カニかま子

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恋人の残り香を嗅ぐか、嗅がないか

この世界には2種類の人間がいる。 恋人の残り香を嗅ぐ人間と、嗅がない人間だ。 恋人の残り香を嗅ぐ機会はそう多くない。 でも、 寒い日に自分のマフラーを恋人に貸してあげたときとか、 恋人の持つスウェットを借りたときとかに、 残り香チャンスが到来する。 このとき、人は大きな分岐点に立つことになる。 わたしの持論では、嗅ぐ人間は、必ずいつも嗅ぐ。 残り香チャンスを逃しやしない。 そして、嗅がない人間は、決して嗅がない。 嗅ぐという発想がないのだ。 わたしはもちろん、嗅ぐ側の

    • まっくらな夜に書いたみじかい詩

      わたしが へびだったら見つめてくれますか 鳥だったらお話してくれますか 猫だったら懐にもぐりこんでも許されますか 犬だったらキスしてくれますか はりねずみだったらだきあげてくれますか なにになったら愛してくれますか 人間のままで名前を呼んではもらえませんか

      • わたしのいちばん好きな映画

        文章を書く練習をしたいと思ってnoteを始めました。 初めてなので、自己紹介がてら、わたしが愛してやまない映画の冒頭をひとつ紹介します。 わたしが今までで見たなかで一番、宝物のように大事にしている映画があります。 「ニュー・シネマ・パラダイス」です。きょうはこの映画の冒頭の美しさを紹介します。 映画は穏やかに始まります。 太陽がきらきら反射する大きく広がる海を背景に、白いカーテンが海の風でぱたぱたとはためきます。 配給や衣装などのいくつかのクレジットが映されるにし

      恋人の残り香を嗅ぐか、嗅がないか