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ウエノカナコの詩

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以前から書いていた詩を、不定期でnoteにあげていきます。日付が残っていれば日付を入れます。私の心の叫びです。 過去の詩にも、後からタイトルを付けることにしました(2021/3/…
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2021年6月の記事一覧

(詩)子すずめ

小さいすずめ 子すずめチュンチュン お母さんを呼んでるの? 小さいすずめ 子すずめチュンチュン お母さんを待ってるの? チュンチュンチュンチュン チュンチュンチュンチュン ずっと鳴いてる 子すずめチュンチュン お母さんを呼んでるの? お母さんを待ってるの?

(詩)休憩時間

休憩時間は休憩した方がいいな 溜まっていた仕事を始めてしまうと休憩できない 休憩時間を守るために 他の時間を節約するんだ 休憩時間は充電時間だ 節約はできないんだ 休憩時間を守るために 他の時間を節約するんだ

(詩)おやどり

私は卵をふ化させたいのであって 鳥を作りたいわけじゃない 精巧な鳥の模型を作りたいわけじゃない 温める卵があって 大切な卵があって それを何とか大事に温めて ちいさなピヨピヨちゃんを生み出したいんだ わたしはおやどり 造形作家じゃなくて親鳥

(詩)自分のおうち

こども時代は自分のおうちを作る時間。 自分の家の間取りを決めて 自分の好きな壁紙を貼って 自分の好きなテーブルとイスを置く。 自分の好きな花を飾って 自分の好きな音楽をかける。 自分の好きなソファーをおいて 自分がくつろげる空間を 自分の中に作るんだ。 大人になるとね、いろんな人と出会うから おうちに帰っていっぱい泣くの。 大人になるとね、疲れちゃってくたびれちゃって嫌になるから おうちに帰って元気を出すの。 ていねいにおうちを作ってあれば いつで

(詩)罠にかかるのを待っている 2021.6.21

人の望みをかなえてあげることは、いいことのような気がする 近くにいる人が「こんなことを望んでいそうだな」ということを汲み取って それを実現してあげる でも、それを仕掛ける人がいる それを待っている人がいる 「そぶり」で人が動くのを待っている 「圧」をかけて待っている プレッシャーをかけて待っている ぶつぶつひとりごとをつぶやいて 獲物が罠にかかるのを待っている 人に何かを見てもらいたいとき わざと動かない人がいる 「なにそれ?見せて!」を待っているから

(詩)大丈夫、命まで取られるわけじゃない

ダメな上司 データ全消し 思い付きで追加指示 字が汚くて読めない 女好き だけどみんなから愛された上司 勉強家 面倒見がいい ユーモアがある やさしい 誰かがトラブルに見舞われた時、いつも言ってた 「大丈夫、命まで取られるわけじゃない」 会社を辞めた後、この言葉で、私は何度も救われた 恩人

(詩)優しさは優しさに支えられている 2021.6.11

優しいあの人 自分に関わる全ての人を愛そうとする人 魅力的な人 その優しさを守っているのは 別の優しさ となりで見つめる瞳 あの人が壊れてしまわないように いつも全てを受け止める 優しさは優しさに支えられている 大きな優しさは 別の優しさに支えられている

(詩)変わらないことがいいことだと思っていたけど 2021.6.10

「前言ってたことと違うじゃん」 「一度始めたら最後までやり通すことが大事」 そういうことを言うやつだった。 でもねえ 小学生を昭和で過ごし 多感な時期を平成に乗り越え 自分の子どもが小学校に上がったら令和になった。 これだけ時代が変わっているのに 「ずっと同じことがいいこと」とは言えなくなった。 ずっと同じである「べき」ではなくて 本当に必要なものだけが同じ形で残っていただけだ。 「ああしなさい」 「こうしなさい」 親に言われてきたルールは暫定ルール

(詩)似合うよ 2021.6.9

あの日あなたは私に服を買ってくれた。 「似合うよ」と。 その服を着て友達に会った。 「いつもとイメージが違うけどよく似合ってる。かわいい」 そう言われた。うれしかった。 だけど私は、その服が好きじゃなかった。 ある日あなたは言った。 「ファッションは自分の表現だ」 「だからちゃんとこだわっておしゃれをしなくちゃいけない」 それなら私は、 もうあの服を二度と着ない方がいい。 あの服を着れば着るほど よくわからない息苦しさがまとわりついてきたから。 私は

(詩)「見てるよ」って伝える

つらそうな人がいて 自分は何か手助けしたいと思う でも、 どうしたらいいかわからない どんな言葉をかけたらいいかわからない かけた言葉が見当違いで、もっとその人を傷つけてしまったら そう思うと怖くて何も言えない。 私には、昔から「励ましの曲」が流れる。 苦しい時、つらいとき、落ち込んでいる時 街を歩いていて店の中で たまたま聞いていたラジオで 「このタイミングで!?」というタイミングで 自分の好きなアーティストの曲が流れる。 すると、「一人じゃないん