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答えのない子供との関わり方の「答え」とは?

わたくし、もやしの自己紹介

わたくし、もやしの勤めるオルタナティブスクールは子どもがやりたいことをやる珍しい学校。
3歳から12歳の子どもが毎日通っている。
・自ら考え行動できる人間に育つ
・全ての人が認め合う社会
・大人も子ども共に学び合う
を大切に記事を書いていきます。

研修生の不安

私の学校に研修生が来た。どんな風に子供と関わるのかを学ぶためである。
研修生が、子どもの話をしている内に自分の話になっていることがよくある。それは、子どもを語る上で、自分を理解することが必要だからである。

子供と関わる時に「この対応で良かったのかな?」という質問をよく聞く。
その質問に、私なりの答えを伝えることは可能である。
「私だったらこんな風な気持ちで、こんな風に関わったと思う。」
しかし、それは私と研修生との相違のすり合わせに過ぎない。
特に研修生という立場だと、私の意見に合わせてくれることの方が多い。
そのため、研修生の不安にすぐに答えることはせずに、不安な気持ちを理解する。

「できている気がしない。」
研修生は自分の対応。仕事での役割。学校に研修に来て、自分ができている感覚がなかった。
そんな気持ちから関わり方を聞いて、自分も役に立っている感覚が欲しかったのではないか。そんな印象があった。

ケンカの時の子供との関わり

研修生「あの対応で良かったですか?」放課後に質問された。

女の子がおもちゃを壊したことで、3人の男の子が怒って責め立て、女の子が泣いた場面があった。
研修生は女の子を抱っこして、場を離れ落ち着かせて気持ちを聴いた。
女の子の気持ちを聴いて、3人の男の子には女の子が泣いた理由を伝えた。

もやし「どんなところに不安があるの?」
研修生「女の子の気持ちはよく聞けた。しかし、男の子たちの気持ちは聞けなかったかもしれない。女の子の気持ちも伝わった感じがしない」

もやし「男の子の責め立てる行動が、研修生自身が嫌だった気持ちはない?「3人で責め立てないで」という気持ちがあったから、男の子の気持ちを聞けなかったんじゃないかな?そんな印象があるけど」
研修生「その気持ちあると思う」

誰の気持ち?私の気持ち?

研修生はひとりひとりの気持ちを大事に扱いたいと思っている。
そのため、女の子が泣いている気持ちを十分に聴こうと心がけた。
女の子がおもちゃを壊したことは、保留にして気持ちを聴いた。

3人の男の子の話を聴く時は、自分の気持ちがむくむくと顔を出した。
だからこそ、話を聴く前に自分の伝えたい思いを伝えた。
「女の子が泣いたのは、3人に囲まれて怖かったんだって」と女の子の気持ちかのように伝えた。

女の子の気持ちと私の気持ちが一緒になって、自分の気持ちが分からなくなっている。自分の気持ちがむくむくと顔を出した時は、相手の話を聴くのが難しくなる。
(話を聴くことはいつでもいいという訳ではない)

私は子供とどう関わりたいのか?

すぐに答えを求めたくなる。
絶対的な答えがそこにあって、その答えを知っている人がいる。
だから、不安な気持ちには目を向けずに答えを教えてもらって安心したい。

しかし、絶対的な答えは存在しないことに気が付くタイミングがある。
そして、自分がどうしたいかが答えであると気づく。
そうすると、誰かに答えを求めることはしなくなる。

他人の答え(どうしたいか)を聞く時は
あくまでも、自分の答え(どうしたいか)の参考にするため。
教えてもらうためではない。

研修生「どうしたら自分の気持ちが分かるんですかね?」
子どもも大人も自分を探している。
答えは常に変化している。

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