大人ってだけなんだけど役に立つこともある

先日、我が子が学校に少し遅刻することになったので、私が学校についていくことになった。

私たち2人が歩いていると、「サッ」と木の陰に人がかくれる気配がした。

「なんだろう」と思ってそっちをみると、どうやら1年生とおぼしき女の子が木の陰からまわりをうかがっている。

なので、私もちょっとまわりを見ると、「ちょっと変な感じのするおじさん」が近くをうろうろしていた。
このおじさんは、いつも町内を徘徊しており、確かに見た目は怪しい。
ただ、私の見立てだと、いつも、ただ散歩しているだけの様だった。

ところがその前日に、学校から「不審者が出た。気を付けるように」とお達しがあったばかりだったのだ。


ああ、そういうことか。
なので私は
「学校に行くんでしょ?一緒に行こうか」
と声をかけた。

するとその子はうなづいて私達と一緒に学校へと歩き始めた。私が小学生を連れて歩いていたから安心したのだろう。念のため、保護者のネームプレートも掲げて見せてあげた。
でも、チラッチラッとおじさんを気にしている。


学校に近づいておじさんも見えなくなり、もうすぐ門だというところで、私は聞いた。

「あのおじさんが、怖かったんだよね?」

すると彼女はうなづいた。

そして、我が子と一緒に学校へと入っていった。


学校からわが家へと引き返す間、

「あの子の力になれてよかったなあ」

なんて思ったりした。


子供にとっては、「近くに味方の大人がいる」というだけで心強い時があるんだな。
ちょいちょい私は「自分なんか何もできない」とか思ったりしてしまうのだけど、「自分が大人である」というだけで、子供の助けになることができることがあるんだなあ。

そんなことを考えた出来事だった。


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