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鳥取タビアトレポート【6月訪問】

 6月25、26日の2日間において、他のアンバサダー3名、事務局の方々とともに鳥取県の大山町・北栄町を巡った。

 私は「循環」というキーワードをもとに、今回の旅を振り返っていく。

 まず、「循環」というキーワードが私のなかに生まれた背景には、初日に訪問した國吉農園さんがある。國吉農園さんでは、「人と自然の循環をつなぐ」ことを理念に掲げている。トウモロコシや、白なす、白ネギなどのさまざまな作物をみせていただいた。そのなかで、大根の花を自身で摘んで食べさせてもらった。大根の花を今では商品として出荷しているそうだ。大根の花を商品化した背景には、地元の料理人からの提案があったそうだ。ある年、大根の栽培に失敗して大根が商品化できなくなったが、地元の料理人から「花だけでも商品化してみてはどうか」という提案により大根の花の商品化が実現したそうだ。國吉農園さんの理念をさらに深掘りすると、國吉農園さんの公式ホームページには以下の文章が掲載されている。
『農業をしていると豊かな自然の循環・その恩恵を強く感じ日々生きていることを実感します。その輪の中に「人」もつながっていければいいなと思っています。』
この文章を言い換えると國吉農園さんは、自然の循環がまず存在し、そこに人が飛び込んでいくという一方通行的に考えていらっしゃるが、大根の花のエピソードより私は人と自然の循環は相互に作用しあい、新たな自然の循環・新たな人のあり方を双方向に創り出しているように感じた。

 大根の花
 (撮影:高橋肇, 撮影日:2022年6月25日)

 大根の花を摘む様子
 (撮影:山内菜都海, 撮影日:2022年6月25日)

 ファーム山下さんでは、乳牛の生育に関する「循環」システムが整っており、子牛から自身の牧場で育て親牛を計画的に生育していく、牧場の持続可能なサイクルが構築されていた。ファーム山下さんは、現在飼育している牛は34頭とのことで鳥取県内では比較的小規模な牧場であるが、先ほど述べた循環型サイクルが構築されていることに私はとても驚愕した。

 ファーム山下さんの外観
 (撮影:筆者, 撮影日:2022年6月26日)

 北栄町では、平成時代より高齢化が進み農地面積が減少していた。そんな中で、大栄西瓜というブランド化をしていくことで、農業に対するマイナスなイメージをなくそうと取り組んでいるそうだ。また、JAの方でも栽培指導も勢力的に行っているそうで、少しずつ若い生産者も増加してきているそうだ。まとめると、ブランド化することで新たな「循環」を生みだしているように私は感じた。

 一次検査を終え、ベルトコンベヤーに並ぶ西瓜たち
 (撮影:筆者, 撮影日:2022年6月26日)
 

 すべての検査、梱包を終え、出荷を待つ西瓜たち
 (撮影:筆者, 撮影日:2022年6月26日)

 ここまでは、「循環」というキーワードをもとに今回訪問したスポットについて振り返った。
 國吉農園さんでは、栽培から販売まで一貫して行っているが、ファーム山下さんでは牛乳の生産のみを行っており販売は大山乳業農業協同組合さんに委託しており、また大栄西瓜の方では各々の生産者が選果場にスイカを持ち寄り、集約してJAが販売を行っている。それゆえ、こうした生産、販売などと分業を行っている場合は、各プロセスごとに今後ヒアリング調査していくとさらなる発見が得られるように感じた。

 今回、お忙しいなか私たちのために時間を割いていただいた水先案内人の方々、色々と手配いただいた事務局の方々にはこの場を借りて深く御礼申し上げます。
 活動は始まりを迎えたばかりですので、引き続きよろしくお願いいたします。


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