河合隼雄物語賞・学芸賞の記者会見の模様を掲載!(No. 871)
考える人 メールマガジン
2020年7月2日号(No. 871)
受賞者・小川さやかさんもZOOMで参加
第8回河合隼雄物語賞・学芸賞の記者会見の模様をアップ!
先日、受賞作が発表になった第8回河合隼雄物語賞・学芸賞。今回は物語賞は残念ながら受賞作なし、学芸賞は小川さやかさん『チョンキンマンションのボスは知っている アングラ経済の人類学』に決定しました。
選考会の後に記者会見が行われ、選考の様子や授賞理由について選考委員の方々が話されました。喜びと笑顔に包まれた会見の様子をぜひお楽しみください。
アクセスランキング
■第1位 磯野真穂「たいせつな本」
コロナ禍を理解し、生きることの手ざわりを味わうための10冊
新型コロナウイルスとの闘いは、わたしたちが改めて「生きる」ことと向き合う機会になりました。「科学的根拠に基づいた正しさ」の前に消えそうになってしまった「生きることの手ざわり」を、じっくり味わうために読みたい本を選んでいただきました。多くの方の共感を呼んでいます!
■第2位 村井理子「村井さんちの生活」
休校が終わる週のことだった
村井さんちの男子3人が自転車で「ビワイチ」(=琵琶湖一周)を決行! お留守番の村井さんのなんともいえない心情が……。掲載以来、引き続き人気を集めています。
■第3位 津村記久子「やりなおし世界文学」
(19)輝き続けるアホと暴かれる世界の急所――ラファティ『九百人のお祖母さん』
ものすごいタイトルですが(笑)、〈何がすごいって「アホ」と「世界の在り方」という二つの側面から、ラファティの小説は今もってますます正しいのだ〉と言い切られると、興味をそそられます……!
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■岡ノ谷一夫「おかぽん先生青春記」(6/29)
さえずり研究事始め
鳥類の聴覚を研究していたおかぽん青年。アメリカ留学を終えて帰国してみると、あれ、アメリカのキンカチョウと日本のとでは鳴き声が違う……!? ひとりの生物心理学者が生まれるまで!
■津村記久子「やりなおし世界文学」(6/29)
(特別編)速さと鋭さのダイバーシティ――サキ『サキ短編集』
津村記久子さんの短編集『サキの忘れ物』が発売されました。タイトルの「サキ」とは、短編の名手として知られるイギリスの作家。『サキ短編集』がきっかけで人生が動き出す表題作などを収録しています。
発売を記念して、以前毎日新聞に掲載された津村さんによる『サキ短編集』の読書日記を公開!
■小山田浩子「小さい午餐」(6/30)
ラーメン屋の肉野菜炒め麺
800円で確実に元気になれるラーメン屋さんに入った広島在住の小山田浩子さん、そこで「河井夫妻逮捕」のニュースが。
〈どうして他県より平和な社会を強く希求しているだろうはずの広島が、派閥争いだか仕返しだか知らないがこんなことの舞台になりうるのか〉。
そしてニュースを見ながら食べるラーメンとおにぎりの美味しそうなこと……!
■吉川トリコ「おんなのじかん」(7/1)
19. スパゲッティ・ポモドーロ・アルデンテ
料理を覚えたのはいつごろだろう? 今回は「料理」をめぐるエッセイ。そういえば昔、確かに「イタめし」って言ってましたよね……
編集長のお気に入り
◎スパイク・リー監督のNetflixオリジナル映画「ザ・ファイブ・ブラッズ」
6月12日にNetflix(ネットフリックス)で解禁されたスパイク・リー監督のオリジナル・ムービー。配信されてすぐに見たのですが、アカデミー賞ノミネートなどで復活を印象づけた『ブラック・クランズマン』に続き、こちらも大傑作でした。
4人のベトナム帰還兵が、現地で亡くなったノーマン隊長の遺骨と埋蔵金を回収するべくベトナムに向かう、という話で、出だしは割合とコメディ風なんですが、意外と早くに当初の目的を果たしてから、物語が意外な方向にドライブしていきます。話はどんどんとシリアスな方向に向かい、精神的にダメージを受けた4人のアフリカン・アメリカンのベトナム帰還兵が、トランプ政権時代にベトナムに戻る、ということの意味合いがわかってきます。
ラストは、今まさに起きている「Black Lives Matter」運動とつながり、アフリカン・アメリカンが今なお、どういう扱いを受け、それによってどういう精神状態に陥っているかがわかるように作られていて、とても巧みな語り口の映画だと思いました。
キュアロンの「ROMA」配信の時と比べても、今回の「ザ・ファイブ・ブラッズ」は、そこまで前評判が聞こえてこなかったので、なんとなく見始めたら、あれ、これ、かなり出来がよくない?となり、ツイッターを見ると市井の映画ファンや、映画ライター、音楽ライターも興奮して大騒ぎしている最中。まるでみんなが大きな映画館で同時にこのフィルムを見ているような気持になりました。
アカデミー賞の候補になってもおかしくないようなレベルの映画だと思いますが、アメリカのThe Hollywood Reporterのインタビューでは、スパイク・リーが「大半のスタジオに話を持ち掛けましたが、全てに断られてしまいました」「Netflixの後に行き場はもう無かったんですよ」というようなことを語っているんですよね。「マルコムX」みたいな賛否わかれる題材ならともかく、「ザ・ファイブ・ブラッズ」も撮らせてもらえないものなのか、と驚きました。これは、アフリカン・アメリカン問題というよりも、派手なスターが登場していないからなのかもしれませんが、この水準の脚本で撮れないなら、志のある制作者がNetflixにいきがちなのは、無理もありません。
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