平等主義者の心に潜む差別主義

「眼鏡キャラはオタクと呼ばれ、不公平だ」
「私は美しくないの?」

 9歳児のこの言葉の裏に潜む”オタク差別”或いは”眼鏡っ子差別(外見主義・ルッキズム)”に、何割くらいの大人が気付いたのだろう。

 そのうち「どうして眼鏡のプリンセスはいるのに、出っ歯のプリンセスはいないの?」となるのは時間の問題だ。
 際限なき子供たちの疑問に、ディスニーが堂々と次のように答えられるようになるには、まだ時間が必要なのかも知れない。

「物語の主役は、見る人が自分を投影し感情移入できるように理想的かつ無個性であることが必要です。多くの人の共感を得られなければ、作品が売れず、私たちは次の作品を作れなくなるかも知れません。ですから主人公の容姿が、人々が好ましい・美しいと感じやすい没個性的な美形になりがちのは、止むを得ないのです。モンスターが主役の場合でも、モンスターとしては平凡で標準的な見た目になります。そして強烈な個性を持ったキャラは、どちらかというと主役を引き立てるべく脇役に振り分けられることが多くなります」

 だがひょっとしたら今世紀末頃には、社会の成熟とともに大衆の多様性への寛容度も高まり、「大柄で顎が長く福耳で虫歯だらけで鼻毛腋毛ボーボーで引き笑いが独特で意地悪で愚痴とシャックリが止まらない、片目義眼でアルビノで統合失調症で星砂集めが趣味で父親がダウン症で異母妹がアロマコーディネーターの、60代未婚で5人の曾孫がいる元男性レズビアンのホームレス(前職:ウクレレ制作家)」という超個性派ヒロインが誕生しているかも知れない。


 以下、極左思想と極右思想を持つ人々が共に理解していない事実の記述。

 差別・偏見・ヘイト・蔑視の目的は劣等感・情緒不安の払拭。共感力・適応力・自制心・自己肯定感・問題解決力の低い無教養者の自己防衛。
 自称反差別主義者や自称愛国者が差別や自虐史観を声高に非難する目的は、自身の心底に潜在する劣等感・情緒不安の払拭。
 差別心や自虐的国家観を自覚なく他者に自己投影して同属嫌悪する偽善者ほど、自身の平等主義や自慰史観に心酔し正義面する。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?