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『三国志』を原文で読みたい!(No. 938)

考える人 メールマガジン
2021年11月18日号(No. 938)

谷川俊太郎自身が自作の詩を朗読!
『虚空へ』サイン本1名様にプレゼント!

できるだけ少ない言葉で詩を書いてみたい――。

谷川俊太郎さんの最新詩集『虚空へ』が好評発売中です。

収録作の「気配が」「海を見下ろす崖」「どの一生も」「有ると無いが」「そこにいつまでも」の5篇を朗読する映像をYouTubeでご覧いただけます。ご自身の声で聴く詩は格別です。

また、『虚空へ』サイン本が1名様に当たるTwitterキャンペーンも実施中。

【応募方法】
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■第1位 稲田俊輔「お客さん物語」
1.客、お客さん、お客様


■第2位 南直哉「お坊さんらしく、ない。」
七、後ろ向き人生訓


■第3位 ジェーン・スー「マイ・フェア・ダディ! 介護未満の父に娘ができること」
13.結果オーライ!

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第10回 『三国志演義』はどうしたら原文で読めるのか

橋本さんが中国語に興味を持ったきっかけは『三国志』。『三国志演義』を原文で読みたいと中国語を勉強し始めるのですが――中国語の「書き言葉」と「話し言葉」に注目。


■稲田俊輔「お客さん物語」(11/16)
2.常連さんと特別扱い

「何よ! この店は常連だからって特別扱いするわけ?!」とお客さんに叱咤された稲田さん。その返答は?

「考える人」と私(38) 金寿煥


 2005年春号よりスタートした、アメリカ研究/文化人類学を専門とする渡辺靖さんの新連載「カウンター・アメリカ」は、アメリカのさまざまなコミュニティを訪ね歩き、そこから現代アメリカを理解していこうという試みです。
 第1回は、ニューヨーク郊外にある宗教コミュニティ「ブルダホフ」。その源流は16世紀初頭の宗教改革派のプロテスタントにまで遡り、従来の教会を離れて原始キリスト教や聖書本来の教えに忠実な共同生活を営むことを目的としていました。近代以降はヨーロッパから南米へと移り、1950年代にニューヨーク北部に最初のコミュニティが形成されると、アメリカへの移住が本格化していきます。
 信仰をベースにしたコミュニティと聞けば、真っ先に思い浮かぶのが「アーミッシュ」でしょう。ペンシルバニアを中心に20万人以上いると言われるアーミッシュに比べると、ブルダホフは4か国、計13か所のコミュニティに2500人とかなり小規模です(連載当時)。実際、私も渡辺さんから「初回はブルダホフを取材してきます」と聞いた時に、「そんな集団があるのか」と大いに戸惑った覚えがあります。
 ブルダホフは聖書に忠実かつ厳格な生活を送りながらも、玩具や家具の製造などビジネス面でも大きな成果を上げており、それがコミュニティの維持と発展に大きく寄与しています。信仰とビジネスの両立を実現している、そのタフでしなやかな暮らしぶりを、渡辺さんは現地に足を運び、当事者と対話をしながらレポートしています。

 「コミュニティこそが、現代アメリカを映す鏡である」というのが、この連載の肝ではありますが、なぜコミュニティなのでしょうか――。

「個人の論理と国家の論理。ローカリズムの論理とグローバリズムの論理。伝統の論理と変革の論理。保守の論理とリベラルの論理。『コミュニティ』は、こうした論理が交叉するネットワークの一つであり、アメリカ人が最も大切にしているものの一つでもある」

 そう渡辺さんが説くように、「アメリカの多様性」を担保しているものの一つがコミュニティであり、それらをつぶさに見ていくと、「アメリカとは〇〇である」と一言では表せない、具体的かつ本質的(だからこそ厄介)な姿が浮かび上がってきます。
 以降、カリフォルニアの超高級住宅地「ゲーデッド・コミュニティ」、モンタナの大規模農場、アリゾナにある宗教右派の本拠地「メガチャーチ」、フロリダのディズニーが創った町「セレブレーション」など、計9つのコミュニティをレポート。そのすべてに足を運び、当事者にインタビューするのが渡辺さんのスタイルですが、そのあたりは文化人類学者の面目躍如といったところでしょうか。
 連載は、2007年11月に単行本『アメリカン・コミュニティ 国家と個人が交差する場所』としてまとまり、2013年には新潮選書版が刊行されました。連載開始から15年以上が経ち、大統領もブッシュから、オバマ、トランプ、バイデンへと変わりましたが、現代アメリカを理解する鍵として「アメリカン・コミュニティ」が重要であるという視座は、今も変わりはないはずです。

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