見出し画像

技術書典におたくがゆる〜く参加したら心が洗われた話(初参加レポ)


1.これは何の記事か🧐

これは2024年5月26日に開催された「技術書典16」にサークル初参加してみた」ゆる〜いレポです技術書典は自主制作の技術書の頒布を目的としたイベントで、オンラインとオフライン両方で開催しています。

技術書典(ぎじゅつしょてん)は新しい技術に出会えるお祭りです。

技術書典は「いろんな技術の普及を手伝いたい」という想いではじまりました。技術書を中心として出展者はノウハウを詰め込み、来場者はこの場にしかないおもしろい技術書をさがし求める、そんな技術に関わる人のための場として我々は技術書典を開催しています。

技術書典とはなんですか?

技術書典16が今まで参加してきた二次創作系の同人イベントと違いオモロすぎたので、記憶に残そう! と思って書きました。特にtipsもない個人の感想なので、体裁を気にせずダラダラ書いています

2.どうして参加したのか🖊️


私はおたくです。(嫌な自己紹介すぎる)

二次創作系の同人活動が好きで、新卒のころはとくに精力的に参加してました。(当時はマッターホルン登頂レベルの気合いを自らに課しており、safeな参加ではなかったので詳細は省きます)歴はそこそこ長いので、地方イベント、個人主催のイベント、夏冬のコミケ、YOU、赤ブー、その他たくさんのイベントに参加してきました。

そんな中、「技術書典16」というオリジナルの技術書を扱うオモロそうな同人イベントがあると知り、「参加してなんか趣味っぽいことでも書くか……同人イベント大好きだし……会社のひとも出てたし……」という安直な理由でデザイナーさんと合同で申し込むことにしました。この安易な考えにより原稿が開発の繁忙期と重なるとも知らずに……

3.技術書典に参加する(準備編)🎒

  • まず、何を書こう……?

    • 書くものが「技術書」なので、ネタ出し・構成に悩みました。最終的に「女性おたくクリエイターのキャリアや技術について聞いてみる」本を作ろうと決めるまで、若干の紆余曲折がありました。

    • 共著のデザイナーさんと「Lean UXキャンバスで本を作ってみるのはどうよ」とペルソナを策定して本を作るという今までにない体験をしました。オモロすぎる……。

    • そのほか、制作でのインタビュー手法・設計など、書くことはたくさんあるのですがかなり長くなるので、一旦ここでは省きます。

  • 表現に気をつけて書いてみる

    • 作ったのがクリエイターへのインタビュー本(どうやって漫画家になったの?など)だったのですが、さまざまなひとが本を手に取ってくれるのを意識し、柔らかい表現に置き換える、特定のツールやサービスに対するネガティブなワードを整えるなど調整を行いました。

    • ただし、発話の意図を損ねないように、調整した文章をインタビュイーにレビューしてもらい、内容に問題がないかの確認も行いました。

  • マジで部数がわからん

    • 生々しい話、めっちゃ悩みました。どのぐらい出るかという判定がガチでつかない。二次創作であれば「イラスト創作系サービスのブクマほにゃらら分の1が頒布の目安」「Xのいいね数のほにゃらら分の1」みたいな算出方法があるのですが、それがない。

    • 「最初は電子書籍のみから始める」というのがやはり安牌なのでは? と思いました。ただし、紙の同人誌を作ると元気が出るので(当社比)みなさん、紙の本を作りましょう。

  • ピンチ! 印刷所が普段とは異なる

    • 普段使っている印刷所でなかったので、ちょっと戸惑いました。日光さんを初めて使いましたが、入稿しやすかった〜!!

    • なお、私がたまに使っている印刷所は大阪にあるのですが、電話で社長が出ると「本、出せるで!」と関西弁で気合を入れてくれるのでテンションが上がります。

4.技術書典に参加する(参加編)💨

  • 今回は(多分特別に)オフラインイベント参加費が無料

    • 机半卓じゃなくて一卓まるまるある。到着した時に呆然としました。すごすぎる。(ど……どういうことなんですか!?)

  • 電子決済がある

    • イベントでは技術書典専用のアプリを使用し、「かんたん後払い」という方法で電子決済が可能。というか、アプリでの支払い推奨なのでイベント会場にはじめて小銭ケースを持っていかない経験をしました。電子決済は二次創作イベントだと(年齢制限の頒布物を扱っている場合)使用しづらいので、できないというイメージがありましたが、ここでは使える! とハッとしました。

体験、すばらしすぎ!
  • 手ぶらセット、やばい

    • 完全手ぶらセット」という初心者用の無料のスペース装飾キットをプレゼントしてもらえました。会場に着いたら机に置いてあり、手厚すぎる。(ど……どういうことなんですか!?)内容は敷布、値札、うちわ、テープなど。敷布は特製の柄があって、めっちゃかわいい! これを期にいつも使っているヨレヨレの敷布を捨てました。今後の同人イベントに技術書典の敷布を使っていくという強い意志が生まれる。

  • 行動規範とアンチハラスメントポリシーがある

    • 技術書典の行動規範では「どんな判断や行動のよりどころがあるか?」を、アンチハラスメントポリシーでは「すべての参加者に対するハラスメントの禁止」を呼びかけています。

    • 技術系のイベントではアンチハラスメントポリシーは導入されているイメージがあるのですが、こうやって同人イベントでやってもらえると色々なひとが安心して参加できてめっちゃいい! と思います。ダイバーシティー&インクルージョンを推進している技術書典の取り組み、もっと広がってほし〜! 本作り、誰にでも等しく開かれた場であってほしいと願っています。

5.技術書典に参加する(結果編)🙌

5-1.参加して個人的によかったこと😀

  • ダイレクトに感想をもらえる!

    • コア価値すぎる。「どんな本ですか?」と手を取ってみてくれたり「共感できます」と買っていただけたり、会話ができるイベントでした。このあたり、コロナ前のコミケっぽくてよかった! ゆっくりみんながスペースを回って、じっくり手に取って読んでくれる感じ。正直1部出るかな〜ぐらいに期待値低めに見積もってたんですが、思いのほか手に取っていただけて嬉しかったです。

  • 新しい本に出会える!

    • コア価値すぎる(その2)。スペースをじっくり眺めて、島をカニ歩きをしながら新しい本に出会えて購入しました! どの本もみんな熱量があってよかった〜! 参加する人はえらい!

  • いろんなひとが参加してる!

    • 学生のひと、企業の有志サークルのひと、趣味でずっとものを作っているひと、ベビーカーを引いているひとなど、いろんなバックグラウンドがあるひとたちが自然に参加してました。

  • 自宅から近い!

    • 池袋サンシャインは最高。劇場もあるし、食事するところもたくさんあるし、なにより東池袋直通。世にあまねく同人イベントは全てサンシャインでやってほしい。ビッグサイトや晴海には出せない、明確な地の利がそこにある。私が徳川家康だったらここに城を構えますね。

  • スポンサーブースが入り口付近にあり、どこも賑わってる!

    • 来場者入り口の動線にスポンサーブースをギュッと配置してあり、考え抜かれてる! と感心しました。あと、Timeeさんのブースでにぎにぎタイミンちゃんが当たったので、気圧の変化で疲れても「まあ私の家にはにぎにぎタイミンちゃんがいるし」と思えるようになりました。

こんなにかわいい子が家にいていいんですか?

5-2.参加して個人的に失敗したこと😭

  • 「本文」がいまいち洗練されていなくて凹む!

    • 表紙は合同のデザイナーさんに素敵なものを作成いただいたのですが、本文は時間がなく段組が微妙になりました。Re:Viewを使えばよかった…と後悔してます。あと、イラストなどを交えた方が「読みやすい」本になるな〜と改めて感じました。

    • 技術書という体裁だと、小説に使用する用紙でない方が手に取ったとき雰囲気が出るかもな〜と思いました。(個人比)特に明るめの白だとパキッとした印象になるな〜と物理本を見て感じました。

  • 時間がなく校正が甘かった!

    • 電子書籍版をすぐ修正します。

  • ポスタースタンドを用意し忘れる!

    • ポスタースタンドの貸し出しがあるイベントによく出ていたので、直前まで必要なことを忘れてました。

  • 主催者さんが来てくれたのに勘違いし、「ドモッス」と自己紹介カードを渡すという謎の奇行に走る!

    • 忙しい中たくさんのスペースを回っていただき感謝しきりです。

  • その他、たくさん!

    • ミスしたこと、こうすればよかったことなどはたくさんありますが、終わったことなので全部OK(ふりかえりはします)

6.総括📕

終わってからしみじみ感じたんですけど、技術書典は普段の同人イベントとは違う、ちょっと前のイベントっぽい雰囲気(今もコミケの評論島などには残っていそうですが)があってめっちゃよかったんですよね。

二次創作のイベントは、良くも悪くも参加者の欲やギラつきがダイレクトに伝わってきて、その興奮のうねりが面白くもあり、ある種の毒でもあると思ってます。
長年やってる人はわかるかと思いますが、同人活動をしていく中で「このあたりでこういう宣伝をすれば出るな」とか「フォロワーXX人、いくぞ!」みたいなものが無意識のうちに増えていったりもするんですよね。(そうでない人ももちろん沢山います)

でも技術書典はそこがなく「オモロい技術を見せ合おう!」「初心者の人も楽しんでもらおう!」というポジティブで優しい雰囲気に満ちていて、一斗缶みてぇにあったけえ……となりました。たとえ一冊も出ないとしても、参加してよかったと思う素敵な経験でした。

スペースの椅子に座りながら、地元の同人イベントで、親のコピー機を借りてぺらぺらのコピー本を生まれて初めて出したときのことを思い出したんですよね。心が洗われるというか、初心に戻って自分が楽しい同人誌を作ろう! という決意を持てるようになったというか……自分の人生で明確なプラスになりました。クリエイティブなことって心を磨くきっかけになるんだなと思います。素敵だな〜。

こういう場づくり、やろうとしても出来ないものだと思うので、永遠(とわ)に続いてほしい……という凪(なぎ)の感情です。

おたくはイベントの後にアフターを行う先祖代々の掟がある

おまけ:ゆる〜く宣伝📗

そんな感じで、女性向けの同人イベントとは? ものづくりの原体験は? フィードバックの受け取り方を克服した方法は? などについておたく女性クリエイターたちがゆる〜く語っている同人誌を技術書典16で出しました。拙い本ですが、同人イベントに愛がある! というひとがいたら、ぜひ読んでいただけると嬉しいです。

また、技術書典のオフラインイベントは終了しましたが、オンライン技術書典は6/9まで絶賛開催中です。みなさまに素敵な技術書との出会いがありますように! 同人イベントは最高。おばあちゃんになっても絶対に参加するぞ!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?