100万人が苦しむ吃音 新人看護師を自死に追いつめた困難とは(No. 905)
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100万人が苦しむ吃音 新人看護師を自死に追いつめた困難とは(No. 905)

考える人 メールマガジン
2021年3月11日号(No. 905)

『吃音 伝えられないもどかしさ』近藤雄生さんが伝える
「100万人が苦しむ吃音 新人看護師を自死に追いつめた困難とは」


吃音を持つ人は人口の約1%、日本には100万人程度いるとされていますが、原因も治療法もいまなお不明です。

近藤雄生さんは、この問題を抱えて生きる苦しさを、取材者、そして当事者の立場から書いた『吃音 伝えられないもどかしさ』を2019年に上梓されました。

その中で、北海道の新人看護師が吃音による困難を原因に2013年に自死したことについて詳しく書かれていました。そして昨年10月、その彼の死が労災であると裁判で認定されました。

遺族にとっても、吃音の当事者の多くにとっても画期的なものでしたが、改めてこの判決の意味と判決から見えてきたことをお書き頂きました。

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「考える人」と私(5) 金寿煥

 いよいよ坪内祐三さんにお会いする日がやって来ました。
 2002年の3月だったか、4月だったか。松家編集長と1999年1月に刊行した『靖国』担当のKさんと3人で、会食場所の四谷荒木町にある居酒屋に向かいました。
 坪内さんは先に着いていらっしゃったような。後で経験したことですが、坪内さんは待ち合わせ時間よりも15~30分早く到着されることが多く、オンタイムのこちらが慌てたことが何度もあり、その経験によって当日の記憶が修正されているのかもしれません。
 緊張していました。作家の方と酒の席を共にするのがほぼ初めてということもありますが、お相手がお相手、何となく厳しく怖い人というイメージがありましたから。
 坪内さん、松家さん、Kさん3人のトークを中心に和やかに会は進みましたが、その時の坪内さんの雰囲気、つまり初対面の相手を前にした坪内さんの様子を的確に表現した文章があるので、以下に引用します。
「紙の上ではなく、生身の坪内さんに初めてお会いしたのは、筑摩書房から刊行された『明治の文学』の会合の席においてだった。坪内さんは全二十五巻を数える選集の編者で、僕は幸いにも、その装幀を担当することになった。(略)
 まっさきに、そのことをお伝えしようとしたところ、坪内さんは横を向いたきりで、こちらを見てくれない。隣に座っていらっしゃる佐久間文子さん(坪内夫人である)に向かって何ごとか話していた。その声も、じつにか細くて、何とおっしゃっているのか、最初は聞きとれなかったのだが、よくよく耳を傾けてみると、じつのところ、坪内さんは佐久間さんに話しかけているのではなく、こちらに伝えたいことを、佐久間さんに話すかたちで僕の耳に入れようとしているのだった。初対面だったので、直接、面と向かって話すのが照れくさかったのだろう」
 この文章は、坪内さんの遺作となった『玉電松原物語』に収録された、作家・吉田篤弘さんによる「追悼文」です。吉田さんと決して同じ関係性でもシチュエーションでもありませんが、思わず「わかる、わかる」と膝を打ちたくなる描写です。
 その席で、ひとり初対面だった私は、3人の話に耳を傾けながら、黙々と焼酎水割りのお代わりを用意していました。終盤、同世代の3人が幼少の頃に読んだマンガの話で盛り上がっていました(たしか潜水艦が活躍するマンガだったような)。坪内さんより18歳下の私はもちろんそのマンガのことは知りませんでしたが、思い切って、「その舞台は現実をモデルにした世界ですか? それとも全く架空の世界が舞台だったんですか?」と質問をしました。
 その瞬間、坪内さんがふっと私の顔を見て、「それはいい質問ですね」とおっしゃったのです。まるで池上彰さんのようなその一言で、スーッと気持ちが軽くなったのを、ありありと覚えています。
 今になればわかります。若く、しかも場慣れしていない、やたら身体だけが大きな男が、話をちゃんと聞いているのか、わからないながらもついてきているのか、坪内さんはそう気を配りながら、私の様子を常にチェックしていたのだと。
 それだけの会話とも言えないやりとりですが、「合格判定」をいただいたような気がして、心底ホッとしたのでした。
 一次会が終わると、松家編集長を除く3人で新宿の酒場へと向かいました。まだまだ夜は続いたのです。(つづく)

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