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アトピーで悩む家族がいる方に気をつけて欲しい7つのこと vol.2

↑vol. 1の続きです

④『かくな!』『かくなって言ってるだろ!』強い口調で言わないで

 「かいちゃいけない」って本人が一番よくわかっています
アトピー性皮膚炎や皮膚病の『痒み』って家族や周りの人達が思う以上に辛いんです。自分も「かいちゃいけない」と思っているのに、
『かくな!』『かくから治らないんだろ!』などと強く言われると、悩んでいる本人にとっては非常にストレスに。

 アトピーの方にとってかく事は気持ちが良い」ので、ストレスがかかるとそのストレスから逃げるため余計かき壊してしまうんです。
*例えば小学生のアトピーのお子さまは
・ゲームに熱中しているときはかきません
・(嫌な)勉強している時はかき壊す事が多いんんです

部屋の温度を少し下げる、かいているのを見たらクリームをぬってあげる、何か集中できることに気をそらすなどしてかかないように協力してあげてください。

(公財)日本アレルギー協会発行『よくわかるアトピー性皮膚炎』
P41  掻かなくなるヒント(行動療法) もご参考にして見てください

⑤甘やかさない ダメなものはダメ

 特にお子さまのアトピー性皮膚炎でお悩みの方、
「かわいそう」「産んだ私の体質のせい?」などと考え甘やかしすぎていませんか?心配されるのはもちろんわかります。ただ、店頭の相談では「甘やかし過ぎじゃないかな」と思われるご両親が多く見られます。
 
 自分の症状は自分が一番わかっています。
 なんでも親にやってもらっているお子様の場合
ご本人に「一番辛い症状は何?」と質問すると
本人が答える前に全てご両親が答える』場合が多いんです。

こんな時のお子様の気持は以下の2つ
a. どうせパパやママがやってくれる
かまたは
b. どうしてこんなになんんでもかんでもパパママがやっちゃうのほっといて

a.の場合、成長してもパパママだより、身の回りの事を自分からやろうとしません
b.の場合、成長するにつれて「もうほっといてくれよ」とパパママと距離をとるようになります

いずれにしても良いことではありませんね。
アトピー性皮膚炎は「通常の生活がおくれる」事を目標に本人が主体で家族や周りの協力のもと治療するのが基本。腫れ物を触るように対応してなんでも言う事を聴いてしまうのは治療にとって逆効果。自分のことはなるべく自分でさせましょう

今日はママも忙しいから、自分の時間を自分で考えて過ごしてね
と、少し距離をとって接することも大事なんですよ。

⑥今までの治療を否定しない

 特に大人のアトピーでは自身でインターネットを検索することで、いろいろな治療法や民間療法、健康食品に出会います。
 これらは全て良心を持って『早く治してあげたい』というものではありません。中にはアトピーで悩んでいる方から少しでも多くお金をとろうという『アトピービジネス』が今だに多いのも現状です。
 ただ本人は「少しでも良くなりたい」という思いから藁にもすがる思いです。

 なかなか良くならない場合
そんなのいくらやっても同じだよ」「騙されてるんじゃないの」等の言葉は自分の判断、今までの全てを否定されているとの思いで大変ショックを受けますし、より頑なにその治療法を続けてしまいます。良くならないのに続けるのはお金の無駄ですよね。

 家族や周りの方々がなんだかおかしいな?と思ったときはできるだけ早い段階で
どう?症状楽になってる?一緒に経過見てみよう」と時々声をかけてください。
もし1ヶ月経っても見た目の症状または本人の自覚症状(痒みなど)になんの変化も無ければ「どう?変化感じる、感じないなら1週間ぐらい休んでみれば」とアドバイスしてあげてください。

 1週間休んでも症状が休む前と何も変わらなければその治療法をいくら続けても改善に繋がらないことが多いですし。本人もやってもやらなくても変わらないと気づきます。
必ず『一緒に考えてみる』『頭ごなしに否定しない』事が重要です。

⑦ステロイド軟膏、プロトピック軟膏を上手に使う

 店頭では「ステロイド軟膏は絶対に使いたくありません!」(親が言う場合もあれば、ご本人がいう場合も)と言う方が多くいらっしゃいます。もちろんお客様の意見は尊重します。
 私も、ただただ3ヶ月、6ヶ月、1年、3年とステロイド軟膏をつけ続ける事には反対です。
 ただ、アトピーが酷かったり、長期ステロイド軟膏連用の使用中止によるリバウンドで

痒みがひどくかき壊して眠れない
痒みが酷く掻かないように手を縛って寝ている
顔が赤く腫れて外にも出られない
滲出液(ジュクジュク)が酷く動けない

これらは『普通の生活がおくれる』と言えるでしょうか?
症状が酷い場合一時的にステロイド軟膏を使用して
眠れるようにする
腫れをひく
滲出液を抑える
事はとても重要な事です。


 ステロイド軟膏を適切に使い、徐々にやめられる状況を作ることが大切。
アトピー性皮膚炎で死ぬ事はない」と思われる方がいるかも知れませんが、
ステロイド軟膏さえ使わなければ良くなる』と信じ、症状を悪化させ、傷口からの感染症で死に至る場合が本当に稀ではありますがあり得るのです。

 「ステロイド軟膏を使っているからよくならない」
 「ステロイドが体に溜まっているからよくならない」
 「毒素が出ているから我慢しろ」

などは医学的な根拠は全くありません。
 症状が酷い重度なアトピーや長期ステロイド連用でステロイドを止めたい場合、急激な中止はせずに徐々に減らしていくことが重要です。
 アトピーは短期間で改善する皮膚病ではありません。だからこそアトピー治療では『普通の生活がおくれる』日を1日でも多く増やすことがとても大切なことなのです。

*長期ステロイド使用の場合、私はまずステロイド軟膏を休薬してみて、症状が酷くならなければスキンケアや漢方薬で対応しますが、急激な悪化や『普通の生活がおくれない』場合は上手にステロイド軟膏を使うことを提案しています。
*傷が少ない場合で医療機関からプロトピック軟膏が出されている場合、積極的に使用して症状を抑えると炎症や痒みをコントロールしやすくなります。

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