見出し画像

圧倒的な無償の愛から生まれた「明石家さんまヒストリー」(No. 891)

考える人 メールマガジン
2020年11月26日号(No. 891)

アクセスランキング

■第1位 日々野鮎美(イラスト・監修 信濃川日出雄)「山と食欲と私 日々野鮎美の山歩き日誌」
物見山から日和田山へ低山のプチ縦走!

しばらく休載していた「山と食欲と私 日々野鮎美の山歩き日誌」ですが、連載を再開しました。おかげさまで初登場1位!


■第2位 吉川トリコ「おんなのじかん」
25. 子ども、お断り

旅先で、「躾のできていないお子さまの入店お断り」という貼り紙を見つけた吉川さん。そして、同級生の集まりに子どもを連れてきていた友だちのことをふと思い出す――。


■第3位 安田菜津紀の写真日記
「小さな女の子」たちに、社会の可能性を示せるか 大統領選から見えてきたもの

女性初、そしてアフリカ系・アジア系としても初のアメリカ副大統領になるカマラ・ハリス氏の印象的なスピーチに勇気づけられた人も多いはず。さて、日本のわたしたちができることは? 2週連続ランクイン!

最新記事一覧

■道草晴子「よりみち日記2」(11/20)
よりみちしてる人たちへ

14歳で入院した精神科のそばを通りかかり、〈ただくらいきもちで ずっと立ち止まっていた〉日々を思い出した道草さん。でも、その〈よりみち〉があったからこそ、今がある。

■大高郁子「考える猫のその日暮らし」(11/24)
洗濯日和

ここ数日、洗濯日和が続きましたね。ふかふかに乾いた洗濯物も猫のスミチにとっては……?

■津村記久子「やりなおし世界文学」(11/25)
(24)ボヘミアンたちの金策と住宅事情――ミュルジェール 『ラ・ボエーム』

今回取り上げるのは 『ラ・ボエーム』。〈自分でこの話を書けたらなというぐらい楽しかった〉と津村さんが言うほどのシーンとは?

■猪木武徳「デモクラシーと芸術」(11/25)
第23回 「人間の魂を揺さぶる」芸術の条件は何か

モーツァルトの『アヴェ・ヴェルム・コルプス』を聴いた時、あるいは舟越保武の「ダミアン神父」を見た時、私たちの心に去来する「感動」の正体とは?

編集長のお気に入り

◎エムカク『「明石家さんま」の誕生 明石家さんまヒストリー1 1955~1981』新潮社


弊社からまた強烈な本が出ました。担当は、メルマガNo.872でご紹介した『令和の巨人軍』を編集したKくんです。

著者のエムカクさんは、1996年より明石家さんまさんのラジオ、テレビ、雑誌の発言をすべて記録してきたという熱烈なファン=在野の研究家だそうです。その活動が水道橋博士さんの目に留まり、2013年より「水道橋博士のメルマ旬報」で「明石家さんまヒストリー」をスタートし、それを再構成したのがこの本。単なる伝記ではなく、明石家さんまさんの発言の克明な記録に裏付けされた記述には、圧倒されます。

400ページぐらいあるこの第1巻で書かれるのは、「オレたちひょうきん族」でブラックデビルというキャラクターが誕生するまで。単行本の後ろに載っている広告を見ると、来年夏に第2巻「生きてるだけで丸もうけ(仮)1982-1985」が予定されているそうで、さんまさんの活動がまだまだ現在進行形であることを考えると、完結までには相当な年月を必要としそうです。

ちなみに著者の「『明石家さんまヒストリー』を書籍化させてください」というお願いに、さんまさん自身は「それはお前のやから、お前の勝手にすればいい」と答えたとか。自分の行動を記録されることを、他人の作品として認めること、それこそスターの証ではないでしょうか。

人形劇『ひょっこりひょうたん島』が、かつてちくま文庫で活字化されたときに、NHKにはもう映像や台本の保存がなく、視聴者として克明に台詞をすべてノートに記録していた伊藤悟さんの功績によるところが大きかった、という話を聞いて驚きましたが、その話を思い出しました。意外と消えてしまいやすい、大衆芸能やサブカルチャーのアーカイブに寄与するのは、いつの時代も、それを愛する誰かの無償の愛情、そして情熱なのでしょう。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

■考える人
https://kangaeruhito.jp/

■note
https://note.com/kangaerus

■Twitter
https://twitter.com/KangaeruS

■Facebook
https://www.facebook.com/Kangaeruhito/


Copyright (c) 2020 SHINCHOSHA All Rights Reserved.
発行 (株)新潮社 〒162-8711 東京都新宿区矢来町71
新潮社ホームページURL https://www.shinchosha.co.jp/

メールマガジンの登録・退会
https://www.shinchosha.co.jp/mailmag/

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


もしサポートしてくださったら、編集部のおやつ代として大切に使わせていただきます!