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詩:灯

何もない。
ただ白い壁だけが目の前にあった。
蛍光灯の光が上から差し、
人の眼にはとらえきれないストロボが網膜を焼く。


君は不甲斐なさに灯を消した。
右手で紐を引っ張って。
数度の明滅。
白い部屋は西日に染まり、赤くなった。


床には君と、脱いだばかりの靴の影が落ちている。

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