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さようなら、古井由吉さん。(No. 855)

考える人 メールマガジン
2020年3月5日号(No. 855)

祝!読売文学賞〔随筆・紀行〕部門受賞!
津野海太郎さん『最後の読書』サイン本プレゼント!

津野海太郎さん『最後の読書』(現在も連載中)が、読売文学賞〔随筆・紀行〕部門を受賞されました。おめでとうございます!

受賞を記念して、『最後の読書』(受賞オビつき)のサイン本を2名様にプレゼント!

ご応募はこちらから! 締め切りは3/10(火)23:59まで。

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■第1位 村井理子「村井さんちの生活」
10年前の写真が教えてくれたこと

息子さんたちが小さい頃の写真を見ることもなかった村井さん。なぜなら当時の育児のつらさが甦るから……しかしある日、10年前の写真を見返すと……

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■第2位 小山田浩子「小さい午餐」
ラーメン店のラーメンライス

毎回虚実ないまぜで書かれているとのことですが、ラーメン店に居合わせた家族の会話のリアリティに、このラーメンライスの美味しそうなこと……!

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■第3位 津村記久子「やりなおし世界文学」
(15)配られた人生に恩寵を――ディーネセン『バベットの晩餐会』

〈本書を読んでいると、誰かの選択しなかった人生、というものを強く思い出す〉。あの時こうしていれば、あの時こうしなければ……誰もが密かに持っているそういう想いを改めて呼び起こす名著をご紹介!

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第19回 京大生・瀧川幸辰の「大いなる不満」

数々の秀才を輩出する京都大学。だが、かつては「無試験王国」と呼ばれ、東大の「滑り止め」扱いをされることも。のちに瀧川事件で知られる若き京大生の瀧川幸辰も、その扱いに憤懣やるかたなし……!? 学歴タブーに果敢に斬り込む!

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■柴田元幸「亀のみぞ知る―海外文学定期便―」(2/28)
(20)ブランズウィック・シチューの作り方 レイチェル・クッシュナー最新長篇がすごい

毎月、最新の海外文学事情をお届けする連載、今回はレイチェル・クッシュナーの最新作をご紹介!

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■津野海太郎「最後の読書」(2/28)
29 かれが最後に書いた本

今回は《かれが最後に書いた本》として、まず池内紀さんの著書について。さらに『どもる体』『記憶する体』などが話題の伊藤亜紗さんについて、いつも以上に熱が入っています!

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お別れ

いよいよ実家から東京に戻ることになり、実家の飼い猫ヒゲ太ともお別れ。ついに2人(?)の距離は縮まる……のか!?

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■「しつもん、考える人」(3/5)
その一瞬は、はかなくとも生き生きとしたものでありつづける。――演出家 インバル・ピント

村上春樹の名作『ねじまき鳥クロニクル』を原作にした舞台で、演出・振付・美術を手掛けたインバル・ピントさんにインタビュー!演出家・舞踊家である彼女は、あの複雑で長大な小説世界をどのように舞台上に創り出したのか。

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編集長のお気に入り

◎古井由吉・大江健三郎『文学の淵を渡る』


2月18日、古井由吉さんが亡くなられました。高校時代に、『山躁賦(さんそうふ)』『槿(あさがお)』に夢中になって以来、私が一番強く影響を受けた作家でした。

運がいいことに、2003年から約12年間、後輩に譲るまで文芸誌「新潮」の担当編集者をつとめることが出来ました。単行本でいうと、『』『やすらい花』『鐘の渡り』の3冊の小説です。

さらに、「新潮」で、高橋源一郎さん、島田雅彦さん、蓮實重彦さん、平野啓一郎さん、中村文則さん、又吉直樹さん、福田和也さんなど、数々の対談をしていただき、そのほとんどの対談構成をいたしました。私がもっとも対談構成をした小説家です。

多くの対談の中でも、もっとも印象的だったのが、大江健三郎さんとの4度の対談です。そしてそれを、過去の1993年、96年の2度の対談と一緒にまとめたのが、現在、新潮文庫になっている『文学の淵を渡る』です。

詩を読む、時を眺める
言葉の宙に迷い、カオスを渡る
文学の伝承
漱石100年後の小説家

この4本の対談の現場に立ち会ったのですが(「漱石100年後の小説家」は単行本版刊行記念で紀伊國屋サザンシアターでおこなった公開対談でした)、文学の鬼とでも呼ぶべき2人の作家の言葉の豊潤さと濃密さには圧倒されました。二人ともずっと文学と社会のことのみを考え続けている。小説家でしかありえない知性のあり方だと感じました。

文芸編集者になれてよかったな、と心の底から思えた、宝物のような大切な時間でした。

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