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どんな感情も「歓迎」しよう!スッと心が楽になる感情レッスン『わたしのめちゃくちゃな心の片づけ方』

感情をうまくコントロールできない……としんどくなることはありませんか?

怒りが急にぐわ~っと盛り上がって怒鳴ってしまったり、
些細なことでたまらなく悲しくなって、ぽろぽろ涙をこぼしてしまったり。
浮き沈みする感情に振り回されたくない、と思っても、なかなかうまくはいきません。

そんな悩みは人類共通のようで、フランス発の「感情テクニック」の本があります。

この本の特長は2つあります。
 
1つは、ページの多くが、シンプルでやわらかみのあるイラストで構成されていること。
マンガといえばそうですが、コマ割りはほとんどなく、大人の絵本のような雰囲気です。

著者でもあるアールメラと、ねずみのラティを始めとするキャラクター達との対話形式なので、読みやすく、中身もすっと入って来やすいつくりになっています。

中でも感情を擬人化したイラストは、けなげな雰囲気で思わず抱き締めたくなってしまうほど。

25ページより

特長の2つめは、感情を抑え込むのではなく、向き合って受け入れる方法を紹介していること。
先ほど感情が擬人化されているといいましたが、著者は「感情というのは、私たちを動かすエネルギー」とも書いています。

感情のエネルギーが
自分をどこに
向かわせようと
しているかを知るのは、
とても役に立つことだと思う。

38ページより

例えば、怒りの役割は「押しのける」。
いやだと思うものを押しのけて、心を守ろうとする働きをするのだそうです。

ですから、怒りを無理に否定する必要もない、というのが著者の意見。
もちろん、感情を気分のままに爆発させるのがいいわけでもありません。

その感情がどういう役割をもってやって来るのかを解説し、私たちが激しくアップダウンせずに済むテクニックを、いくつも紹介してくれます。

こうして感情を包み込むことを、著者は「感情を歓迎する」と呼んでいます。
とても素敵な考え方ですね!

そのほかにもマインドフルネスなど、聞いたことはあるけど、よくわからなくて実践したことがない、というようなテクニックが、具体的に紹介されています。

私のおすすめは、「パノラマで世界を見る」。
名称は大袈裟に聞こえますが、著者がこのテクニックを役立てているのは、なんと年度末の経理作業。
面倒でネガティブな印象の仕事を、ポジティブな気持ちに切り替えて楽しく片付けよう、というわけです。

気持ちがラクになる絵本。
そんな感覚で、手に取っていただきたい1冊です。 

(文=安岐はづき)

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