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詩 フードコート
異様な大きさの、ショッピングモール
フードコートの椅子に座っている
サブウェイの、タコス味にかぶりついている男
ヘンテコなリュックと上下ちぐはぐな色合いの服
独り言を言っている
変な臭いもする
この清潔な無菌空間の中に
異物として現れた 長楕円形サンドウィッチを食べる男について
語る言葉を保有していない
この郊外の、デカめ空間の中に
どのような夢がかつて存在し、消えていったのか
ここが新しい物語が生まれる場所と言われてから
すでに数十年が経過している
何も生み出さずに、経過した時間の澱の上で
タコス男に見られている
肩に食い込む重いリュック
まとまらない頭 水をおかわりして 返却口に返した後は
どこへ向かう 出口のない この平面空間
私しかいないような気がして リュックについたキーホルダーをつけたり、外したりしている
※ サブウェイ:アメリカに本社を置くファーストフードチェーン。サブマリンサンドイッチという長楕円形のサンドイッチを主力商品としており、世界店舗数は2013年1月時点で3万8374店と、マクドナルドの約3万4000店を超える世界最大の飲食店チェーンでもある。SUBWAYという名称は、潜水艦型のサブマリンサンドイッチ(SUBMARINE SANDWICH)を客の好み(YOUR WAY)に作ることに由来する。
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