こんなおっさんができあがるまで【6】

皆さん、こんばんは。かんおさです。

いつも恥ずかしい人生録をお読み頂き、ありがとうございます。
スキを押して下さる方にも、感謝しております。
こんな私の人生でも、何かの足しにでもなれば嬉しいです。

さて、前回のお話で、私は早朝、盛大に喚き散らした挙句、気絶しました。
勿論、そんな事、それまでの人生で一度たりとも経験した事はありません。

そして、私は実家住まいであったため、それはもう大変な事に。
そんな状況からどうなったのかを、掻い摘んでお話ししたいと思います。

おっさん、親に息子を見られる事態

まず、家族が駆け付けた時、私は呼吸こそしているものの、色々と悶絶した結果、酷く見るに堪えない状態だったそうで、救急車を呼ぶのを躊躇ったとか何とか。

気持ちは分かるが、そこは即決して欲しかったと、後の私談。

そして私には妹がいるのですが、本当に出来た子で、すぐさま119番をかけようとしてくれたらしいのですが、親が様子を見ようと言い出し、見た目的には落ち着いていた事もあって、しぶしぶ同意したとか何とか。

この時の決断に関しては、結果的には問題無かったのですが、私からは何とも言えません。
今なら、さっさと救急車呼んでよと言いたくなりますが、この前時代的な価値観を持つ親ですから、やはり世間様に云々的な事を考えてしまったという側面もあるのでしょう。

いや、ウチは上流階級でも何でもない、一般市民なのですが、やっぱり躊躇ってしまう気持ちは分からなくもないです。

そんな葛藤の末、とりあえず両親としては、まず私の身を綺麗にしようと考えた様です。
そして、その場で処理すればいいのに、なぜか洗い流すという選択をしたらしいんですよね。
面倒だったのか、気が動転してたのか、触れるのも嫌だったのか何なのか、人って窮地に陥ると意味不明の行動しますよね。

ぶっ倒れて心配と迷惑かけまくってる私が言う様なことでもないかもですが……客観的に見ると、そう思っちゃいます。

そんな訳で、家族三人で汚物に塗れた私を担いでお風呂場に運ぶ図。

もう本当にごめんなさいって感じです。
これはもう、黒歴史として封印したかったですし、ここに書く必要はまるで無かったのですが、ネタとしては面白いので敢えて紹介しております。

そして、私の衣類を脱がせ、身体も洗い流します。

ここまでで、大体30分程はかかったと聞きました。
そこで、奇跡的にと言うか、何と言うかタイミングよく目覚める私です。

もう、私からすれば目覚めたらいきなり風呂で両親にシャワーで洗い流されている訳ですよ。

はい? ってなる訳です。

そして、家族が私の顔を見るなり「大丈夫か?」とか「どうしたの!?」とか、心配そうに言われるわけです。

この時の心境としては、私の方こそ、どうしたの!? です。
しかし、直ぐに右目に未だに残る鈍痛のような物と、ついさっき味わった壮絶な痛みを思い出して、状況を理解します。
そして、視線を下半身に向ければ、色々と汚らしいものが映る訳で、それを両親にも見られている訳で、この時の私の心情を誰か分かって頂けると少しはこの経験も供養できるのではと思います。

そこからすったもんだありましたが、とりあえず、問題が無い事を確認し、一人、シャワーで後始末をしました。

正直に言って、この時の私の心情は、穴があったら入りたい……です。

いや、まぁ、今にして見れば何てことない笑い話ですけど、その当時の私としては、もう親に介護して貰った様な物なので、申し訳なさと恥ずかしさとで、別の意味で悶え苦しむ状況でした。

その日は、結局、仕事を休むことにして、電話を入れ、そのまま病院に。
事が事だったので、検査入院をする事になります。

それからバタバタとしつつ、検査も色々とやりました。
なんか椅子に座って周りが回転する妙な装置とか、色々ありました。ちなみに、その検査で凄い勢いで嘔吐したりと、またも大変な事に。

そして、結局の所、この時の結果としては、原因不明となりました。
身体的には特に異常なし。今思うと、本当かよと思わないでも無いですけど、その時は、ああ良かったと素直に思いました。

そして結局、「経過観察」という形に落ち着きました。
便利な言葉ですよね、経過観察。
この後、原因不明からの経過観察というコンボが、暫くの間、私の人生に付きまとって来る事になります。

さて、そんな状況下で、仕事の方はどうかと言えば、言わずもがな、またもやクビです。

試用期間という便利なお言葉が私の立場を、もの凄く軽い物にしてくれていました。

「簡単に休む様な奴は、社会人失格だ」
「むしろ、言われた事も出来ないで逃げる奴は人として最低だ」

と、何とも有難い言葉を頂きました。
まぁ、例の如く、この時の私は、そうだな、ごもっともと言う感じで全てを飲み込んでしまい、自分が悪いと思っていました。
ですが、この次の一言で、私は更に追い詰められる事になります。

「お前につぎ込んだ時間と労力と金を、どうやって償ってくれるんだ?」

今考えれば、「そっちこそ、給料払えや、ごるぁ!」ってなるんですけど、この時の私は、完全に精神が参っている状況下で、価値観もそれに準じた物に変質しているので、その言葉を重く受け止めてしまいます。

多分、この時の社長の言葉は、本人からすれば単なる八つ当たりであり、愚痴の延長みたいなものなんでしょうが、私からすると、死刑宣告に等しい言葉でした。

「どうしよう、そうだ、こんなことでは人として失格だ。何とかしないと」
という、事を思うと同時に、ここで初めて、私の中に、「ああ、もうダメかもしれない」という気持ちが生まれました(遅すぎ

今考えれば、この言葉が私の心にひびを入れるきっかけになったと思います。

結局、その時の私は、例の如く、ごめんなさいと、謝る事しかできない装置と化してました。そうして、私は、電話越しにめでたくクビを言い渡され、またもや無職になるのです。(二度目)

さて、そんな状況下で、毎度ながら焦っている私は、就職活動をすぐさま始めます。
うん、愚かすぎるぞ、過去の私(他人事)

流石に、今回のぶっ倒れた事と、またもクビと言う事実から、家族は心配してくれて、散々、その業界はやめておけと言ってくれていたのですが、私が頑として首を縦に振りませんでした。

この時の心情を思い返すと、勿論、焦りもあるのですが、自信の無さが心の大半を占めていた事を、良く覚えています。

一応、この業界で数年働いている訳です。ミジンコレベルながらも経験値が蓄積していると、その当時の私は考えていました。
逆に言えば、他業種の事は全く分からない状況なのです。
この状況下で、他職にチャレンジするとか、全く持って出来る気がしませんでした。

そして社会に出てからずっと失敗し続けている……とその当時の自分は思っているので、他の新しい事で成功するビジョンが欠片も浮かばなかったのです。
まぁ、では、IT業界で成功するビジョンはあるのかと言えば、それも全くない状況です。

ですから、どっちにしろ、失敗するなら少しでも経験のある方で、という、前向きだか後ろ向きだかわからない様な理論武装……理論?なのか?
ともかく、壊滅的に破綻しているような気がしますけど、そういう、思い込みで動いていた部分がありました。

また、今まで経験してきた事を次に活かしたいという、気持ちが強かったのも理由の一つです。
ですが、今なら分かりますが、それは本心としては今までやってきた事を無駄にしたくないという想いの裏返しだったんだなと、理解しています。

そうして、この業界は、社畜を求めておりましたので、契約社員としてですが、すんなりと次も決まります。

しかし身体は正直だった 群発頭痛再び

そして、そちらの会社にお世話になり始め……さくっと1か月後。

やはり、身体は正直なんですよ。自分を騙している事なんて関係ありません。

またも明け方に、激痛が襲ってきました。

この時は二度目だった事もあって、漏らす事も気絶する事もありませんでした。
ですが、右目の奥からやってくる強烈……と言うか絶望的な痛みは、私の精神と体力を一気に奪っていきます。

この痛み、どう表現したらいい物か、迷ってしまいますが……右目の奥や根元付近を中心に、何か尖った物をグリグリとされているような感じ、が一番近く多かったでしょうか?
ただ、傷み方がその都度で一定ではないので、それよりも強い痛みが突然襲ってきたり、拍動に合わせて痛みが襲ってきたりと、なかなかのバリエーションに富んでいるので、正直、言葉で表現する事が非常に難しいです。
ただ、一つ言えることは、この時は、何も考えられない程、痛みに体と心が支配されます。
もう、特に最初の頃は、痛い痛い痛い……としか頭の中に浮かびません。
少し付き合い方がこなれて来ると、自分の感覚も含めて騙せるようになってくるので少し余裕が出てきますが、それは数年先の話です。

そんな中、前の様な醜態を晒したくなかった一心で、私は枕を噛み、布団の中に隠れる様に、縮こまって痛みが過ぎるのを待ちました。
時間にすれば、大体いつも20~40分ほどだったと思います。
ですが、この痛みとの戦いは、本人からすれば、いつ終わるとも知れない地獄でした。

そうして、涙と涎と何やらでぐしょぐしょになりつつ、ようやく痛みから解放される頃には、力尽きた様に意識が無くなります。

結果、私はそのまま泥の様に眠る事になり……遅刻が確定する事になります。

最初の内は、家族も起こしに来てくれていたようでしたが、先に述べたように家族としては今の業界での仕事はやらない方が良いと思っていた部分もあり、また、ちょっとやそっとでは起きない程、私が昏倒していた事もあって、無理に起こす事はありませんでした。

私は、何が何でも起こしてくれと伝えてはいたのですが、まぁ、そんな裏の家族の想いなど全く気が付けない程こりかたまった状況だったので、その状況を打破する事も出来ず……結果として、半年ほどで、契約更新を断られてしまい、無事、三度目の無職を勝ち取る(?)のでありました。

今回はここまで。
お読み頂き、ありがとうございました。

こんにちは! 世界の底辺で、何とか這いつくばって生きているアラフォーのおっさんです。 お金も無いし、健康な体も無いけど、案外楽しく生きてます。 そんなおっさんの戯言を読んでくれてありがとうございます。