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きみの頭をかちわるオペ
暖かさを求めてたはずなのに、少し暑苦しいくらいの電車内に、納得がいってないのはなぜ!春風を感じる前に、自分のじっとりとした汗に一点を見つめることしか出来ないのはなぜ!全てが億劫になるこの、あの、叫んでも良いか道の真ん中で。それでも友達でいてくれるのか。人は。
電車に乗ったのは久しぶりだ。最近の私といえば自宅のパソコンの前に座って会社のオンライン研修を受けて、指の先を汗でしめらせてばかりいる。「いち早く仕事を覚えて頑張ります!」なんてGoogleで( 抱負 新卒 )で検索して一番上に出てきた言葉を恥ずかしげもなく言える私はちょっと病気だ。日に日にその病気を進行させていく私は、気分転換に椅子の背もたれに置くためのふかふかクッションを無印良品へ買いに出たはいいものの「袋いりません」って言ってしまったがために、今こうしてクッションそのまま抱えて出歩くピ–タ−パン症候群のひとみたいになってるわけだが。
それにしても、
これはカジュアルな暴力だ。
満員電車で窓ガラスの外の景色を見つめながら、そう思った。この電車を外からみたら、釜揚げシラスのパックみたいに透明なフイルムの中に人がうじゃうじゃ閉じ込められてるはずなんだ。それってイカれてるよ。
そして極めつけは、窓ガラスに貼られたイキイキとした顔で鼻水をたくましく垂れ流す今田耕司。小林製薬にも鼻うがいにも怨みはないけれど、春という阿保みたいな季節のせいでただでさえ狂ってる自律神経が余計狂う。
だってさ、今田耕司がさ、これは一種のプロパガンダではないのか?と思うほどのイキイキとした顔でもってたくましい(おぞましい)量の鼻水を出してるんだよ?おかしいでしょこれ。なんでみんなこれ見て普通でいられるのよ!!!!
って周りをみたら皆スマホをみてた。
いや、あ、1人だけおじさんがこっちを向いた。
そのおじさんが振り返った拍子に、おじさんのリュックの紐がパチンと私の右目に当たって、私は完全に視力を失ってしまった。色も、光も、イキイキとした顔でたくましい量の鼻水を垂らす今田耕司も、すべて失った。ヤバいにも程があるだろ。もちろん視力を失った私は、音声入力でもってこの文章を作成しています。大きな声でハキハキと。
はい、それではここで落合務さんの名言です「灰汁も旨味!」はいオマエたちも!「灰汁も旨味!」もう一回!「灰汁も旨味!」はい大変よくできました!
冗談はさておき。
最寄り駅につきました。
電車から降りると張り詰めた空気が、人の流れと一緒にぱぁっと散っていく気がしてたまらない。この街にも平等に、春が来るなんて。
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