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「DV男を見分ける方法」〜DVなんて関係ないと思ってたマスカットの話〜


そもそも、だ。
夫と結婚する前に暴力を振るうことがわかっていたら、結婚しなかった。

ある大学の調査で「DVで捕まった男たちの共通点」がわかったらしい。

彼らは、以下について「〇〇である」と決めつけていた。
・女は、わかりあえない生き物だ。
・女は、男の気を惹こうと常に思っている。
・女は、男に従うのが当たり前だ。
・男は、性欲を抑えることができない。
・社会は、信用が出来ない。


女とはわかりあえないから、力でねじ伏せて、
常に他の男の気を惹こうとしてるから、監視して、
それに従わないのは異常だから、また力でねじ伏せる。
一方で、自分がやりたいのは抑えられないから、受け入れろと言い、
それらについて他人に何か言われても、信用してないから受け入れない。

いやいやいや、わかりやすく悪人過ぎるだろ!


さすがにそれくらい、わざわざ調査してくれなくて……って気もするけど、
研究していただけるのはありがたい。
じゃあこれがDV男を見分けるチェックリストになり得るかを検証してみる。

元夫がこれに当てはまったか思い出してみた。

「女は、わかりあえない生き物」については、
女の子の気持ちはわかる(頭いいから)けど、
自分の気持ちは(単純ではないから)はわからんだろうなぁ、
ぐらいは思っていたかも。

でも、この1つくらいしか思い当たらない。
1/5だ。

付き合う前にこのチェックをしても、私は彼と結婚してしまう。


実際、夫は付き合っている時は普通に優しい人だった。
殴られるどころかケンカをしたこともないし、文句を言われたこともない。
かといって、優しすぎるわけでもない。
みんなにいい顔をしてストレスを溜め込むみたいなこともない。


彼を学生時代から知る共通の友人から、
昔のことを聞いていたけど、
いわゆるヤンキー的な学生でもない。

よく虐待は連鎖すると言うが、家庭で暴力を受けて育った人でもない。
(ちょっと話はそれるけど、
虐待連鎖説を私は支持したくない。
虐待されてもしっかりと人と関係を築いている人たちがいる。
逆に彼のようなパターンもあるのだから)


強いて言えば、子どもの頃から個性的ではあったようだ。
小学生の時など、気が乗らないと途中で下校しちゃうとか。
大学には進学せずに二十歳そこそこで起業しちゃった人だったし、
みんなと同じことが当たり前とは思わないタイプではある。


この点は少しばかり「結婚」で揉める可能性は高いかもしれない。
結婚というものは妻も夫も家族のために、
大なり小なり辛抱しながら維持していく制度のように思う。

夫はこうあるべし。
妻はこうあるべし。
実はそういうイメージを持つことは悪いことばかりではない。

言い方を変えれば、
夫としてこうありたい。
妻としてこうありたい。
という理想を描くことで頑張れることもある。

「あるべき」姿は昔ながらのものだけじゃない。
今なら「男だって育児に参加するものだ」とかもある。

だから良くも悪くも、
結婚というものは型にはまらない人にとっては、
ハマりにくいシステムだ。

元夫は、オムツ替えなども積極的にやっていた。
当時はまだイクメンなんて言葉もなかったけど、
元夫の常識にとらわれないの性格が、いい方向に出ていたんだと思う。

基本的には仕事(後で考えれば遊んでたんだろうけど)で帰宅は深夜だったので、平日はワンオペ育児だった反面、
土日は子どもと二人での留守番もお出かけもガンガンしてくれていた。
(まぁこれも家にいればだけど)

つまり当時の我が家は幸せだった。
彼はその瞬間、パパとしては悪くはなかった。

息子もパパが大好きだった。
新婚しょっぱなに張り倒されたけど、以降はそのようなこともなく、
私も1、2年は幸せだった気がする。
あの悪夢のような夜についても、たまたまだと心の奥に沈めてしまった。

はっきり言いたい。
目の前の男が、DV男かどうかなんて見抜けるもんか!

もちろん危ないと言われる項目はチェックしたほうがいいとは思う。
けれどそれで大丈夫だったからと言って、
一生暴力を振るわないなんて保証はない。

DV男だと見抜けず結婚した女を、自己責任だなんていう奴がいるけれど、
何アホなこと言ってんだよと言いたい。
時としてDVする側の男だって、まさか自分が女に手をあげる男になるなんて……
と思うなんてこともあるだろう。
人間に絶対なんてことはない。自分も含めて、だ。


これを読んでいる誰しもが、DVの当事者になるかもしれない。
そう思っておいて、損することはない。
そして今、コロナで人生の歯車が大きく狂う人が多い世の中で、
その数は確実に増えると思っている。


DVは事故に遭うのと同じようなものだ。
注意しなきゃいけないけど、注意しても防げないこともある。
出来ることは、事故を起こさないように自らを律しつつも、
事故に巻き込まれたら逃げずに救急対応すること。

その一歩目は、相談することだと思う。
誰かと話をすることで、客観的に見えてくることがあるはずだから。

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