記事に「#ネタバレ」タグがついています
記事の中で映画、ゲーム、漫画などのネタバレが含まれているかもしれません。気になるかたは注意してお読みください。
見出し画像

『天號星』ネタバレあり感想(9/14)・その1


こちらネタバレありの感想になります。
9/14のネタバレなし感想はこちら
(セリフ、役名等、聞き間違い、勘違いがあるかもしれません。ご承知おきくださいませ)

(ネタバレのためワンクッション)

9/15午後、東京・新宿付近で豪雨が降りだし、そして聞こえてくる雷鳴の音…。
思わずビクッ!となるくらい、けっこう大きい音で、観劇翌日、昨日の今日だけに思わず(天號星のたたりでは!?)とか考えてしまいました。

(以上クッション)

あの…、太一さん実質「主役」なのでは?
殺陣の量も演技のバリエーションも、すごかったですねー!
そして太一さんが演じれば演じるほど、立ち回れば立ち回るほど、「中の人」である古田さんが格好よく感じられるという!なんかすごい(ずるい?)システム!!
薔薇サム2の古田さん―友貴さんの関係性みたい。
(「サムライニンジャ」(友貴さん)が鮮やかな殺陣を見せるほど、それが五右衛門=古田さん、ってことになる、という…)

「情けなくて気弱」も「冷酷な人殺し」も、古田さんだったらどっちも余裕だろうけど、太一さんの情けない・気弱なキャラって想像つかない…(私が見たことある太一さんはトリドクロの蘭兵衛・『けむりの軍団』の莉左衛門、という強くて無口でクール、ばかりだったので)、と思ってたけど、いやあ素晴らしかった。
いっぱい笑わせてもらいました。
ギャグシーンだけじゃなくて、覚悟を決めて変化していく過程もほんとに良かった。
そして殺陣も「下手な人」「下手だが覚悟を決めた」「上手くなった」を演じ分けてたのがすごいです。
下手に見せる、ってきっといちばん難しいんですよね。
(歩き方とかしぐさとかも古田さんに似せてたらしいんですが、そこまでは読み取れず…。今後、強調されていくのか?)

太一さんが「動」なら古田さんは「静」。
「情けなくて気弱」でかわいらしい古田さん、というのも新鮮でした(笑)
銀次in半兵衛状態で、与助をボッコボコにするシーンは、(て、天魔王古田さんの降臨だー!!)と思いました。
かっこいいんだけど怖いよー、冷酷無比な古田さんはホント怖いよー…。

太一VS友貴はもちろん、太一VS古田、そこに更に川原、山本、(敬称略)と加わって、バリエーション豊かな殺陣の組み合わせが見れて素晴らしかったー。

新感線の舞台は、タイトルが音楽と共にアニメみたいにばーん!と出るところが大好きで、今回はどんなんだろう、と楽しみにしていたのになかなか出ない。
今回はなしなのかな、一応、時代劇と銘打ってるしな…、と思っていたら。
太一VS友貴の兄弟殺陣、半兵衛in銀次が覚悟を決めて、本気で斬り合っているところに高まる音楽!ばーんと出るタイトル!!
そして一幕終了!!
ここで持ってきたかー!!とものすごくツボでした。
タイトル出た瞬間、我を忘れて大興奮&大拍手してしまいました…。

最後はどうなるのか、やっぱりお互い元に戻って最後の対決、になるのか、と思っていましたが、「戻らない」という。
大切なものを守り、「人殺し銀次」となる道を選んだ半兵衛。
半兵衛in銀次状態で神降ろし堂や古い仲間たちにかくまってもらい、懐かしい古巣で暮らす、という方法もあったろうに、自分の意志で人を殺めた以上、”半兵衛”として生きていくわけにはいかない、と思ったのかな…。
「人斬りの剣だぜ」っていう朝吉の最後の言葉も後押しをしたのかもしれない。
やっぱりかずきさんは「(悪役が主役にかける)末期の呪いのことば」を書かせたら素晴らしいな!との思いをまた新たにしました(誉めてます)。

ラストシーン、捕り手に囲まれて自ら「銀次」と名乗り、「死にたくなけりゃあ道を開けな!」とタンカを切る半兵衛in銀次の姿は、
「大団円ではない(というかむしろバッドエンドでは?)のに、なぜか爽快感があって拍手してしまう」
という格好よさでした。
「俺たちの戦いはこれからだ」的、漫画の最終回みたいでもある。
(「大団円ではないのに、妙に爽快感を感じる幕切れ」ということで『野獣郎見参!』のラストシーンを思い出しました)

考えてみると、半兵衛が藤壺屋にムコ入りしたのも仲間たちに職をあっせんするためだったし、突然現れたみさきも娘として受け入れ、昔の仲間に「うまいもん食ってくれ」とお金渡したり、「他の誰かのために自分が骨を折ることをいとわない」優しい性格というのはむかしからずっとなんですよね。
それが最終的にあのラストシーンにつながるのかも。

ちょくちょく(この後はこういう展開で来るだろう…)というのを裏切ってくるのが面白かったです。
・ラスト直前で入れ替わりが元に戻るんだろう → 途中でいきなり戻り、また入れ替わる
・多人数の敵に2人囲まれて、共闘展開?と思いきや、銀次in半兵衛が裏切ってさっさと行ってしまう
私が単純なだけかな…。

弁天と半兵衛の関係性、いいですねー。
「昔いい仲だった」大人の男女。
古田さんと聖子さんの状態(?)で2人が会話するところはほとんどないんだけど(苦笑)

弁天「ずいぶん口がうまくなったもんだね」
半兵衛in銀次「…俺じゃねえみてえかい(ちょっと苦笑)」

のやりとり、オトナな感じでツボ!
ここの太一さんの表情&演技、すごく良かったです…。

みさきちゃん、透明感がすばらしい。
歌って踊れるまさにアイドル巫女。
みんながみさきからお札を買いたい、というのが納得のかわいらしさ。
歌も良かったー。
2幕の歌、音楽の方が大きくて声(歌詞)が聞き取れなかったのが残念…。

そしてみさきといぶきの交流!関係性!
ありがとう!(笑)
同行の友人が、最近の新感線は、男女間の恋愛より女女の関係(百合?シスターフッド?)が多くないか?と言ってました。
ありがたいので全然いいんですが!

よし子さんのお伊勢さん、格好よかったです!
裏も表も仕切ってる元締め、と言われても納得できる迫力がありました。
かたちだけの元締め、として入り婿に迎えたとは言え、お伊勢さんはもともと半兵衛さんに対して憎からず、という感じだったんですかね?
銀次in半兵衛の振る舞いを見て、「惚れ直した~」みたいな言動があるけど、「別人みたい!見直した!」という感じではなさそう。
それだけに「裏切られた」と思ったまま死んでいったのが切ない。
いったん命を取り留めたので生き残るかと思ったんだけど…。
今ツマと元カノと今ツマの連れ子と元カノの子、自分と訳ある女性4人集合しちゃって、おろおろしたりそわそわする半兵衛さんの姿とか見てみたかったんですけど!

「必殺」パロもあったようですが、昭和の必殺シリーズはほとんど見てないのであまり分からず。
(平成1ケタの頃に、若き日の京本政樹氏演じる「組紐屋の竜」の美貌見たさにレンタルビデオで昭和の『必殺』の映画を何作か観ました。
昭和のテレビシリーズは未見。平成初期にやってたテレビシリーズは2作くらい見た)
音楽と共に各人の殺しの準備の様子を見せる&殺し場を見せる、あたりはオマージュだろうな、と。
いぶきの三味線のばちで殺すのは「三味線のおりく」(山田五十鈴さま)ですよね!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?