さあ僕が決めたわけではない極端へ

 先の休みに、四国最西端愛媛県佐田岬まで行ってきました。
 この春から愛媛県に越してきた私は、折角なので色々と四国を巡ってやろうと考えています。今回のお出かけもその一環です。
 八幡浜で色々と名物を食らい腹ごしらえをした後、車を伊方町へと走らせます。この辺りの地理関係は地図等をご参照ください。
 
 私はこれまでも日本の東西南北端に全て行くだの、そういった極端なことを好んでやってきました。この後も、四国の西の果てを抑えたからには次は北だ、東だ、南だとまた奔走するのだと思います。
 実際日本や四国の東西南北端に全て行ったことがある人(私の場合四国はまだ未達ですが…)にはあまり出会いませんし、それなりに尖ったことができているのではないかと勝手に自負している面もあります。
 しかし、そもそも「方角」そのものだって私が決めたわけではないし、「日本」や「四国」といったものも、私でない(恐らくは複数の)誰かによって恣意的に決められたものです。そんな中で極端を気取ったって、所詮は誰かの手のひらの上で踊らされているだけなような気もします。
 ですがそれはそれでいいのだと思います。この世界と相対するとき、あまりに小さなこの私には「ホームゲーム」をする権利などないのでしょう。
 今まさに車を走らせるこの大地の形、道路の敷かれ方、あるいは今私が目指す場所の「佐田岬」という名前、そこが四国の最西端にあたるということ、これらは全て私が決めたものではありません。あくまで私はこれらの決め事を押し付けられる、圧倒的に「アウェイ」な立場にあります。
 小さな私が大きな世界の胸を借りるには、相手が押し付けてくる様式に、一旦は従順に乗っかってやる必要があるのです。
 そうして「アウェイ」な戦いを繰り返し、何度も跳ね返されるうちに、やがてこの世界のやり口を洞察し、私らしさを少しでも発揮する余裕が生まれれば、そこにいつか私だけの極端が見出せるのではないかと思います。

 そんなやけに大きなことを考えながら小さな軽自動車を1時間強走らせ、たどり着いた駐車場からまた2km程猛暑の中を歩き、ようやく私は目的の地へと辿り着いたのでした。


四国最西端の碑文
佐田岬からは微かに大分県が見える

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