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NHKドラマで再注目! 重松清が近藤雄生に聞く「吃音」について(No. 907)

考える人 メールマガジン
2021年3月25日号(No. 907)

アクセスランキング

■第1位 村井理子「村井さんちの生活」
私は飢えている

なにかと制約の多い生活を続けて早1年……人との会話、そしてウィンドウショッピングからの爆買いに、私たちは飢えている!!!


■第2位 Superfly越智志帆「ウタのタネ」
答えのないこと

今回のテーマは「旅」。でも旅で「答えのないこと」ってなんでしょう? 幼い頃の旅行の想い出からいろんな旅先でのできごと。読んだだけで世界中を旅するような気持ちに。


■第3位 近藤雄生×重松清「「吃音」をもっと知るために~重松清が近藤雄生に聞く~」
第1回 当事者の苦しみとは

先週土曜日に放映されたNHKドラマ「きよしこ」の影響で、「きよしこ」の原作者・重松清さんが『吃音 伝えられないもどかしさ』の著者・近藤雄生さんの聞き手となったトークイベントの記事に注目が集まっています。

「考える人」と私(7) 金寿煥

 坪内祐三さんの連載「考える人」は、創刊号の2002年夏号から2006年春号まで約4年続き、2006年8月に単行本『考える人』としてまとまりました。
 登場した「考える人」は、初回の小林秀雄に続いて、田中小実昌、中野重治、武田百合子、唐木順三、神谷美恵子、長谷川四郎、森有正、深代惇郎、幸田文、植草甚一、吉田健一、色川武大、吉行淳之介、須賀敦子、福田恆存の16人。
 どのような基準でこの16人を選んだか――単行本の「あとがき」に、坪内さんはこう記しています。

 連載を始めるに当って私の中で秘かに決めた約束事が幾つかありました。
 その内の一つは、自分の同時代人であることです。
 つまり、のちに活字を通して知った『考える人』たちではなく、私が生きてきたこの同時代に同じ空気を吸っていた人たち――たとえ同時代的にその人たちの文章は読んでいなかったとしても――に登場してもらいました。

「考える人」というタイトルを冠した連載の難しいところは、その人選の基準をどうするかにあります。西洋なのか、東洋なのか? 哲学者や思想家に絞るのか? 歴史的人物か、現役で活躍する人物なのか? 一口に「考える人」と言っても、その候補は無数にいるため、その設定次第で大きく人選が変わってしまう。最初の方針こそが肝心です。
 坪内さんは、「自分が物心ついた時に現役だった文筆家」に絞りました。その理由を「私は、『考える人』を解釈するのではなく、彼らと共振したいと思っていたからです」と書いています。
 最大の読ませどころは、16人の思考の「核」となる部分をいかに取り出すかでしょう。それについて坪内さんは、毎回「思考を、筆の動きにゆだね」たと言います。つまり「小林秀雄ならば〇〇」「植草甚一ならば〇〇」と毎回決めてから書くのではなく、彼らの文章を読み、言葉を引くと同時に考える――「その軌跡そのものがすなわち『考えること』のあり方であり、私の好きな『考える人』たちは皆そのような意味で『考える人』であったはずなのだから」と狙いを明かしています。
 その意図を当時の私がどこまで把握していたか甚だ心もとないのですが、大きかったのは、坪内さんが選んだ16人の「考える人」の著作や言葉に触れられたことです。そのほとんどが初めての出会いでしたが、だからこそ貴重な経験となったのです。(つづく)

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