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【物語の現場022】典膳が足蹴にした三尊石のイメージ(写真)

「狩野岑信」の第十二章で、新見典膳が、槍遣いと戦う最中、庭の三尊石を足蹴にして恒山禅師に怒鳴り付けられます。

 三尊石とは、真ん中の本尊と左右の脇侍、その三体の仏に見立てた三つの庭石のこと。枯山水の石組における基本形のひとつです。

 個人的には、京都祇園の建仁寺の三尊石が一番のお気に入り。三つの石の姿、バランス、非の打ちどころなし。そして、鮮やかな苔の緑、奥にはレプリカですが俵屋宗達の風神雷神図屏風も。完璧すぎる。この写真は随分前に撮りましたが、これ以上のものはなかなかない(京都市東山区大和大路通四条下る小松町、2009.7.28撮影)。

 ちなみに、物語に登場する「青厳院」は架空の寺院です。

 米原に実際にあるのは青岸寺。観音菩薩の住む補陀落山の世界を表現した見事な枯山水庭園があります。その庭を見に行ったことで、米原という土地に興味を持った次第です。


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