ヒスタミン中毒によるアトピー性皮膚炎

 一週間ほど前からどうも体調がおかしい。胴体のあちこちに、ほぼ左右対称に吹き出物が生じている。そして数日前からは肘や膝の内側、首の後ろが痒い。呼吸も苦しく眼精疲労もキツイ。そして全身の倦怠感。朝からシンドイ、昼間から眠い。30分くらい横になったつもりが3時間くらい経っていて、しかも疲れが回復していない。似たような症状は以前にも度々経験してきた。数年ぶりのアレルギー症状だ。
 当初は一過性だろうと思い、昨日食べた豚肉がたまたま古かったのかとか、或いはコロナワクチン接種の直後だったために、よもや副反応の一つかなどと思っていた。

 そしてとうとうある朝、無意識的に腹回りをボリボリ掻きながら目覚めた。肘の内側の痒みも昨夜よりも強まっている。一晩寝たのに症状は改善するどころか悪化している。ここへ来て、漸く察した。これは明らかに何かがおかしい、一時的に食べた物が原因ではない、と。

 毎日口にしている食材は、煮干し(カタクチイワシ)とチョコレートしかない。突然チョコアレルギーになった可能性は否定できないが、症状からして最も疑わしいのは魚だ。以前も鮮度の落ちた魚で同じ病態を繰り返し、散々な目に逢ってきたからだ。
 しかしこれまで数年間、同じ煮干しを摂取してきて問題が生じたことはなかった。仮にこれが原因だとして、何故いきなり出るようになったのか。

 そこでハタと思い出した。先月から冷蔵庫の上半分を占める冷凍室が壊れていたことを。冷蔵室よりも温度が高くなっているにも関わらず、惰性で煮干しの袋はずっとその冷凍室に保管していた。常温に近い状態が続いたので、いつもより早く腐敗が進み、ヒスタミン中毒(スコンブロイド食中毒)を再発したのだ。
 間違いない。冷凍室が故障した時点で、早めに食べ切るとか、故障していない冷蔵室に移し換えるかすれば良かったのだ。煮干しの袋にもしっかり「開封後長期保存する場合は冷蔵庫へ入れとけよボケ」と書いてあるではないか。

 以降、煮干しを未開封のものに切り替えると、案の定、症状は数日掛けて次第に改善。結局、袋の10分の1程度残っていたカタクチイワシたちはゴミ箱へ。
 医者に行っていれば間違いなく、従来通りアトピー性皮膚炎と診断されステロイドを処方されていただろう。
 ヒスタミン中毒は、肉の種類によって体のどの部位にどんな症状が出るかは個人差があり、食材中のヒスタミンが増えても臭いも味も変わらず気付きにくいので、今も多くの人が原因に気付かないまま食べて苦しんでいる可能性があると思われる。アレルギー源は人により様々だが、上記がいつか誰かの一助になればと願いつつ。

追記:
その後、冷蔵室へ移動した煮干しによるアレルギーをまたも再確認したのでその経緯詳細。カタクチイワシ10匹を口にした数分後に両胸外側部に強い痒み。痒みは数分で収まる。それから約33時間後に全身に猛烈な痒み。この痒みは1時間ほどで収まる。約70時間後にも全身に痒み。1時間ほどで収まったが、前2回に比べ程度は軽い。
教訓:冷蔵室より冷凍室へ。痒みの波は何度か来る。

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