スマートグラスでAIオペラを鑑賞してみた!



#中間報告書

音のネックレス Klingenkette 
2023年8月26日(土) 14:00 start
会場:スクエア荏原 ひらつかホール

上記スケジュールにて開催されたAIオペラを
リアル鑑賞とスマートグラス鑑賞で比較実験を実施

★ところで「AIオペラ」って…?
一般にオペラとは「演劇の台詞(せりふ)を歌にした舞台芸術」であり、日本語で記載すると「歌劇(かげき)」、まさしく「歌う劇」です。今回はそのコンサートの構成や進行台本をAI(人工知能)に書かせてみて「私にはわかりません」といわれながら人間が手を加えて作り上げた作品です。伝統的なオペラ芸術にAIを活用して実験的な試みを取り入れており、スマートグラスでの鑑賞という新しい取り組みと、とても親和性のあるステージでした。

使用デバイスは以下の通り
◆録画端末:iPhone SE (第3世代) 
iPhone SE (第3世代) - 技術仕様 (日本) (apple.com)
◆視聴機材:Lenovo Glasses T1
A Big Screen in Your Pocket – New Lenovo Glasses T1 Wearable Display for Everything from Gaming, Streaming, and Privacy on the Go - Lenovo StoryHub

それぞれの鑑賞結果は?
A)リアル鑑賞
A1)会場内で自由に好きなところを見られる。ステージ上だけでなく客席、開演前の様子など含めて自由に鑑賞できる。(わくわく感、高め)
A2)音響を体感できる。耳だけでなく身体で響きを味わえる。音の圧を感じられる。
A3)デバイスを使用しないので設定不要。シンプルに楽しめる。安心。
A4)出演者と挨拶したり交流可能。
A5)鑑賞者もドレスアップして会場へ行くので非日常を体験できる。

B)録画動画鑑賞
B1)撮影者の視点・編集の制限の中での鑑賞となる。自由度はやや低い。(わくわく感、中くらい)
B2)音響は機材に依存。よいヘッドフォンやイヤホンを使用することで満足感を得られる。
B3)動画保存先さえわかれば再生するだけなので操作性の難易度はさほど高くない。やや安心。
B4)スケジュールが合わなくても会場に足を運ばなくても鑑賞可能。
  好きな時間に好きな場所で視聴。利便性が高い。
B5)パンデミック時でもエンタメをあきらめずに済む。混雑を心配しなくて よい。

C)スマートグラス鑑賞
C1)撮影者の視点・編集の制限の中での鑑賞はB1と同様。
但し、録画動画よりスマートグラス鑑賞の方が動画に臨場感、没入感を感じられる。
(わくわく感はAより低いがBより高い)
C2)グラスからの音声は音響を楽しむというより動画の補足的な印象。
C3)グラスとデータ保存機器との接続や操作性がややハードル高め。慣れればスムーズ。
C4)会場へいかなくても好きな時間に好きな場所で視聴が可能なのはB4と同様。利便性が高く、臨場感を保ちながら、わくわく感を楽しめる。
C5)パンデミック時でもエンタメをあきらめずに済む。混雑を心配しなくてよい。

これからのために考えたコト

➊スマートグラスを使用してリアルオペラを鑑賞するツールにできるのではないか?
 ➡オペラはイタリア語で上演されることが多く、海外では字幕があっても英語のみのケースが  多いのが実情。スマートグラスでリアルタイム字幕がマルチリンガル(日本語等マイナー言語)で対応できたら利便性が高まる。

➋好きな時間に、好きな場所(自宅・乗り物内・病院等)でのオペラ鑑賞をかなえる!
 ➡オペラ愛好家は高齢な方も多く、将来自由な外出が困難になった場合でもスマートグラスを通じてオペラ鑑賞が可能。動画配信サービスやDVD等もあるが、スマートグラスならではの視界いっぱいに広がる情景により、ベッ  ドの上でもその場に参加しているような一体感、没入感が味わえるのは精神衛生上の満足感が大きいのではないかと推察。QOLへ高い貢献ができる可能性がある。

◆その他
当初の予定と異なってしまった点もいくつかありました。
例えばわくわく感や感じ方の違いについて数値化するところ。
データとして客観性を持たせるために数値化してみたかったのですが
心の動きの数値化って主観的で落とし込みにくかったです。
エモーショナルトラッカーのアイデアもアドバイスいただいたのに
うまく実現できなかったので今後の課題としたいと思います。

今回は家族で実験に取り組み、ファミリープロジェクトとして
よきコミュニケーションツールになりました。
実験をきっかけに一緒にアート作品を鑑賞しに行ったり、取得したデータを
確認しながらお互いの感想を述べあうのもほっこりしたひとときでした。

実験を通じて、これまで鑑賞するばかりであったアートについて、肉眼とスマートグラス、動画での鑑賞を分析する視点を持てたので、より能動的に作品と向き合う姿勢が培われたように思います。まだまとめきれていないデジタルアートジャンルについても引き続き報告してまいります!





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