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「本」 は 「物語」 を入れる箱にすぎない
先日、杉山亮先生の「ものがたりライブ」@三ヶ島公民館に娘と行ってきた。
杉山先生は「ミルキー杉山のあなたも名探偵」シリーズの作者。
小学校の図書室に置かれていることが多いので、小学生たちには有名なシリーズらしい。私は存じ上げなかったのだけど、娘が大好きな作品で小1のときに読破したとのこと。それ以降に出た作品は未チェックとのことで、これから読むぞ!と張り切っている。自宅書斎で誰でも参加できるおはなし会を開いているらしく、いつか行ってみたいねと、娘と一緒に叶える夢が1つ増えた。
拍手ができない子が増えている!?
杉山先生曰く、子どもたちのライブで聞く体験が減っているのか、話し終わったときに拍手をしない子が増えているとのこと。学校などで講演を聞く機会があるものの、先生から「では皆さん、拍手をしましょう」という指示をもらってからするのが習慣になっているせいではないかと。
そんな前置きを皮切りに、
・極楽と地獄の話
・2月の羊の話
・文字クイズ
・探偵話は伏線が鍵
・だじゃれ小噺
などなど、楽しい話が満載で、話の合間に手遊びを交えながら1時間まったく飽きることなく親子でおはなしライブを楽しめた。さすが人気児童書シリーズの作者さんだなと感激。
全国あちこちでおはなし会に呼ばれていらっしゃるので、お近くで開催される際は、ぜひぜひ参加をオススメする。
物語がソフト、本はハードにすぎない
どの話もおもしろかったのだけど、一番心に響いたのは「本は、物語を入れる箱にすぎない」ということ。本を読んでもらうために本を与えるのは大事だけど、その前に聞き語りなどで “耳から入れて面白いと感じる体験” をさせて、物語を好きになる機会をもっと増やしてほしいとおっしゃっていた。
私自身、本が好きすぎて、何度も本に救われてきたから、本を読む子に育てることに一生懸命になっていたけど、本はハードにすぎないという点を見落としてたなと目から鱗。大切なのは、そこに書かれている物語。
枕元での語り、そして読み聞かせ
そういえば私が小さかった頃、枕元で父がいろんなダジャレ小噺や創作むかし話をしてくれたなと記憶がよみがえる。親になって、枕元でおもしろい話を語ることに憧れはあったものの、話すのが得意ではないので自分にはできないなと、本の読み聞かせを始めた。子どもたちがまだ小さい頃は、余裕がある夜に絵本を何冊か。すこし大きくなって自分でも絵本が読めるようになってきたら、子どもたちがまだ自力では読めないような『エルマーのぼうけん』や『モモちゃんとアカネちゃん』といったちょっと長めの物語を。
自分で読むのが難しい話でも、耳から聞くと理解して楽しめることも多いから、読み聞かせてあげる本はちょっと難しくてもいいかなと思う。たま〜にレベルを見誤ってわが子たちには難しすぎる場合もあるのだけど、そういうときは何年か寝かせて読みきかせの機会を待つのも楽しい。
杉山先生のサイトに、「味噌汁風呂」という語り用のお話がUPされているので、読み聞かせてみようかな。
物語との出会いが人生を変える
先日、ブックサンタ公式のTwitterを見ていたら、こんなつぶやきがあった。
本が届くというのは、置き換えると物語が届くこと。物語は、人の人生を変えるかもしれない。
ブックサンタ活動に対する今村翔吾先生のコメントだそうで。本は物語を入れる箱にすぎないけど、本という手のひらに収まる物体に、収まりきれない世界が広がっていることを思うと、やっぱり本って最高だよな。「本というハードにこだわらなくてもいい」ことを頭の片隅に置きつつ、本のよさを広める活動をつづけていきたい。
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