「これは陰謀論ではない」と主張する陰謀論

https://youtu.be/qCgX-FIGf-M 
 ツッコミどころ満載なのでいちいち指摘はしないが、このようなトンデモ動画(・・・と思ったらどうやら上記リンク先は最近、削除された模様┐(´~`)┌)によってデマが流行り「子供にワクチンを打とうとする自治体に抗議の電話が殺到する」ということが良く分かる。

 一口にトンデモと言ってもその度合いは様々で程度問題。内容の大部分は一見、極普通で妥当で理知的。だから十分な批判的思考力・論理的思考力が身に付いていない人ほど、巧妙な詭弁や極論やミスリーディングを見抜けず騙される。

 amazonなどでも反ワクチン派の医者が書いたトンデモ本が高評価を受けることがある。読む人が読めば論理飛躍や非科学的言及はすぐに分かるのだが、「医者が書いているから正しいに違いない」という権威論証に思考停止する人や、「評価が高いから正しいに違いない」という多数論証に視野狭窄する人は、内容の論理的不備をスルーし結論を急ぎたがる。実際、高評価には「この本のお陰で目が覚めた」だとか「知人に配るために早速数冊購入した」等の妄信的で抽象的な賛辞が並ぶ。
 分かりやすいのは低評価を付けたレビューだ。ト本の場合、数は少なくても低評価の方が反論が具体的で説得力があることが多い。逆にまともな本になるほど、低評価には「著者への対人論証(個人攻撃)、誤字脱字、文末草、やたら多い読点」等々の、如何にも活字慣れしてなそうなコメントが多くなる。
 内容が極端に楽観主義だったり悲観主義だったりするのも、ト本の特徴だ。元々悲観主義的な人は楽観的見解を読むことで安心し、楽観的な人は悲観論的な観点を知ることでバランスを取る、そうした効能はあるのかも知れない。そしてどちらも決まって政府や大手マスコミを批判する。大勢が携わるメディアや政府の情報収集能力や情報分析力を過小評価しているか、筆者一個人のそれを過大評価しているか、さもなくばその両方なのだろう。

 勿論、“売らんかな“のイエロージャーナリズムや扇動的批評家にも、出版・言論・表現の自由はある。だが、自由も度が過ぎれば害になる。内容如何では偏見・差別を助長し、「自治体への抗議」や「聖火ランナーや医者を脅迫」といった社会不安に繋がる。特に民度が低いうちは、自由をある程度制限した方が治安は保たれる。だから政府が国民を信用していない独裁国家ほど言論規制したがる。社会が未熟なほど規制は増強し、逆に民度が高まるほど自由度は増す。
 ともあれ政治的リーダーの科学リテラシーの乏しい国家ほどコロナが流行る。日本政府がこのような雑音や論調に惑わされず、論理的・科学的に正しく判断することを祈るばかりだ。


情報分析力や自己肯定感が乏しい者ほど偏狭思想に感化され「己の知見こそ全で真」と自己陶酔したり「殺せば解決」と思考停止する
義務教育で哲学・心理学を教えないから先見性・共感力・自制心・適応力・論理力・倫理観・リテラシー・問題解決力が低くなる。
高水準教育≠高学歴。低水準教育下では幾ら高IQでも情報分析力・問題解決力・倫理観・自主性・先見力・適応力の低い人格に育つ。

トンデモ右翼思想によくある論調と特徴 http://kanjo.g1.xrea.com/mindo.htm#4

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