見出し画像

恋人の残り香を嗅ぐか、嗅がないか

この世界には2種類の人間がいる。
恋人の残り香を嗅ぐ人間と、嗅がない人間だ。

恋人の残り香を嗅ぐ機会はそう多くない。
でも、
寒い日に自分のマフラーを恋人に貸してあげたときとか、
恋人の持つスウェットを借りたときとかに、
残り香チャンスが到来する。

このとき、人は大きな分岐点に立つことになる。
わたしの持論では、嗅ぐ人間は、必ずいつも嗅ぐ。
残り香チャンスを逃しやしない。

そして、嗅がない人間は、決して嗅がない。
嗅ぐという発想がないのだ。

わたしはもちろん、嗅ぐ側の人間だ。
恋人の服を借りたときに鼻を押しつけて思いきり息を吸ったときの多幸感といったら。

ずっと嗅いでいたい。
ずっと嗅いでいたい匂い選手権ナンバーワンである。

嗅ぐ側の人間は、匂いだけでなく物に対してさまざまな執着がある。
恋人がメモに使った紙の切れ端にさえ頬ずりしてるんではなかろうか。

あともうひとつ言えること。
嗅ぐ側の人間は、決して人前でおおっぴらに嗅いだりしない。
気持ち悪がられると分かっているのだ。
なんとつましい努力か。

ならばせめて、嗅ぐ側の人間として仲間意識を持っていこうではないか。

必ずや共感してくれる人がいると信じて、このnoteを投稿します。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?