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仙人道中記  1人の シカク

「やあ、元気かい?」 「ようやく聴こえる様になったね」 

声の方に視線を合わせるが、誰もいない・・・             当たり前だ。   今、この場所は

【中年オジさん・憩いのマイルーム】  なのだ。    

仕事を終えた【長老】にマッサージを施していた手が止まる・・・

「そんなに睨まないでくれる??」  「お~~い」

声の方に視覚を合わせると、そこに観えたのは

中年オジさんが、目薬を探して部屋をウロウロし、目薬を見つけて    目にさし、余りの爽快感に悶絶し、充血した眼をこすりながら、     声の方に視線を合わせる 自分 だった。               

頭の中では、セーラームーンの 「思考回路は~ショート寸前っ♡」 が、【年間オリコンチャート9年連続1位】という、偉業を達成した瞬間   だった。  後ろの方から笑い声が聞こえる。

【振り返れば奴がいる】 

「オモシロいね~」と目の前に現れたシカクは、            中性的な感じの風貌をした、顔が透けている、エネルギー体 

みたいな感じだった。

脳内リピートが止まらない状態でこう言ったんだ。


「初めまして・・・・・?」

「どうだろうね?  でも、君の事は何でも知ってるよ笑」

「よくわからんけど、どう認識したらえ~の?」            と喋りながら脳内リピートを止めて状況を整理した。

「いいねっ(笑)」と笑いながら                   「君の『眼』に映る ⦅シカク⦆ を得た者だよ笑」 それか      「僕の『眼』に映る ⦅シカク⦆ を得た者だよ笑」 

そう言いながら、僕の顔を覗き込む。 その瞬間,頭痛がした。 

「僕は君への ⦅シカク⦆」   かもしれないし、                                    「君は僕への ⦅シカク⦆」           かもしれない。

なぜか不思議と悪い氣はしなかったが、この言葉の瞬間、        視界がグルグルと廻り始めて、意識が遠のいて逝った。


気が付いた僕は、辺りを見回したが、⦅シカク⦆はいなかった。


空を見上げると  1本の虹1本の龍雲  がそこには在った・・・・ 


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