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2020年、美容は0-ゼロ−発想へ。

今時代の潮流はプラスオンのケアから
0-ゼロ−発想へと変わってきている。

この0というのは不要なものを「取り除く」という意味での0である。

また、スキンケアについても与えすぎないケアをすることで”肌を鍛える”という類の化粧品が増えてきている。

この流れは断捨離やデトックスという概念から来ていて、それが美容にも浸透してきていることも考えられるだろう。

個人的に非常に興味深いと感じたので、このブームを紐解いていきたいと思う。

⒈ 空前の洗顔ブーム到来!?

2020年3月、全てカネボウブランドであるが洗顔化粧品が相次いで誕生している。
SUISAI(スイサイ)が洗顔に特化したブランドへリニューアル

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KANEBOから糸引き美容液洗顔が誕生

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SENSAI最高級のエイジングケアシリーズからクレンジング&洗顔が誕生

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さらに2020年VOCE6月号の付録では「洗顔見直しセット」がついていたりと今空前の洗顔ブームがきているように感じる。

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これは「取り除く」という工程が見直されているからではないだろうか。

2.デトックス発想の美容液

この「取り除く」という工程を見直す上で最もインパクトを与えたのが2019年9月に誕生した不要なものを溜め込みがちなお肌を“ゼロ”に。
“ゼロからはじめる”という新発想で生まれたイプサ セラム0だろう。

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肌にも「デトックス」が必要であるという概念が生まれた瞬間であるように感じた。

3.「肌力をあげる」というスキンケア発想

2018年10月に誕生した
“肌には自ら美しくなる力がある”
その本来の肌の力を活かすために
肌を「鍛える」”細胞フィットネス”という発想で生まれた オルビスu

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今年の2020年の2月
「Strengthen Yourself. - 美しさは鍛えられる -」
というブランドコンセプトで誕生した athletia(アスレティア)

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このように「肌を鍛える」という発想のスキンケアが相次いで誕生している。では、なぜ肌を鍛えるという発想が生まれたのか。

仮説にはなるが、Google トレンドを見ると2011年頃から「ゆらぎ肌」という言葉が生まれていることがわかる。このゆらぎ肌というのは敏感肌とは異なり、季節の変化やストレスなどにより一時的に肌が敏感になっている状態を指す。女性の働き方が変化し、不規則な生活習慣によるターンオーバーの乱れから「ゆらぎ肌」が着目されはじめ、2016年ごろから肌のバリア機能をあげるスキンケア化粧品が数多く登場した記憶がある。この肌力の低下が「肌力アップ」という考え方に繋がったのではないだろか。そして肌力をアップさせるには、肌本来が持っている力を引き出すことが重要ということだろう。

肌を鍛える。

不要なものは取り除く。

この2ステップが0-ゼロ−思考へと繋がっていると考えられる。そしてもう一つ見逃せない点がクリーンビューティという考え方である。

4.時代はクリーンビューティへ  

先ほど紹介したエキップの新しいスキンケアブランド、athletia(アスレティア)でもう一つ注目すべき点がある。それは自分を大切にするように環境を大切にする、“クリーンビューティ”という考え方に基づいている点である。

このクリーンビューティとは下記を満たしている化粧品のことで、国内外で近年大きな話題となっている。

(1)体に害となるような成分を含んでいない、(2)自然・天然の原料を用いている、(3)環境に配慮している。 https://www.wwdjapan.com/articles/994871

ここでいうサステナビリティなど今や効果・効能だけでなく考え方への共感やライフスタイルの提案をする化粧品が増えている。

この流れは決して今から始まったことではなく、あらゆるファッション誌がカルチャー誌へと変化をとげたり、アパレルメーカーがコンセプトショップを作ったりと、ライフスタイル提案型の商品が増えたことに起因するだろう。

今後、化粧品など商品を売る上で鍵となってくるのはそのブランドへの共感や自身のライフスタイルに沿ったブランドなのかもしれない。