逃走
12月30日から1月11日の正月休み。
会社がある埼玉の田舎から彼女がいる九州に行きそこで全ての休みを消費した。
彼女と会った初日、ぎこちない会話と所作からはじまった。
しだいに愛情をお互い表現できるようになり溶け合っていく。彼女と過ごす日々は満たされていた
別れの日が来て飛行機に乗ってフライトするとき、重力が身体にかかると同時にとてつもない喪失感に襲われた。
彼女と離れた世界で何にすがって生きていけばいいのだろう?何も抵抗できずただ深い穴に落ちていくだけ。
本当に自分は弱いのだ。
一度満たされてしまうとこれまでの生活そしてこれからの生活を当たり前として受け止めてられなくなった。
彼女と過ごした時間が新たなものさしとなって人生を測り直してくる。
社員寮に戻ると掃除をして、現金を全て財布にいれ、駅に向かった。いわゆる夜逃げだ。
ワクワクと不安でアドレナリンがでる。
僕は彼女と近くにいたい。
すぐに九州で住み込みの仕事を探してオンライン面接をうけた。
今はネカフェでその結果を待っている。
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