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恋を失う。

今日、書いておきたい。
恋を失うことについて。
今日の気持ちは、忘れたくない。

恋を失うということ。
失恋。

以下、Wikipedia様より一部引用。

「失恋(しつれん)とは、恋する相手への気持ちが成就しないこと。また、恋愛が何らかの形で終止符を打たれることである。」
「対義語は得恋(とくれん)。」

得恋なんてあるのか。気を紛らわすために失恋なんて言葉で検索して初めて知った。何でも調べてみるものだなと思う。

失恋するのははじめてじゃないけれど、今回もやっぱり、恋って、知らない間に始まっているのに、終わりはいつだってはっきりしているなと思った。
…なんだかどこかの歌詞に出てきそうな一文となってしまった。

前回の失恋も(客観的。笑)文字にすることで乗り越えてきた。
今回もそれで頑張って消化しようと思う。恋を失う。失った恋はどこへ行くのか。

振り返ってみる。

この恋が叶わないサインは前からちゃんとあって、それに気付いてないわけではなかったし、無理だろうなぁと思っていた。でも、そのサインを見て見ぬふりをして、鈍感でバカなふりをして、ここまできてしまった。
告白、してないけど、告白、してたようなものだった。私の「好き」はだだ漏れ状態だったに違いないからだ。文面にも、「会いたい」の念が詰め込まれていたと思う。
それでも、相手は、無意識な私のサインから逃げずに向き合ってくれて、何回も会ってくれた。そして、「僕はその気持ちを受け取れないよ」と、優しくサインを出してくれていた。それなのに、諦めることもできなくて、私はサインを認めず目を瞑った。
今回、私の出した無意識の「好き」はどうやらうんと強いものだったらしい。察した彼は、言葉を選んで、これでもかというくらい遠回しに、私が傷つかないようなサインを出して振ってくれた。彼は本当に優しいと思う。彼をこれ以上困らせることはできないと思ったので、私もしっかり目を見張って、サインを受け止めて大きく頷いた。つまり、失恋したことになる。

何年間もの思いを、1日で忘れられるわけがない。自分が傷ついてでも、まだ、諦めずに頑張ってみたいと思う気持ちはある。でも、相手あってのこと。まだたった四半世紀だけど、四半世紀生きた分、どれだけ頑張っても叶わないことがあることもちゃんと知っていたりする。世の中には自分の努力でどうすることもできないことがある。そのひとつが、恋愛だと思っている。…もっとうまくできるきれいな人は別なのかもしれないけれど、不器用な自分にはこう言い聞かせた。

長い片思いだった。
最初は、自分でもこれは恋だとずっと認めなかった。これはファンだとか、憧れだとか、尊敬だとか、言い訳しながら、恋に落ちないように落ちないように必死だったんだけどな。こわいもので、知らない間に何年間も。
敬意のある恋はほんとうに厄介で、ちょっとやそっとのことでは気持ちは揺らがず、何年間も。
遠距離の片思いなのに、周りなんてどうでもいいくらいだった。近くの人と心が近くなりそうになると、遠くにいる彼に会いたくなるような、余計と彼が濃くなっていくような、そんな瞬間が何度もあった。

以前から彼は私にはっきりと、「今は誰にも何かしてあげたいとは思わないんだ」と告げている。立派な脈なしサインだった。でも私は、別に相手にこうしてほしいとか、こうあってほしいとか、そういう要望は何もなかったからそのサインに目を瞑った。むしろ、変に期待させないようにと早めにサインを出してくれるところも含めて全部が素敵だなと心から思った。
自分も、彼と同じようになりたいくらい憧れていた。でも、「素敵だね」と正直に伝えると、彼は困ったように笑って俯いたし、「それは幻想だよ」と言った。それがすべてだと思う。

ここに、感謝を綴ろう。

何回も2人でごはんを食べられて幸せだった。
彼の話は全部が面白くって、私とは考えが違ってとても新鮮だった。
彼に聞いた話は、誰にも言いたくない宝物だ。私だけの秘密だ。なけなしの宝物。
彼に会わないと一生のうちで絶対行かないであろう駅で待ち合わせできたのも楽しかった。
乗ったこともない路線の電車に乗って、彼に会う。2人で走って踏切を渡る。改札で手を振る。
地元とは大きく違う都会の風景、たくさんの人。ビルを見上げた私を彼が笑う。
どんぴしゃのお店、お料理、お酒。
一本の傘、雨も、ビル街も、本屋さんも、ずっと、忘れないと思う。一生、私の中に残っていくと思う。
誰からも好かれる彼の貴重な時間を、会っている時は自分のためだけに使ってもらえた。たまには、ご馳走になったりして。なんて、なんて贅沢なんだろうと思う。
これ以上、欲張ってはいけないと思う。
でも、欲を言っていいならまた、楽しくお話しながらごはんを食べたい。もっともっと欲を言っていいなら、色んなところで、笑いながら、ずっと、一生、一緒にごはんを食べていきたかったなぁ。勝手に、そう思っていたんだけど、ここに書くことだけはどうか許してほしい。そして、「高望みだ、幻想だ」と、どうか笑ってほしい。ありがとう。

彼には色んなことを教えてもらった。そして、彼に教えてもらったものは、私の好きなものになった。
ハイボールが一番好きなお酒になった。
あの歌手を、好きになった。
好きな作家の本はちゃんと読んでるし、これからも読む。
私の日常に当たり前のように彼の好きだと言ったものがあふれている。
こんな恋は、初めてだ。様々な新しい世界を知った。

彼とは、ただ、何回か会って、ごはんを食べながら話していただけだ。これは、友達?せめて友達だと思ってもらえていればいいけれど、ただの知人かもしれない。基準や尺度は、人それぞれだから、どうかなぁ。それすら自信もない。

彼といるだけで楽しかったし、もっと色んなところに行ってみたかった。
私の性別が女だから、彼が勘違いさせないように遠慮することがあるならば、女であること自体が嫌になるくらい、ただ、本当に、彼と仲良くなりたかった。

でも、彼と仲良くなりたいというサインを出すことは、男女間ではタブーだったなと思う。好意を丸出しにして、告白、してるようなことだったなぁと反省している。どうすればよかったとか、もう今更ないけれど、困惑させていただろうなって、申し訳ない気持ちだ。

これだけ誰かに影響を受けたのは、人生で初めてだと思う。恐縮しつつ、感謝している。本当にありがとう。そして、ごめんなさい、そして、やっぱり、心からありがとう。

ちゃんと告白もしてないけど、彼はちゃんと意図を受け取ってくれて、そして、ちゃんと告白もしてない私を尊重して、遠回しに言葉を選んで、受け取れないことを伝えてくれたと思う。
ちゃんと告白もしてないから、ちゃんとフラれていないけど、私もちゃんと彼の意図を受け取ろうと思う。

悲しくて辛くて寂しくて、涙が出た。
それから、彼の優しさにも涙が出た。
本当に素敵な人。
これだけ好きになれる人に会えてよかったと思う。

彼について、また、綴りたい。
恋を失うことになったけれど、
出会うことで得たことがたくさんあるからだ。

#備忘録 #失恋 #片思い #日記

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