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わたしのいちばん好きな映画

文章を書く練習をしたいと思ってnoteを始めました。

初めてなので、自己紹介がてら、わたしが愛してやまない映画の冒頭をひとつ紹介します。

わたしが今までで見たなかで一番、宝物のように大事にしている映画があります。

「ニュー・シネマ・パラダイス」です。きょうはこの映画の冒頭の美しさを紹介します。

映画は穏やかに始まります。

太陽がきらきら反射する大きく広がる海を背景に、白いカーテンが海の風でぱたぱたとはためきます。

配給や衣装などのいくつかのクレジットが映されるにしたがってカメラは引き、段々と室内を写します。

やがて監督ジュゼッペ・トルナトーレの名前が映されると同時に、テーブルの上のお皿に積まれたレモンが写されるのです。

この約2分間の間、この映像を包み込むように流れているのがニューシネマパラダイスのテーマ曲です。

ピアノから始まるこのテーマ曲は、この映画を通してアレンジを変えつつ何度も流れます。この曲には開放的な叙情性と言ってもいいような魅力があります。

映画や小説は冒頭で心をつかめるかどうかが大事と言われます。わたしはこの冒頭は、この映画の持つあたたかい輝きを伝える完璧な2分間だと思っています。

もちろん映画そのものも、少年トトとその周りの人びとの映画をめぐる交流が描かれた素晴らしいものです。

けれど、この冒頭のゆったりとしたシーンは、シチリア出身のトルナトーレ監督だからこそ撮れたものだと思います。海、太陽、風、レモン、これらには彼のシチリアへの愛が表れています。

わたしはこの映画を見るたびに惹かれ、何度も見返してしまうのです。

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