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《体験談》 おっさんの入院日誌 ② ~8日目から9日目~

皆さま、こんにちは。かんおさです
前回の記事をお読み頂いた皆様、またスキを付けて下さった皆様、本当にありがとうございます。
今回も前回に引き続き、自由にふるまうオタクなおっさんの入院様子をご紹介いたします。

お暇な方は、肩ひじを張らず、自由にふるまうオタクなおっさんの入院生活をお楽しみください。

【注意】

この入院日誌は、なるべくコミカルに、しかし私の率直なその時の想いを素のままに表現しようとした結果、入院の深刻さのようなものがほぼほぼ失われたものとなっております。
もしかしたら、人によっては不謹慎と感じるような表現も多々ある文章ですので、その辺りはご了承ください。

この記事を作成するにあたり、私の病名や症状、診断につきましてはなるべく詳細に紹介いたしましたが、その他の情報はかなりの誇張・フェイクを交えています。
また、本当にお世話になりました病院への配慮から、実際の場所や人物像につきましては、一切お答えできません。ご了承ください。

とりあえず、入院生活最高。看護師さんは神という内容となっております。
あくまで私の体験を通した感想であるので、異論は認めません。

以上の諸注意を胸においていただき、それでも宜しければお進みくださいね。

入院8日目

本日は、全く寝られなかった……清々しいくらいに眠気が来ずに、朝を迎えてしまった。
そもそも運動不足だし、先日は特に何もなくベッドにいた事に加え、昼寝もしたし、止めとばかりにお茶を飲んだのが致命傷になったのかと思っている。
うん、そりゃ寝られなくても仕方ない。
とはいえ、3時間ほどは意識が落ちたっぽいので、朝の体調は悪くない、と思う。
歯磨きの時にうがいをしたら久々に火花が散って眩暈がしたが、まぁ、悪くないと思う。きっと。

朝の問診に寄生獣好きの(語弊がある書き方)可愛い看護師さんが来てくれた。
夜勤だったらしくお疲れ様です。本当に。
眠れなかったことを話し、コーヒーでも入れつつ頑張って起きてますと言ったら、下にあるスタバの新作サクラなんちゃらをお勧めされた。
しかし、私は投薬による血糖値上昇の関係で甘いものはダメなのです。
そのことを伝えたところ、腕を組みながら「うーん、残念ですね」とか可愛い仕草で言葉を頂いて、朝から幸せです(単純

今日は診療日とのことで、下には外来の患者さんがいらっしゃるようですが、暇を見つけていってみましょう。
目指せ、スタバデビュー。

現在は、9時過ぎ。
朝食も終わり、何もすることがなくなった時間。
そうするとやはりやって来るのが、奴だ。

そう、睡魔である。

いつもならこのまま惰眠を貪るのも悪くないのだが、今日はほぼ熟睡できなかったことから、今から寝ると昼まで爆睡する可能性が高い。
そうなれば後は簡単だ。昼夜逆転生活が始まる。
流石に、入院生活においてそれは避けたい。
最悪、睡眠導入剤があるので今日の夜は頼ることも辞さないが、可能であるなら自然な形で寝られるのが理想だろう。

しかし、この強大な力には抗いがたく……いつまで持つか自信がない。

そして何とか誤魔化しつつ、睡魔との戦い昼までは私の勝利で幕を閉じた。
しかし、眠気が限界だったので、病院内にあるスタバへ。

下界は人も多く、今の弱った体では歩くだけでも疲れてしまう。
感染の心配もあるので実は結構危険だったりするのだが、どうしても美味しいコーヒーが飲みたくてスイカを片手に降りてきた。
電子マネーは便利だよね。特に入院中はパジャマなので財布や小銭入れはかさばる関係で持ちたくないし。
いつも手軽に買い物ができるので重宝しているのである。

そうして人ごみの先、遠くに見えるおしゃれ空間。
実は私、スタバって苦手意識が強いのです。
どこのスタバも仕事してる人やカップル、おしゃれな人が集まってるイメージがあるから。
個人的にはどうしても、その気どった空間が苦手で、いつも二の足を踏んでしまうのだが、今日はコーヒーを買うという使命が私のヘタレな心を後押ししてくれた。

しかし、ここで想定外の事態が。

学生と思われるはきはきした店員さんにホットコーヒーを頼んで、スイカをだしたところ、支払いは現金とクレジットカードのみとのこと。
え? 今のご時世、電子マネー使えない場所あるの、マジで?
流石、金持ちやセレブっぽい気どった人が多くいるおしゃれスポットだな(完全に偏見)

まさかの支払い選択肢に電子マネーが無いとは全く考えてなかった。
財布を持ち歩きたくなく、スイカ一枚を持ってきたのが完全にあだとなった形だ。
突き刺さる視線を感じつつ、「あ、じゃあいいです。ごめんなさい」と、そそくさと撤退することに。

こうして、私のスタバデビューは大失敗で幕を閉じたのだった。
やはり私には縁のない場所だったようだ。二度と行かねぇ。

ちなみに、コーヒーは欲しかったのでコンビニで缶コーヒーを買いましたとさ。
はぁ、タリーズの缶コーヒー美味い。今後は、この缶コーヒーを愛していこうと思う。

そんな感じでカフェインを注入したおかげで、午後はしゃっきりと過ごせた。
うーむ、カフェインパワー恐るべし。

最近、少しカフェイン断ちをしていたのでその効果もありそうだ。
つい2か月ほど前までは、毎日当たり前のようにコーヒーやらお茶を飲んでいたのだが、どうにも意識がどこかすっきりしない日が続いていたので、思い切ってやめてみてから1週間ほどで効果が出てたのだ。
やはり、カフェインを過剰に摂取すると頭の回りや判断力が常時鈍ることになりそうな予感。

今回は緊急避難的に飲んだけど、ここぞという時に使うためにも、またカフェイン断ちしておこう。

夕方頃、ツイッターのDMに仲の良い花騎士のシクラメン団長さんからメッセージが。
どうやら花騎士のログイン状況から、私のネットが生きていることを知って声をかけてくれたようです。
何という情報分析能力。流石シクラメン団長(関係ありません

実はこの段階で、ネット環境は辛うじて生きてるには生きてるのだが、初日にスマホの通信速度制限がかかったので無事死亡状態だったり。
ちなみに花騎士が止めを刺したと言っておく。

その関係でSNSもブラウジングも、全てが超頑張らないと満足に活用できない状況になってたり。
ニュースすらろくに見られないので、完全に外界とシャットダウンされている状況。
何となく文字の切れ端から、まだ某ウィルスがフィーバーしている事は察せられる。
だが、よくよく考えてみたら、普段の生活と言う程変わらなかった。良かった、何の問題ない。

ツイッターに声をかけてくれた方に返信もしようか迷ったが、この状況だと自分の発言に行くだけで数分かかる勢いなので悩んだ末に諦めた。
心配をかけてしまって申し訳なかったのだが、なんせ本当に全ての動作が鈍重なのだ。
しかも花騎士に至っては、ログインしかできないし。
今回のイベントも軒並み全滅で、イベントのアイテムの回収が全くできないのもブレーメン以来、初なのではなかろうか。
かなり負けた気分なのだが、こればっかりはどうにもならないので仕方ないよね。
ログインだけでも死守できるよう頑張ろう。

そうして、カフェイン効果もあってあっという間に夜。
やばい、全然眠くない。どうしたカフェイン。ちょっと頑張り過ぎじゃない?

夜に初めての看護師さんとご対面。夜勤お疲れ様です。
しっかし、この方もまたごっつう可愛いんだが。本当に何なのここ。アイドルでも送り込んでる?

後でドッキリでしたーとか来るんじゃなかろうかとちょっと怖くなってきた。
それとも実は今の女子達はこれが標準レベルなのだろうか?
もう私のような不細工なおっさんは生きていてはいけないのではと、割と本気で悩む。

昨日の夜は寝られなかったことを引き継ぎで知っていたらしく、気を使ってくれた。
可愛い看護師さんに気を使ってもらえたので、もう寝られなくていいと思います。
兎に角、寝られなかったら声掛けるので、その時薬下さいと伝えておいた。

「じゃあ、声かからないと良いですね」って笑顔で返された。
もう永眠していいかもしれない。

入院9日目

夜、カフェインが想定以上に張り切ってしまったのか、中々寝付けなかったのだが、何とか無事、寝ることができた。
しかし、治療の副作用のせいなのか、眠りの入り、そして起き方が、今までと全然違って睡眠に対する満足感が無い。

いつもは、最高に調子よく寝られるとスコーンと落ちて、むくっと起きられる。睡眠時間は連続6時間以上この時は絶好調だ。
大抵は、あまり眠りが良くなくても、なだらかにふわふわと落ちて、まどろむ様に起きる。

しかし、今日の睡眠は何というか、こう気持ちよくないというか。
病院は21時消灯と言う鬼畜な仕様なのだが(もう慣れた)、そこから22時くらいまでは多分、全く寝られる気配もなくて覚醒していた。
目こそ瞑っていたが、寝られる気配など微塵も感じなかったのだ。
いつもなら、徐々にこう、睡眠に入っていく手ごたえみたいなものがあるんだが、それがない。

そして次の瞬間、姿勢が変わっている。
時間は夜中の2時。おう、何事? 割とホラー。

なんだ、寝てたのか。寝られてよかった。とりあえず、3時間くらいだろうか?
とか、つらつらと明晰に思考を巡らせていたら次の瞬間、朝である。

本当に何の兆候もなく、意識的にもインターバルが無いので、ちょっと怖い。
このような意識が綺麗にぶつ切りされたような落ち方と起き方は初めてなので、戸惑っている。
やはり睡眠導入剤はあった方がいいのかな。ちょっと先生に相談してみよう。

朝、スマホを触って違和感を覚える。
何だろう? 凄く快適に動作している気がする。
具体的には、ネットへのアクセスが異常なまでに早い。

試しにツイッターを開く。
何だと……文字が出てくる、だと?
しかも一瞬だ。何だこのスマホは。どうした。

冷静になりつつ一つ結論に至った。

通信制限解除!!

そうだ。今日から3月らしい。
しまった、入院生活に順応していたので、日付感覚が完全に崩壊していた。

何はともあれ、嬉々としてネット世界へとダイブした。
また、先日のこともあって、ツイッターには返信できるうちにしておこうと、リプを返した。
ちなみに、ネットが復活したことで有頂天になっていて気が付かなかったが、よく見たら朝6時だった。
皆、朝からすまぬ、すまぬ……。けど起床時間は6時なの。許して。

久々に見たニュースによると、世の中は依然として某ウィルス一色らしい。
多くの一般人にとっては何の問題もないモノなんだけどね。少し調べれば分かるのに。

どうやら学校の臨時閉鎖が決まったとか。なかなか思い切ったことをする。
色々な意見を見たが、教育従事者の方は大変だろう。
個人的には概ね賛成の立場だ。まぁ、封じ込めと言う意味ではあまり効果は期待できないだろうけど。

しかし、生徒たちが狂喜乱舞する姿しか私の脳裏には浮かばない。ラッキーだったな、子供たち。
そして、その後、かきいれ時とばかりに、春期講習攻勢が始まる未来が見える。残念だったな、受験生たち。

ただ、冷静に考えれば、一番危害を被りそうな人たちが私を含めここに沢山いる訳だが、と気づいて現実とのギャップに戸惑う。
ここは管理もされていてある意味で安全だが、絶対ではない。
っていうか、むしろそれを知ってるからこそ、万全の注意を払って行動している。

余談だが、院内での防疫行動は本当に徹底している。
部屋から廊下に一歩でも出る時は、マスク着用。でたら必ず手洗い、アルコール消毒は必須。
トイレを使う際は、必ず取っ手と便座はアルコール消毒。使った後も同じ。
これは全ての入院患者が当然のこととして行わなければならない事だ。
そして当事者の私は特に気を付けて行動しないといけない立場だ。

また日に一回、必ず清掃担当者が部屋を消毒に来る。
床を綺麗に清掃するのは勿論のこと、アルコールで机やベッドの淵、取っ手など手の振れそうなところをすべて消毒する。

特に免疫力が雑魚化した今の私など罹患したら人生から一発退場の可能性が高いのだから、リスク的にはむしろそっちの方が心配なはずなんだが。
その実、当事者の私は全く気にしてなくて、と言うかここまでやってダメなら諦めるしかないでしょ的な心理だが、逆に世間がお祭り騒ぎでトイレットペーパーがーと言うこの現状。なんだかな。
本当に心配なら手洗い清掃をしっかりして、極力外出しなければ何の問題もないのだけど。
心配しているとか騒ぐ人に限って、実は対策何もしてないのではとか思ってしまう私は、少し意地悪なのだろうか?

やっぱり、諸悪の根源は根拠のない大衆心理と無責任な報道なんだなと、改めて世の無常を感じた朝だった。

通信制限が解除されたこともあって、早速、一週間ぶりの花騎士を楽しんだ。
画質も何もかも低速にしたにも関わらず、討伐を押して数秒後にエラー落ちを繰り返していたあの花騎士が、嘘のように軽快に動く。
これが花騎士の真の力か!と、感動しつつ、最低限の周回だけは済ませ、今回のイベントも何とか終わらせることができた。
良かった、ギリギリ間に合って。

しかし、これで調子に乗ってガッツリ周回すると、あっという間にまた低速生活に逆戻りなので、自重する。
暫くは1日一回のログインだけにしておこうと思う。探索クエストが達成できないのは心残りだが、こればっかりは仕方ない。

そして、この周回によって復帰一日目にして尊い86.67Mが失われたのだった。逃げ切れるのか不安だ……。

今の時点で、あと1週間はこの生活が続くことが確定している。
これはレンタルWi-Fiも視野に入れるべきかと愚考する。

無くても何とかなるかと思うのだが、動画を無制限で視聴できるかどうかは、多くの時間を過ごす意味ではかなり違うのだ。
U-NEXTもあるし、ナスネもあるので、外でも問題なく多くの作品視聴が可能な環境はあるのである。
ネットが無尽蔵に使えればと言う前提に立っての話になるが。

実は、入院に当たってこの件は危惧していた。
していたのだが、ネックになったのは、入院日が決まるのが入院前日であるという点だった。
今回は、比較的早めに入院ができたから良かったものの、いつ決まるかは本当に状況次第だったので、こちらからは一切読めないのである。

なので支度時間が一日しかないと知っていたからこそ、この件は割と早めに諦めていたのだ。
まぁ、無くてもどうにかなるだろうという、楽観的な思いもあった。
事実、どうにかなっていたのだが、実際、通信制限を食らってみると、思ったよりきつかったのだけど。

正直、最悪、フリーWi-Fiも院内にあるだろうし、そこでお茶を濁そうとも考えていたのだ。
しかし、それは私の病状を鑑みて、方針転換せざるを得なかった経緯がある。
流石に、今の状態で人ごみの中長時間居座るのは、リスクが高すぎるっていうか、ぶっちゃけ自殺行為だ。
自分だけ自爆するならまだしも、あろうことかそれを知らずに病室に持ち帰って撒き散らしたら、私は自分を許せないだろう。

なのでより快適にしたいなら、選択肢としてはレンタルWi-Fi一択なのである。

丁度、制限解除もされて、調べる効率も上がっているので、この機会にサクッと調べてみた。
色々と調べた結果、今は中々、多種多様なサービスがあることを知る。

なるほど、やはり日で制限がかかったり、月で制限がかかったりするらしい。
私は動画主体の使い方になりそうだし、制限の緩いものがよさそうだ。

しかし、普通に調べると中々に割高で、手を出しづらい商品が目立つ。
そんな中、かの有名な価格ドットコムを経由した場合、中々にお得な商品があることに気が付いて覗いてみたところ、良さそうなサービスを見つけられたので、ポチっと。

「fon rental wifi」と言う業者だが、はてさて大丈夫なのかは、正直わからない。
まぁ、今さら何を失うわけでもなし、これで何か大失敗すればネタになると、あっさり契約した。
何より、無制限にしては2週間で総額4000円と言うのがとても割安に感じたのだ。
いや、冷静に考えれば相当感覚がマヒしているか?

しかし今はクレジット決済で、病室にいながら支払いができるから本当に楽な時代になったものだ。
昔は、銀行振り込みか良くてコンビニ支払い、代引きなどだったし。

さて鬼が出るか蛇が出るか。到着を楽しみにしたいと思う。

お昼に、いつもの掃除スタッフのおばさまが、清掃してくれた。
いつも、本当に頭が上がらない。感謝の言葉だけは欠かさず伝えたいと思う。

少し雑談をしながら作業してもらったのだが、おばさまは週に4日も入っているらしい。
こうして掃除をして回るのは、やはりお年の事もあって大変だと言う。
「家に帰ると、疲れちゃって、もうー」とか、完全に井戸端会議だが、それが楽しい。
色々な方々が、様々な場所で多くの仕事に関わって、世の中は回っているんだなーと実感してみた。
私はこのおばさまにも快適な空間を維持してもらって、生かされているわけだね。

昼飯前に、担当医の一人の方が、様子を見に来てくれた。
今日の方は初めて会う方で、これがまた典型的な森のくまさんタイプだった。これは一度見たら忘れない。
そして、どことなく同類の臭いを感じた。この先生は同志かもしれない。違ったらマジですまん。

折角なので、今の治療について少し確認をした。
ステロイドパルス療法が、今後どのような経過を辿るかである。
気を付けることなど、少し突っ込んで聞いてみたが、大筋で間違ってなさそうでよかった。

どうやら、基本はこの療法で、体内の炎症を抑えつつ、症状が悪化するのを防ぐらしい。
まぁ、つまり言ってしまえば対処療法と言うことだ。
流石、指定難病。手ごわいね。

まぁ、とはいえ、それで完治しないにしろ、現状維持ができれば万々歳である。
と言うか今の自分としては、所かまわず攣らないだけで本当に助かっている。あれは本当にきつい。
私は、花騎士を始めとしたゲームや、アニメ、そしてウォークと食べ歩きができれば、一生幸せでいられる自信がある。
我ながら安上がりな幸せかと思うが。

あ、けど、折角だし、可愛くてロリで貧乳で私を養って甘やかしてくれる心優しい彼女を募集しておこう。
え? そんな存在、二次元だけ? 知ってるわい。

お昼頃、件のおっちゃん(推定バブル世代)が急に退院していった。
あ、これ面倒だから放逐されたなと、私は察した。
心持ち見送る看護師さんの笑みがまぶしい気がした(多分気のせいです)

まぁ、おっちゃんも帰れて嬉しい。私たちも平穏が戻って嬉しい。実に良いことである。
おっちゃんは何故か、しきりに本当に帰っていいかを確認してた。

「いつ帰ってもいいのか?」
「本当にもう帰っていいのか?」
「今からだとタクシー使わないといけないじゃないか」

それに対して、看護師さんも笑みで淡々と答えていた。
「お見送りできなくて申し訳ないのですが……」と答えていたのが、何故かとても印象的であった。
そのままの言葉通りの意味であることを願わずにはいられない。

そうして最後まで慣れなかったおっちゃんは去った。
下手に声かけておかなくて、本当に良かった。
これからもこのスタンスで基本ボッチ生活を貫こうと心に決める。
あの手の方は、すぐに弱い人を見つけて威張り散らしてくるから関わり合いになると色々と面倒を背負いこむと経験で知っているし。

え? なんでそんなに詳しいのかって?

何故ならあの手の輩は、氷河期世代の上司達に本当に掃いて捨てるほどいたのです。
特に私の飛び込んだIT系は本当に酷かった。行く先々で、そんなのばっかだった。

上手くいっている時はただの気の良いおっちゃんなのだが、一旦状況が悪くなると、罵倒、そして責任の追及の嵐である。
罵倒し誰かをこけ下すことで何かが良くなると信じられていた世代だし、おっちゃん達もそんな風に罵倒されて生きてきたのだろうから、それはわかる。
けど、時代はもうそんな物、微塵も求めてないし、実際、罵倒されて良くなることなど殆どない。
叱るのと罵倒は全く別なのだ。罵倒は、怒るという感情に近いものなので、仕事においては害悪でしかない。

ちなみに、参考までに私が塾や幾多の経験を通して実感した事がある。
仕事や教育など、改善することにおいて必要なことは、「原因とその解決法を導く」ために「叱る」ことであって、
怒りと言う感情を伴い、それを相手にぶつけて萎縮させる、「怒り」や「罵倒」ではないということだ。

これは機会があれば別の記事で取り上げたいとは常々思っているが、幾多の経験と知識を得た結果……
今では「感情とは全てにおいて自分自身から発露するもの」であるという実感を得ている。

そして、これも最近になって遅まきながら知ったのだが、アドラーの心理学と私はどうやら同じような見解に自ら至っていたらしい。
私が本当に拙い頭で考えて実感して、実践して、結果を得てそうだろうと確信したことが、アドラーさんに全部言われてた。しかもほぼ100年前に。
正直に申し上げて、もっと早く教えてくれればと思わなくもない(知りません

話を戻すが、前者(叱る)は相手の事を思って行われ、後者(怒り=罵倒)は、自分の為に行われる。

見かけ上は同じような事象に見えることも多々あるが、その根底にあるものが全く別なのだ。
そして、多くの人は、怒ることはあっても叱ることはしない。本当の意味で叱るなら、そこに怒りは載せてはいけない。
もし怒りが乗ってしまったら、その分は、自分のエゴでしかないと知っておく必要がある。

そして私は、長き社会人生活において、叱られたことは殆どなかった。
しっかり叱ってくれたのは、最初の塾で教室長だった方だ。叱られて初めてわかった。
ちゃんと理を詰めて真摯に対応してくれれば私だって言葉は理解できる。
どうしたらもっと良くなるか、誘導してもらえれば、ヒントがあれば何か変えられる。
そう、叱られれば納得できるかどうかは別として、理解はできるし考えられるのだ。

一方で怒られ罵倒されたことは、数多くあった。
お前が悪い、反省が足りないと言われても、どう改善していいかはヒントも貰えずに自分で考えろと言われ続けた。
それで改善できるならそれは、そういう能力を持った方なんだろうと私は思う。
だが、それはその人の能力の問題であって、改善策では断じてない。
それで仮に改善できたとしても、得られた成果は少なくとも罵倒した上司のお陰ではないのだ。
私は基本的に頭の回転は良い方ではないので、どうしても改善することができず失敗を繰り返した。
だから、私は一括りするのは乱暴だと思うがバブル世代の上司達に期待もしていないし、信用も置いていないのである。

もしそんな人達にまだ出会った事が無いなら、それはとても幸運なことだと私は思う。
私が病んだのも、同志たちが追い詰められたのも、ああいった小ずるい人達のせいでもあると私は思っている。
しかし、そんな私にだって、偉そうなことを言う資格はない。私の中にだって、そんな小ずるい部分はあるのだから。
それを意識的に出さないように常に気を付けているだけで、その衝動が無い訳ではないのである。
とはいえ、それはそれ。
自分の負の感情も仕事の責任も人に押し付けて自分を保とうとするのは、気持ちとしては理解できるけど、私は許容できない。

そして世の中にはこういう人は一定数いる。
本性は隠しているけど、実はそういう人も結構いる。
それは大抵の場合、その人が追い詰められた時に、表に出てくるのだ。
それも個性だと思うけど、少なくとも私はサンドバックにされるのは御免こうむりたいので、そういう人の臭いを感じたら全力で逃げることにしている。

伊達に苛め抜かれてないのです。その辺の嗅覚には絶対的な自信を持ってるのだよ。
私は小物で底辺だけど、自分を守るためには常に全力なのです。ふっふっふ。

はぁ、今日はぐっすりと眠れそうな気がする(満面の笑み

どうやら向かいの方も、外出許可を取って今日はお出かけの様子。
とても静かで穏やかな空気に包まれている午後となりました。

丁度、飲み物がきれたため、下界のコンビニへと足を運ぶことに。
降りてみてその閑散な様子に、びっくり。

今日はどうやら休診日だったらしく人がいなかったのだ。
いつもこれくらいなら、気軽に買い物にも来られるのに。

あまり下に行く用事ができないように、この機会にしっかりと必要なものを買い込んだ。

お茶500m
麦茶600m
お水500m

計 368円。

ふう、今日も良い買い物だった。
これで3日は引きこもれる計算だ。

……言いたいことはわかるよ。
そもそもお金が無いんだ。Wi-Fiとか借りたから。
それ以上に、血糖値の関係で糖分を含むすべての飲料と食い物が軒並みアウトなんだ。

ショッピング気分だけ味わえたので満足です。

夜、先日と同じ可愛らしい看護師さんが様子を見に来てくれた。
今日も夜勤の事で大変だ。頭が下がる。本当にお疲れ様です。
少し話したところ、「今日は寝れたようですね。良かったです!」と喜んでくれた。
本当に笑顔が素敵です。もう最高か。

今日こそ、気持ちよく寝られそうである。

今回の記事はここまで。
お読みいただき、ありがとうございました。

※登場人物や舞台につきましては、作者の主観・および妄想成分が存分に含まれております。
 取り扱いにはくれぐれもご注意くださいませ。

こんにちは! 世界の底辺で、何とか這いつくばって生きているアラフォーのおっさんです。 お金も無いし、健康な体も無いけど、案外楽しく生きてます。 そんなおっさんの戯言を読んでくれてありがとうございます。