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幸福は日常にふと転がる | 2021年5月9日


安い家賃で音出し可能な部屋を見つけるというのは中々に困難で。
Ruhezeit(静休時間=騒音が禁じられている時間)が設けられているドイツといえど、音大生や奏者と近隣住民との騒音トラブルは珍しくない。

私が新しく住み始めたこの部屋も
「住人から苦情が入ったら即、部屋での楽器練習はやめてください」
と、契約時に大家さんから釘をさされた。


それから早数ヶ月。
はじめは戦々恐々としていた日々の練習にもありがたいことに苦情は訪れず。それどころか。

洗濯室で鉢合わせたアパートの古株お爺さんには
「いつも素敵なチェロの音色をありがとう」
と言われ

そして昨日は、楽器を背負ってクタクタになりながら帰宅すると、
エレベーター前で隣人に遭遇し
「練習の音聞こえてくるけど素敵な演奏だね。今弾いてるあの曲は誰の作品?」
との言葉をもらった。


なんとかこのアパートでも無事に暮らしていけそうと胸撫で下ろし―――ただし、下手な演奏はできないな、とも思うのであった。


『幸福は日常にふと転がる』
Happiness is born suddenly and unexpectedly in everyday life / 9th May, 2021

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