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「ここに自転車を停めないでください」の場所に堂々と停める人。

わたくし、もやしの自己紹介

わたくし、もやしの勤めるオルタナティブスクールは子どもがやりたいことをやる珍しい学校。3歳から12歳の子どもが毎日通っている。
・自ら考え行動できる人間に育つ
・全ての人が認め合う社会
・大人も子ども共に学び合う
を大切に記事を書いていきます。

「子どもへのまなざし」佐々木正美

佐々木正美は日本の児童精神科医で、「子どもへのまなざし」の著者。子どもの心の健康と発達に関する専門知識をわかりやすく伝え、啓発活動も行う。子どもの幸福と心の健康に貢献するため、著書やメディア出演、講演活動を通じて情報を広めている方。 

ソーシャル・レファレンシング

乳幼児精神医学の世界的第一人者。コロラド大学のロバート・エムディ氏が考えた言葉。
ソーシャル・レファレンシングとは初めて出会ったことに対して「どうすればいいのかな」と思った時に見守ってくれる大人がいて、教えてくれる。そういう過程を通して育っていく人間的な感情や感性である。
人間が社会的ルールを守りながら、生きていくためにその基盤となる重要な感情。人と人が共感しあって誇りを感じ合って生きていくために必要な感情。

子供がよちよち歩きをして「どうしよかな」と後ろを振り返っても、見守ってくれている大人が誰もいなかったり、よそ見をしてみてくれていない経験
子供がどうしようかなと迷った時に周りの人の教えや行動を参考にしようとしても誰も見守ってくれなかった。
そんな経験がソーシャル・レファレンシングを育たなくさせる。

ソーシャル・レファレンシングは誇りの感情

エムディの著書にソーシャル・レファレンシングが育っていない人の行動が紹介されている。
駅の周辺に「ここに自転車を置かないでください」と書かれた立て看板が何本も立てられています。歩行者の迷惑になったり、危険でもあるからです。
そんな立て看板があったとしても、そのまま自転車を置き続ける人と止める人とに分かれます。
ソーシャル・レファレンシングが豊かな人は自転車を停めません。
他の行動に切り替えられるのです。
相手の気持ちに気づき、人間としてのプライドをみんなで分かち合うことができる人です。

そして、ソーシャル・レファレンシングが育つ時期とは
生後6ヶ月〜1歳半の時期。感受性が育つ時期だとエムディの観察研究で示されています。なんでも早ければいいとは限りません。人間よく育つ時期と育ちにくい時期があるのです。

もやしの考え

子どもの困って時に大人が見守りさせてあげることの重要性がソーシャル・レファレンシングを語る中で痛感している。
そして、ソーシャル・レファレンシングが最も育つ時期は生後6ヶ月〜1歳半の時期。

「正美!エムディ!その時期もう過ぎてるやないかい!」と痛烈に思った。
大半の人はそうである。むしろこれを読んでいる人自身は確実に過ぎている。
我が子も大概はすくすく育って、もう過ぎている。
過ぎていない赤ちゃんをお持ちのお母さん、お父さん、おめでとう。
明日から気をつけよう。

そして、そこでは終わらせない。

最近勉強したゲシュタルト療法。過ぎた人には、これが使えそう。
ゲシュタルト療法は、未完結な問題や悩みに対して、再体験を
通しての「今ここ」での「気づき」を得る心理療法です。
ゲシュタルト療法では、過去の自分とは切り離して、怒りや悲しみといった感情「今・ここの自分」が感じていることに集中する。そうすることで、感情の動きの本質的な要因に自らが「気づき」を得る。そして、未解決な問題から離れて将来を見据えることで、精神と身体を「統合」して自己成長に活かしていく。

生後何ヶ月の頃の育ちを、過去に戻ってやり直すことはできない。
それなら、今の自分の感情に目を向けて
今、目の前の子どもの感情に目を向けて
赤ちゃんの頃の思い出すことすらできない、不安になった体験が
今の感情に現れた時。その感情を認め、受け入れ、進んでいく。
これこそが、過去に縛られない、未来に向けて、今を大事にすることなのだと思う。

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