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12.終末期医療

■終末期医療(ターミナルケア)について、あなたの考えを述べなさい。


■終末期医療(400字相当)

終末期医療の問題点は、そうした医療を望む患者が増えつつあるのに、ホスピスなどの施設や専門のケアを行える医療施設が少ないことだ。その対応策は、在宅ターミナルケア制度を充実させることだと、わたしは考える。医療施設が足らないのであれば、住み慣れた自宅で、穏やかに最期を迎えられる仕組みを整えるべきだ。同時に、終末期医療についての専門知識やコミュニケーション技術に優れた、かかりつけ医訪問看護師が求められる。かかりつけ医については、現在、国がその制度化を進めている。また訪問看護については、在宅ケアなどにおいて特定の医療行為が認められている特定看護師の役割が期待されている。彼らが患者や家族の思いに寄り添い、地域の医療施設との連携を図っていくことで、患者のQOL(生活の質)を保つ終末期医療が実現するはずだ。(348字)

※かかりつけ医制度については、2025年の施行が目ざされている。

■終末期医療(600字相当)

終末期医療(ターミナルケア)とは、患者の延命を目的とせず、人生の最後を充実したものにするため行われる医療行為を指す。近年、ホスピス緩和ケア病棟でのケアを望む患者は増えているが、そうした施設が圧倒的に少ないことが問題視されている。こうした状況における対応策として考えられるのは、在宅ターミナルケア制度の充実だ。医療施設が足らないのであれば、住み慣れた自宅で、穏やかに最期を迎えられる仕組みを整えるべきだ。そのためには、終末期医療についての専門知識やコミュニケーション技術に優れた、かかりつけ医が求められる。国は自治体と協力し、かかりつけ医の制度化を進めているが、早急な実現が望まれる。また、在宅ケアにおいては訪問看護師の役割も重要だ。現在、医師にかわって特定の医療行為を実施できる特定看護師が期待されているが、研修に時間や費用がかかりすぎるという指摘がある。地域医療の質の向上という観点からも、自治体や医療機関における支援制度の充実が望まれる。そうした在宅ケアのスペシャリストが患者やその家族の思いに寄り添いながら、医療施設との連携を図っていくことで、患者のQOL(生活の質)を保つ終末期医療が実現されるはずだ。(503字)

■終末期医療(800字相当)

終末期医療(ターミナルケア)とは、患者の延命を目的とせず、人生の最後を充実したものにするため行われる医療行為を指す。近年、ホスピス緩和ケア病棟でのケアを望む患者は増えているが、終末期医療を専門的に行える施設が圧倒的に少ないことが問題視されている。たとえば、わが国の場合、ガンによる年間死亡者数は37万人ほどだが、ホスピスあるいは緩和ケア病棟の病床数は7000に満たない。こうした状況において最も有効な対応策は在宅ターミナルケア制度を充実させることだと、わたしは考える。医療施設が足らないのであれば、住み慣れた自宅で、穏やかに最期を迎えられる仕組みを整えるべきだ。そのためには、終末期医療についての専門知識やコミュニケーション技術に優れた、かかりつけ医が求められる。国は自治体と協力し、かかりつけ医の制度化を進めているが、早急な実現が望まれる。また、在宅ケアにおいては訪問看護師の役割も重要だ。現在、医師にかわって特定の医療行為を実施できる特定看護師が期待されているが、研修に時間や費用がかかりすぎるという指摘がある。地域医療の質の向上という観点からも、自治体や医療機関における支援制度の充実が望まれる。そうした在宅ケアのスペシャリストが患者やその家族の思いに寄り添いながら、医療施設との連携を図っていくことで、患者のQOL(生活の質)を保つ終末期医療が実現されるはずだ。★また、わたしたちも日頃から家族間で人生会議を行うことで、終末期においてどのような医療を望むかを確認しあっておくべきだろう。(636字)

※文字数を減らすなら、★印の後の文章は不要。
※数字は2023年のものです。最新のものを検索してください。

※「ヒモノカシテジョージ」で解決策を整理してみる。
ヒト→専門スタッフの育成(かかりつけ医・訪問看護師)
モノ→ホスピスなどの専門施設の充実
カネ→支援金・補助金
シクミ→在宅ターミナル制度、仕組みの整備、支援制度
ジョウホウ→医療施設との連携(情報共有)
ジカン→早急な実現

■小論文弁当のレシピ

①まず終末期医療の定義を述べる。②次に現状・問題点を述べる。(その医療を望む患者は多いのに施設が少ない)③その解決策を述べる。(ヒト、シクミなどについて) ④医療の理念(QOLの尊重)と関係づけて、決めの文章。

※日本ホスピス緩和ケア協会によると、ホスピスあるいは緩和ケア病棟の病床数は6421。緩和ケアチームのいる施設は215ほど。(古い資料だが、平成23年の数字)
※かかりつけ医については、自治体が確認・公表を行う方向で、国(厚労省)が制度の整備を進めている。(2023年現在)
※ちなみに主治医は患者の特定の疾患について診察・治療するが、かかりつけ医はその患者の健康全般、家庭環境についても関わる。
※特定看護師については、制度の認知度が低い、職員を研修に出す時間がない、研修費用が高いなどの問題点が指摘されている。国は2025年までに10万人の修了を目ざしているが、2022年現在、特定看護師の数は5000人に満たない。
※「人生会議」とは、もしもの時に自身が望む医療やケアについて、前もって家族やケア・チームと話し合い、意思を共有しておくこと。アドバンス・ケア・プランニングとも言う。

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