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1.国公立病院への転職・就職のための看護師「小論文弁当」

■看護師「小論文弁当」の考え方


①大切なのは、小論文よりも面接。

どの国公立病院も小論文より面接を重視していて、配点も高いようです。そのため面接でも使える小論文の構成を工夫しました。書き出しの一行がキャッチフレーズ的に、面接の際、話し言葉として使っても印象的となるよう意識しました。

②小論文の書き方を「弁当づくり」にたとえています。

小論文を弁当とした場合、一番大切なのはゴハンの量(文字数)です。内容がどんなによくても、文字数が既定の量に足りない(もしくはオーバーしている)と確実に不合格です。そのため小論文弁当では、どんな問題が出されても定められた文字数の80~90パーセントを満たせることを目ざしました。(詳しくはフロントページをご覧ください)

③小論文対策は省エネ、時短で。

効率的に短時間で覚えられるように、同じキーワードや表現を異なった設問の解答例でも使い回しました。QOL(生活の質)という言葉などは、タマゴ焼きのようにいろんな「小論文弁当」に登場します。
小論文弁当」の一部はWeb公開せず、有料とさせていただきました。一つのテーマについて何案かの解答例を原則400字、600字、800字で示しました。そのまま選んで、即戦力としてお使いいただけます。

■国公立病院の小論文。

①出題パターンは大別して3通り。

(ア)あなたの人間性や経験を問うもの
たとえば、生と死についてどう思うか、これまでの看護の経験で印象に残っていること。
(イ)時事・社会問題について問うもの
たとえば、高齢化問題、夫婦別姓、環境問題について。
(ウ)医療・看護について問うもの
たとえば、医療ミス、AIと医療、遺伝子診断などについて。
※もちろん、重複する場合もあります。たとえば「理想の医療について、あなたの考えを述べなさい」とか。これは、医療に関わる設問を通して、あなたの人間性も知ろうとするものです。

②問題解決型の小論文について。

上記の(イ)時事・社会問題と(ウ)医療・看護に関する設問については、多くの場合、問題解決型の小論文を構成することで対処できます。(ア)の「生と死についてどう思うか」といった設問は、問題解決型ではありません。

問題解決型の小論文の基本の型は、
設問のテーマを定義する→そのテーマの現状(背景)を述べる→問題点を述べる→解決策を述べる という流れにすると構成がスムーズです。

高齢化問題の場合だと
定義)高齢化問題とは、高齢者が増えることで社会にさまざまな不利益が生じる問題だ。
現状)2025年には、わが国の人口の4分の1を75歳以上の後期高齢者が占めてしまう。
問題点)そのため労働力不足による経済規模の縮小、介護・医療分野における人手不足が起きる。
解決策)対処策として、職業寿命をのばす、介護・医療分野での労働条件の改善、外国人労働者の雇用、ボランティアの活用などが望まれる。
という流れになります。

③ヒモノカシテジョージ。

問題解決型の小論文を構成する場合、(人)、モノ(物)、(金)、(仕組み)、(テクノロジー・技術)、ジョー(情報)、(時間)で整理すると、解決策のヒントが見つけやすくなります。(詳しくはフロントページをご覧ください)
この方法はどんな問題にも使えます。何かの問題(不幸な状況)に対処しようとする時、誰もが使っている方法です。

④「isbar」と問題解決型小論文。

問題解決型小論文の構成の基本は、定義→現状(背景)→問題点→解決策と述べました。覚え方としては、「定義すれば、現状問題解決」でいいと思うのですが、他のやり方もあります。
すでに看護の現場を経験されている方は、「isbar」(迅速かつ適切なコミュニケーション技法)について学習されているはずです。その流れは、「定義すれば、現状問題解決」とほぼ同じなので、こちらの方が覚えやすいかもしれません。

「isbar」の流れ
Identity(識別:報告者・対象者の同定)※小論文では、この段階で設問内容を定義する。
Situation(現状:今、何が起こっているか)
Background(背景:これまでの経過)
Assessment(評価:問題は何であるか、どのようなことが考えられるか)
Recommendation(提案:どういう解決策がよいか)

※たとえば看護師から医師へのisbarに基づいた通報
「○○(看護の部署名)の○○です。○号室の○○さんですが、現在○○の状態で、バイタルは○○です。○○さんは、○○で入院していて、○○の病歴もあります。わたしは、○○の恐れがあると思います。先生、すぐに診察をお願いします」

⑤小論文と作文。

たとえば「医療の現場で、こんな医療ミスをおかしそうになってヒヤッとした。これからは気をつけようと思った」というのは作文(感想)です。同じ経験を、医療ミスの定義現状の説明、問題点の指摘、解決策の提案という流れで書くと小論文らしくなります。
ただし、ネットで見る限り、採用試験において作文と小論文を厳密に区別していない国公立病院も多いようです。
「○○県 看護師 採用」などで、各都道府県病院の試験科目を検索してみたところ、以下のような結果でした。(2023年4月現在)
試験科目に「小論文」とある自治体の数は20
試験科目に「作文」とある自治体の数は13
試験科目に「筆記」とある自治体の数は7
他に「レポート試験」などというのもありました。

多くの自治体は職員として看護師を採用していますが、地方の独立行政法人やそれぞれの公立病院が独自に試験を行っている場合もあるようです。小論文、面接の他に適性検査を課している自治体も多く、「合計得点が高くても、合格基準に満たない科目が一つでもあれば不合格」という記述が多く見られました。
小論文の評価は「良 可 不可」と三段階で行われることが多いようです。その客観的評価において、「不可」と最も判断しやすいのは、やはり文字数が規定から外れている場合です。だから「小論文弁当」においては、文字数が適正であることを重視しています。
弁当は中身のバランスが大事です。







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