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コント「肝試さない」④
ビス子「いけますよ、パトロール役」
先輩「いけんのォーっ!?」
後輩「マジですか!シフト入れる?」
ビス子「入れますよ」
先輩「そんな…スーパーアルバイターみたいに!」
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ビス子「私もここで特に何もしてなかったので…暇つぶし位にはなるかと…」
先輩「確かに助かりはしますけど…」
先輩「お化けにこんな事言うのも変な話ですけど、あんま怖くないように出れたりします?」
ビス子「……」
ビス子「……中怖くらいってことですか?」
先輩「中辛的な??」
ビス子「そうですね…」
ビス子「下から順に、甘怖、中怖、怖口、スパイシーホラーとなってます…」
後輩「ジャワカレーみたいな刻み方してる!」
先輩「…一応興味本位ですけど、甘怖って?」
ビス子「アンパンマンでいうとホラーマンくらいの怖さです」
後輩「絶対に怖くない!じ、じゃあスパイシーホラーって?」
ビス子「呪怨とリングと着信アリを足して割らない感じです」
後輩「怖い以前に濃すぎる!ホラー界のスマブラかよ!」
先輩「や、やっぱ中怖でお願いします…」
ビス子「そうですね、肝試しであればそれが丁度いいかと…」
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先輩「ちょっと心配ではあるけど、これでひとまず肝試しの警備は任せて良い、ってことになるのか」
後輩「先輩先輩」
先輩「んー?」
後輩「…これ、チャンスですよ!」
先輩「…なにが?」
後輩「やっぱビス子さん、仕事頼めば結構やってくれそうじゃないですか」
後輩「このままビス子さんとビス子さんに取り憑かれてる僕、合わせて売り出してこの深草寺を儲けさせましょうよ!」
先輩「お化けを見世物にして飯食うようになったらいよいよ坊主はおしまいだと思うね!?」
後輩「先輩だって、薄給生活から成り上がりたいって言ってたじゃないですか!」
先輩「言ってたけど!言ってたけども!」
後輩「やりましょうよ!お化けビジネス!心霊ビジネス!」
後輩「トゥルーマン・ショー!トゥルーマン・ショーみたいなのはどうです!?」
後輩「僕が取り憑かれて災難に遭うのを24時間ライブ配信して、広告収入を稼ぐんです!」
後輩「ホラーで荒れ狂う森や街、テンション上がりますねぇ!」
先輩「やだよそんな生きてるやつにも死んでるやつにも迷惑なトゥルーマン・ショー!」
ビス子「ホラーなトゥルーマン・ショー、ホラーマン・ショー…」
先輩「ビス子さん?そんなTwitterのネタ垢みたいな言葉遊びやめてよ?」
後輩「ホラーマン・ショー笑ってことは甘怖ですね笑」
ブオオオオッ
ワハハハハハハハッ!!!!
先輩「歓声だ!霊障ってオーディエンス代わりになんの!?」
後輩「アメリカのコメディみたいなガヤの声も出せることだし、編集不要で垂れ流せますね!先輩も一人一体、おばけどうです?」
先輩「いらんし!収益化もしない!!!!」
後輩「炎草水の好きなタイプのおばけから選ぶんじゃ!」
先輩「化けモンも!選ばない!!!」
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ビス子「じゃあ私はそろそろ帰りますね、肝試しの件は諸々承知しました…」
先輩「もう全然流暢に喋るね、ビス子さん」
後輩「適度にちびっこを驚かしといてくださいねー」
先輩「パトロールだけでいいですからね!収益化しなくていいから!」
ビス子「分かってますよ…幽霊だって冗談は分かります…」
後輩「マジだったのに…」
先輩「と、これでまぁお前のポルターガイストや金縛りともオサラバだろうなー?」
後輩「そうですね、ひとまず肝試しの良い警備員として和解できましたしね」
ビス子「…ポルターガイスト?金縛り?」
先輩「こいつのところで色々やってたんでしょ?ビスコに偏見持ったこいつに恨み抱いて」
ビス子「してないですよ?」
2人「「えっ?」」
ビス子「いや、してないですよって…」
ビス子「というかさっきあなた達に初めましてって言ったじゃないですか…」
2人「「えっ????」」
ビス子「じゃ、お祭り当日はよろしくお願いしますね、失礼します…」
ズズズ…ズズ…
先輩「え?ど、どういうこと?」
後輩「心霊現象は、ビス子さんの仕業じゃなかったんですか?そ、それじゃあ…!」
ザザザ…!
ガサガサガサッッッ!
ブオオオオーーーッ!!
幽霊「うぁぁぁぁ…っ!」
2人「ひゃーーーーッ!!!」
幽霊「私の名はグリ子…恨めしや…!」
先輩「いや次はグリコかい」
おしまい
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