ベンチャーキャピタルCFOからニートを経て。バックオフィスを支える財務経理マネジャー
カンム歴史博物館へ、ようこそ。カンムは2024年で創業13年を迎え、新しい仲間が加わり60名以上の組織に成長しました。今後も「スタートアップらしさ」を忘れないために、アーカイブされた記事を一部公開します。今回の記事は2019年9月に公開された取締役 執行役員 CAO 赤松 典昭のインタビューです。
カンムをもっと知ってもらう為のインタビュー!バンドルカード、そして新規プロダクトの文字通り裏側を支える赤松に話を聞きました!
──入社時期と職種をおしえてください
2018年8月入社で、財務経理マネージャーというタイトルで働いているんですが、一般的な財務経理以外にも、法務/労務まわり、新規プロダクトの法務面からの整理等、割と幅広い領域を見ています。
──対応範囲広すぎますが入社前は何をやっていたんですか?
カンム入社前は約1年ほどニートしてました。前職辞めて1ヶ月強、語学留学して、その後は毎日の筋トレと、気軽に色んな所に行くみたいな事をやってました。友人が商売をやっていると聞いて、楽しそうだからふらっとマレーシアのジョホールバルに行くみたいな感じです。
──羨ましいです...ニート前は何をやっていたんですか
新卒で入社したベンチャーキャピタルで11年程働いていて、最後の3年間はCFOをやっていました。CFOって会社やその会社のフェーズ毎に役割は異なるんですけど、自分の場合は小規模ながら上場してる会社だったので、上場会社CFOがやるべきことはだいたいやってました。SQLを書いて経理データまとめる、ランチ選択bot作ってSlackに投入する的な事以外は現在カンムでやっているように管理部門系、バックオフィス系の仕事は一通り見てましたね。
──からのニートですか
その当時、キャリアが進むにつれて前職では自分が新卒の時に目指していた事を実現するのがなかなか難しいなという思いが強まってきていました。とはいえ責任ある立場を任せてもらっているので、後継採用から教育、引き継ぎまで実施したところで一旦区切りをつけて、自由になってから色々考える事に決め、退任後特に期限設けずにニートになりました。
ニートやってみて思ったのですが、多分自分にはニートの才能ありますね。基本駄目人間なのでだらけちゃう環境をかなり楽しめてしまう。カンムみたいなみんながガンガン働いてる感じのところにいくと「やべぇ俺もやらねぇと」みたいになって、それはそれで楽しめるので良いんですけどね、環境って面白いなと思いました。
──ベンチャーキャピタルやろうと思った経緯ってどんなですか?
大学時代経済学部だったのですが、産業データを分析して日本の経済を活性化するのにどこがボトルネックになっているのか調査する機会がありました。その際にデータで見ると中小企業が失敗する一番大きな要因は資金調達領域だという事が明らかになっていました。
今考えると若干青臭いのですが、大学での経験を通して、当時の自分には日本経済のボトルネックは中小企業やベンチャーのファイナンスだ、という認識を持っていました。2006年に学部を卒業したのですが、今振り返っても当時は業界自体が未熟な時期ではあったのは事実で、もちろん現在も十分とは言えないのですが、少なくともそこには社会にとって不足している部分があり、誰かがやらなきゃいけないなっていうのがあったというのが一つ。
もう一つは、将来政治の道に進むべく、まずは官僚になろうという思いもあったんですよ。でも、いざ大学入って周りのやつを見た時にあぁ自分は世の中動かしてく側の人間じゃないなって思ったんですよね。端的に言うと、自分がめちゃくちゃ勉強してようやくC取れる授業とかで一回も授業出てなかったのにさらっとA取っていくやつがいるのを目の当たりにして、自分じゃなくてこの人達じゃんと。世の中動かしていくのはと。
田舎の進学校から東京出てきた人間だから、地元からの期待ってすごいあるんですよ。ただ今話したみたいな現実があって。そういった意味でいうと、ベンチャーファイナンスっていうのは当時ニッチだし、ど真ん中の人たちが行く業界ではないんだけど、明らかに社会が求めている機能だった。なので、ここでなら自分が力を果たせる部分もあるんじゃないかっていうのがあって入ったという感じです。
あとは、自分は地元が好きだったので、地元に貢献できる仕事やりたいなって思ったんですよね。ベンチャーキャピタルとしての一通りを身に着けた上で最終的には地元でそういう活動できればいいかなっていうのもあって。前の会社は当時愛媛事務所があったのでそれに惹かれて入社した部分もありました。
──地元愛素敵すぎる
愛媛とかだと、非常に優秀な人が生まれ落ちましたと、その人がその後どうなりますかって言ったら、活躍する場が少ないので地元に留まるのが難しい。そうすると一回東京出ていったりするじゃないですか。その後東京で活躍して結局愛媛から離れたまま人生を終えちゃうみたいなケースが多い。地元の人間が地元にいたまま活躍し続けられる環境をつくれたら良いなっていうのはあったんですよね。そういう意味では、ベンチャーキャピタルで学んでいける事は全てがそこにつながるなって思いがありましたね。
──今の業務でやりがいを感じる瞬間ってどんな時ですか
一つは社内の仕組みを上場可能な基準まで整備していくというプロセスですね。上場してる会社の統括はCFOとして実施していた経験はあるのですが、いざ上場するタイミングのプロセスはやったことないんですよね。ベンチャーキャピタルなのでそういうことやっていた人たちは見ていたんですが、自分で手は動かしてなかった。だから、やっていく中で「こういう事もやらなきゃいけないんだ」みたいな発見もあり、結構新鮮です。
もう一つは新規事業の仕様議論にバックオフィス観点、金融法制観点から参加していることです。自分には金融業者として金融法制に対応していた経験があり、法制度の背景まで理解した上で対処してきたという蓄積があります。今のチームはみんなバックグラウンドが異なっていて、集まって新しい事やろうとした時に、バックグランドが異なる故にいろんな発見があるんですよね。ぱっとビジネス側が出した案でも「それってこう考えたらいけるんじゃないですか」みたいな発想の広がりを提供できる側面がある。更に、それを実務にどう落とし込んでいったら法律にちゃんとアジャストした上で実現できるのかを考え議論するプロセスはやってて楽しいなと思いますかね。
──カンムの魅力や特徴をおしえてください!
このインタビューで毎回みんなおんなじようなこと言ってるから迷うのですが、みんなが言ってる事には完全に同意です。それ以外で言うと、シンプルに頭がいいっていうのはありますかね。10を理解してもらうのに10話さないじゃないですか。それはかなり楽です。あとは間抜けな発言をしても誰かが悪意なく正してくれる、というのはあります。もちろん進んで間抜けな発言するわけではないんですけど。
──最後に今後達成したい目標を教えてください!
実はあんまりないんですよね。なるようになると思ってる部分が強くて、もうケセラセラで。タイミングってすごいあるじゃないですか。今この場所にいるのも、たまたまカンムがこういう人間を探してたからっていうだけで、半年ずれてたらこういうことにはなってなかったし、タイミングが与える影響ってすごく大きいですよね。
もちろん何か達成したいものがある場合はそこに向けて計画に落とし込むべきだし、どこまでに何するべきっていうマイルストーンも作るべきなんだけど、計画通りにいけるかどうかは自分が100%コントロールできるわけではない。それにそもそもそういった計画は達成したいことが明確に存在しないと成立しえないわけで。
自分は現状そういった明確な達成したいことがないので、ないうちは少なくとも巡ってくる機会にしっかり対応していくことで、楽しくやっていければいいかなという感じです。
──ありがとうございました!
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