功です」
ツ「どういうことよ」
ボ「まず「あなたが落としたのはこの
 『頼りになるイケメン上司』ですか?
  それとも『美人でスタイルのいい女上司』
  ですか?」
ボ「って聞かれるんですよ」
ツ「あなたにとってのパワハラ上司の対義語は
  それなのね」
ボ「これでもし嘘をついた場合、
  いい上司を生贄に捧げる代わりに
  パワハラ上司を墓地に送ります」
ツ「なんだよその遊戯王のテキストみたいな」
ボ「んで正直に答えたとき、これ素敵な上司
  二人とも私のものです!」
ツ「それ理屈上パワハラ上司
  返ってくんじゃねえか!」
ボ「まあもしパワハラ上司が返ってきたとしても
  二人の頼れる上司が黙っちゃいない
  でしょうね!」
ツ「泉の中に沈められた後にそんなことされちゃ
  いかにパワハラ上司とはいえ流石に厚労省と
  労働組合が黙っちゃいないでしょうね!!」
ボ「イヤイヤ…女神がいるようなところに
  厚労省があるわけないでしょう…」
ツ「厚労省がある日本に女神なんて
  いねえんだよ!!」
ボ「まあね、上司投げ込むのはちょっと
  良くなかったかもしれないですね」
ツ「ちょっとじゃないんだけど」
ボ「じゃあこれはどうですか、
  自信あるんですけど」
ツ「なによ」
ボ「病院に使うんです」
ツ「病院って…どういうことよ」
ボ「だから…例えば、インフルになった人が
  いたとしましょう」
ボ「その人が泉に駆け付けるんですね」
ボ「それで泉に咳をすると女神が
  またやってくるんですよ」
ツ「たぶんガッチガチにマスクしてる
  だろうけどね」
ボ「「あなたが落としたのは『乳酸菌』ですか?
  それとも『ビフィズス菌』ですか?」って
  聞くはずですよ」
ツ「いい菌だからと言ってその選択肢は
  ないだろ」
ボ「それで嘘つけばインフルエンザウイルスが
  消え去る!というわけですよ」
ツ「…あぁ~…」
ツ「実現するならそれはそれで、
  と思えた自分がいるわ」
ツ「ちなみにこれは正直に答えると
  どうなんの?」
ボ「インフルになったままR-1ヨーグルトが
  もらえるんで結局治ります」
ツ「治るか!いやたしかにR-1は風邪に効くって
  聞くけど」
ツ「いや微妙よ、どっちも…泉は泉のままで
  いようぜ」
ボ「いやいやでもね、最後の一つは
  自信あるんですよ」
ツ「なんだよ」
ボ「ごみ捨て場にする」
ツ「こんの豚モラル野郎!!!」
ボ「なんですか」
ツ「いや別に俺がおとぎ話の
  何かじゃないけどさ…」
ツ「いやなに、お前泉をゴミ箱に
  するってこと?」
ボ「ごみ箱っていうか…最終処分場にしようと
  思って」
ツ「それは…」
ボ「トラックとかで産業廃棄物なんかを
  泉に入れ込むと」
ボ「女神は「落としたのは『再生可能な資源』
  ですか?
  それとも『環境に配慮したごみ』ですか?」
  っていうでしょう?」
ボ「そこで「環境に配慮したごみです!」って
 答えれば永久にゴミ捨て場に困らないですよ」
ツ「その時女神、目ぇギラギラしてる
  だろうけどね」
ボ「森に資源を返してもらえて?」
ツ「クソ上司とインフルと産廃押し付けられて
  ブチギレてんだよ!」
ボ「ダメなんですか?」
ツ「ダメに決まってるだろ!」
ツ「お前一回泉入って、良いお前と
  交換してもらえ!」
ボ「その理屈だと良い私二人と一緒に普通の私
  戻ってきますよ」
ツ「あー!ジレンマ!」
ボ「そんなに嫌なら、嘘を言って私のこと
  消せばいいんですよ」
ツ「いやお前、そんなことしたら俺一生漫才
 できなくなっちゃうじゃねえか」
ボ「…」
ツ「…」
両「(ニヤニヤ笑いながらその場を後にする)」

おわり

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