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ジョブ・クラフティング③〜3つのアプローチ〜
今回の記事では、ジョブ・クラフティングの3つのアプローチについて考えていく。
ジョブ・クラフティングの本質的な考え方の理解については、以下の記事を読んでいただきたい。
前回、ジョブ・クラフティングとは「課題や対人関係における従業員個人の物理的又は認知的変化」と定義されていることをお話しした。
つまりは、従業員個人が仕事に対して“物理的な変化“を加えることや、“仕事の認知を変える“ことである。
今更だが、言葉の意味からも考えてみる。
「job」とは「仕事(職務)」と訳される。
「craft」は「手芸」や「技術、技能」など手を加える意味合いを持つ。
すなわち、
「仕事に対して、手を加える」
「仕事を(自分自身で)作る」
という意味と解釈することができる。
では、「仕事に対して手を加える」とは具体的にはどのようにしたら良いのだろうか??
皆さんは、パッと浮かびますでしょうか?
それが3つのアプローチといわれるものである。
結論からいうと以下の3つのアプローチで表されている。
①作業クラフティング
②人間関係クラフティング
③認知クラフティング
一つずつ解説していく。
①作業的クラフティング
作業的クラフティングとは、仕事のやり方に工夫を加えるものであり、ジョブ・クラスティングの定義でいう「物理的な変化」に該当するものである。
例えば、ITの知識が豊富な看護師Aさんがいるとする。
Aさんが4年目になった時、上司から委員会業務の役割を与えられた。
Aさんは、委員会での昔ながらの会議のあり方や情報共有の方法に疑問を抱いた。
そのため、AIを用いて議事録を効率化することや、クラウドでの情報共有を提案し、業務の効率化を図った。
このように、仕事のやり方に工夫を加えることや、より自分の力が発揮できる方法に変えることなどが作業的クラフティングにあたる。
②人間関係クラフティング
人間関係クラフティングとは、仕事で関係する人々との関わりを調整することで、満足感を高めるものである。こちらもジョブ・クラスティングの定義でいう「物理的な変化」に該当するものである。
例えば、パワハラの要素を持った上司には近付かないなどが挙げられる。一方、他職種の方々と関わることで視野を広げたり、顧客と積極的にコミュニケーションを図り、信頼関係を構築することなども含まれる。
つまり、仕事を取り巻くあらゆる関係者との関わり方を変えることで、自身の仕事に対するモチベーションを高めようとするものである。
③認知クラフティング
認知クラフティングとは、仕事の捉え方や考え方を変えることであり、仕事の目的や意味を捉え直したり、自分の興味関心と結びつけて考えることで、前向きに仕事に取り組むことである。
例えば、同じ部署で5年間働き、次第に日々の仕事がルーチンワークでこなすことができるようになったとする。
そこで日々の仕事に退屈感を抱くのではなく、毎日の成長を実感することや、次の目標を意識して取り組むこと、現在の仕事が組織にとってどのような位置付けにあるかを考えることで、今の仕事にやりがいを感じることなどが挙げられる。
つまり、今の仕事に意味づけすることである。
認知的クラフティングは、ジョブ・クラフティングの中でも重要な要素であると言われている。
以上がジョブ・クラフティングの3つのアプローチである。
最後の認知クラフティングが重要な要素であるというのは非常に納得がいく。
私自身も、仕事はつまらないもの、退屈なもの、お金を稼ぐ手段でしかない、といった認知で働いていた時には、仕事が楽しいと思うことはなかった。
しかし現在は、仕事は人生の1/3を占めるものであり、ここを充実させることで人生の幸福感は非常に高まると認識したことや、看護師が働きやすい環境を作りたいという目標を持つことで、仕事をしたいと思えるようになった。
このように、どんなに仕事内容が客観的には退屈な作業であっても、どんなに人間関係にトラブルを抱えていても、その状況をポジティブに意味づけすることができれば、仕事を楽しくすることができるのである。
また、この仕事に対する認知に影響を与えるものとして作業クラフティングや人間関係クラフティングがあるとも言える。
認知を変えることには、コストを必要とせず、即効性がある。
非常に難しいことではあるが、是非今行っている仕事が、自分のためになっているという意味づけをしてみてはいかがだろうか。
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