見出し画像

限界への挑戦と、学びを通した充実感:ヨーロッパアルプス縦断レースを通して自分なりのチャレンジについて考えてみる

「風をつかめ!ヨーロッパアルプス大縦断レース」というパラグライダーレースの様子を追ったTV番組の再放送をテレビで見た。

パラグライダーで風を掴み、オーストリアからモナコまで、ヨーロッパアルプス1200kmを越えてゆくX-ALPS。タイムリミットは12日間、頼りになるのは自らの脚とパラグライダーのみという過酷な冒険レースだ。

【8月22日NHK-BS1】(再放送)「風をつかめ!ヨーロッパアルプス大縦断レース」

これを見たのがきっかけでパラグライダーを始める人もいるし、パラ仲間内でX-alpsの話題になることは少なくない。このTV番組を見たり、レースの様子をインターネットで見ると、私も「すごいなあ」と思う。でも、「ああいうふうに飛びたい」とは全く思わない。体力的にも技術的にもスゴイ人が過酷な環境で競い合っている様子を見るのは面白いけど、オリンピックを見ているときに「同じ人類とは思えないな〜」と感じるのと同じで、憧れの感情はないし「自分もあんなふうになりたい」とは思わない。

X-alpsのような世界レベルの大会は私のような一般パラフライヤーにとっては縁遠い話だが、実は、日本国内の大会出場選手と接する機会は私のような庶民にもけっこうある。日本国内の大会にはリーグ1とリーグ2があるが、競技人口の少ないスポーツのメリットで、リーグ2は希望すればけっこう誰でも出られるらしい。なので、リーグ2の大会で上位を目指している話を聞く機会は少なからずある。

そういう話を聞いても、私は「すごいなあ」と思ういっぽう「自分も大会に出たい」という願望はあまりない。大会は色々なエリアで開催されるからそれを活用して行ったことのないエリアに行ったり、同好の士のネットワークが広がったりすることへの憧れというか羨望というか「それいいな」という思いはあるけれど…。たぶん私は技術的高みを目指して挑戦したり、人と競い合って表彰台を目指したりといった側面への興味関心が薄いのだ。

高みを目指すといえば、最近こちらのnoteを拝読した。面白かった。「限界を越える」というキーワードが、もうなんというか、私とは縁遠い世界だなぁとしみじみ思った。

↑note著者の河野さんも「この考え方が自己の限界を超えていけ強制トレーニング法!のように使われるのは本意ではない」と記しているが、限界へのチャレンジばかりがパラグライダーやスポーツ全般の楽しみ方ではない。私は余暇を楽しむため、人生を豊かにするための趣味としてパラグライダーを捉えている。私流の言い方をすれば、パラグライダーを通して空の散歩を楽しんでいる。散歩にスリルは要らない。

スリルは要らないけど、上達して「散歩」できる範囲が広がるのは楽しいし、以前は出来なかったことを練習して出来るようになるのは嬉しい。

でもこれは限界へのチャレンジではなく、前は理解できなかったことが分かるようになる喜び。この喜びは、何かを勉強してわかることが増えて視野が広がったときの感覚に近い気がする。例えるなら、高くジャンプして限界を突破する爽快感ではなく、できることをひとつずつ積み上げていって到達する充実感。

ところで最近、私は「40代は学業しよう」と決めた。今までも英語や心理学など色々勉強していたけれど、ずっとやりたかったが機会を逸していた修士号取得を目指して情報科学分野を深掘りしてみようと思っている。学士卒でも仕事できてるからいいじゃんと言われることも思うこともあるけど、私の周りには修士や博士を持っているひとが多く、その中にはもちろん素敵なひとも沢山いて「自分もああなりたいな」という憧れを抱く機会が多いから、ずっと気になっていたのだ。「憧れ」というのが、私にとっては大きなキーワードなのだろう。

最近は国内外の大学がオンラインコースを提供しているし、コロナ禍の影響もあって「オンライン留学」をする人は増えているようで、意識してみると色々な体験談が見つかる。仕事も住む場所も変えずにチャレンジできるし、お金以外は特に失うものはない…という言葉を聞いて、自分もちょっと挑戦してみようと思い至った。おいおいnoteにここらへんの話を書くかもしれないけど、パラグライダーとはずいぶん毛色が違うのでどうしようか思案中。

ちなみにnoteで #オンライン留学 というタグを検索すると585件、 #パラグライダー を検索すると356件ヒットした。これを見る限り、パラグライダーよりオンライン留学のほうがメジャーみたい? ↓のnoteも多くのひとが読んでくださったし、読者獲得のためにはパラグライダーよりもオンライン留学のはなしを書いたほうがよいのかもしれない(笑)




この記事が参加している募集

サポートでいただいたご厚意は、「パラグライダーと私」インタビューで生じる諸経費や執筆環境の整備に使わせていただきます。