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新編集長がお届けする《「考える人」と私》(No. 901)

考える人 メールマガジン
2021年2月11日号(No. 901)

アクセスランキング

■第1位 呉座勇一「名ぜりふで読み解く日本史」
第6回 「本能寺の変」の原因は「森蘭丸」?

「本能寺の変」で討死した森蘭丸の名ぜりふを取り上げた、歴史学者・呉座勇一さんの連載最新回。ちょうどNHK大河ドラマ「麒麟がくる」でも板垣瑞生さん演じる蘭丸が登場したこともあって初登場1位!


■第2位 日々野鮎美(イラスト・監修 信濃川日出雄)「山と食欲と私 日々野鮎美の山歩き日誌」
丹沢入門! 三ノ塔までのショートハイキング!

今回は神奈川県・丹沢の入門編として「三ノ塔までのショートハイキング」をご紹介。なお、10月初旬に取材しました。現在は積雪することもあり、全く別の知識・装備・体力が求められます。


■第3位 岡ノ谷一夫「おかぽん先生青春記」
ポスドク蟻地獄

生物心理学者・岡ノ谷一夫さんがご自身のポスドク時代を振り返った回がランクイン! つくばの研究所での任期が間近に迫っており、焦りに駆られていた若き日の岡ノ谷さん。生物学者としての一歩を歩み始めていたものの、「文学部卒」という肩書がその道を阻もうとしていたのです。

最新記事一覧


■若菜晃子「おかしなまち、おかしなたび 続・地元菓子」(2/4)
高知県宿毛 野中兼山と金の棒

高知県・宿毛(すくも)市で見つけた「きんぼ」という地元菓子。包装紙に描かれているのはどうやら野中兼山という郷土が誇る人物だったようです。


■道草晴子「よりみち日記2」(2/5)
8. 東方力丸さんとのイベント

連載が始まるも調子をつかめずにいた道草さん。そんな中、漫画を音読するパフォーマー東方力丸さんとのトークイベントが決まり、力丸さんや来場した読者との交流に励まされ……。


■日々野鮎美(イラスト・監修 信濃川日出雄)「山と食欲と私 日々野鮎美の山歩き日誌」(2/8)
雲取山でテント泊を満喫する

大人気連載もついに最終回! トリを飾るのは雲取山。またどこかの山でお会いしましょう!(今は冬山シーズンなので、知識・体力・装備等入念な準備を怠りなく!)


■飯間浩明「分け入っても分け入っても日本語」(2/9)
「ホルモン焼き」

「ホルモン焼き」の「ホルモン」は「ほうるもん」が語源という説を聞いたことのある方も多いかと思いますが、〈残念ながら、この部分は俗説、つまり事実でないと考えるべき〉。その理由は?

「考える人」と私(1) 金寿煥

 前回のメルマガで、入社3年目の2002年、季刊誌「考える人」の創刊にスタッフとして携わることになったと、その縁について書きました。自己紹介も兼ねて、その頃の話をしばらく続けたいと思います。

 季刊誌「考える人」の創刊編集長は、現在作家として活躍する松家仁之さん。松家さんは1958年12月生まれですから、2002年7月の創刊時は43歳(現在の私よりひとつ歳が下だったんですね……)。
 右も左もわからぬまま、ただ末席でお茶を濁していただけの私にも、創刊に懸ける松家さんの意気込みが十分すぎるほど伝わってきました。松家さんは、すでに書籍編集者として多くの作品を手掛け、1998年には翻訳小説に新風を巻き起こした「新潮クレスト・ブックス」シリーズを立ち上げていました。すでに十分すぎる「実績」です(1994年創刊の雑誌「SINRA」にも携わっていたはずです)。
 それでも「雑誌」をやりたい――。
 松家さんがこだわっていたのは、「雑誌」をつくることでした。編集者として脂の乗り切った時期に、これまでの経験と蓄積を「考える人」という季刊誌に注ぎ込んだ。特集や連載をはじめ、造本・判型、表紙、ページ・デザイン、ビジュアルに至るまで、書籍ではできないことを「雑誌」という形で世に問うてみたい――そうはっきり言われた記憶はありませんが、そんな気持ちが強くあったように思います。
 創刊号の巻頭に掲げられた松家編集長の言葉です。

 産業革命後に急速な都市化が進むロンドンで
 イギリスの詩人ワーズワースが書き遺した言葉、
 Plain living, high thinking.
 シンプルな暮らし、自分の頭で考える力。

 暮らしにはモノも情報も溢れている。
 考える前に「わたし」はつい他人を気にしてしまう。
 自分の頭で考え、暮らしをシンプルにするのは、
 言うほどには簡単ではない。

 たまにはテレビを消して、身の回りを整理して、
 一人の「わたし」に戻り、自分の言葉と生活を取り戻したい。
 そんなあなたのために用意する、小ぶりの静かな部屋に
 季刊誌「考える人」はなりたいと考えています。
 
「産業革命後に急速な都市化が進むロンドン」を「コロナ禍であらゆる価値観に変化が求められる世界」に、「テレビを消して」を「スマホを置いて」(まあ現在はWebメディアではありますが)に代えれば、19年経った現在にも通じる静かで力強いメッセージです。ここに松家さんの雑誌に懸ける思いが、そして「考える人」のすべてが込められています。(つづく)

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