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子どもを持つということ


私は子どもが欲しい
私は子どもを産みたい

でも、子どもを持ちたくない人もいる

わかる

だって今の世の中は子どもを持つのに適していない

せっかく就職できた職場を出産や育児のために離れなければいけない
休暇が取れたとしてもキャリアに影響がでてくる

周りからの冷たい態度
「自分で選択したんでしょ子ども持つって、自己責任だよ」
って

政治だって子どもに厳しい
十分な教育の場もあると言って良いか分からない

子どもを持った親にお金の余裕はない
疲れた身体を癒やせる休みもない

でも目の前の命を死ぬ気で守らないといけない

だって親が放棄したら子どもは死んでしまう

それ以前に、出産が安全にできる保証もない
女性は出産で命を落とす可能性がある

今考えつくだけでもこんなにたくさんの
子どもを持たない理由がある

だからわかる

子どもを持たない選択には十分な理由がある


じゃあ逆は?

私は何で子どもが欲しいのだろう
私は何で子どもを産みたいのだろう

子どもが可愛いから?

自分を必要としてくれるから?

みんなそうしてるから?

家族に見せてあげたいから?

一人前になった気がするから?

自分の面倒を見てほしいから?

そんなの全部”親のエゴ”だ

全部エゴでしかないじゃないか

親のエゴで子どもを産み育てて
それで上手く生きることができなくて
すごく悲しい思いをするかもしれないのに

百歩譲って、
子どもを持つとしたら

なぜ産む必要があるのだろうか

私たちはよく「血のつながりなんて」っていう

「血が繋がっていなくても家族になれる」って

じゃあ産まなくても良いじゃないか

この世には、既に生まれてきている命がたくさんあって
十分な環境にいない子だってたくさんいる

どうしてその子たちを救わないんだろうか

養子をとることも立派な家族の形なのに

どうして血の繋がりを必要とするんだろうか

出産は母体に大きなダメージを与えるのに

10ヶ月の間、行動が制限され
常に命を背負い、健康に人一倍気遣う

吐き気や頭痛、腹痛、腰痛、身体の不調が続く
得体の知れない不安が母体を襲う

陣痛の痛み、出産時の出血、残るかもしれない後遺症

最悪の場合、死んでしまうこともある

こんなにリスクがたくさんあるというのに
子どもを欲しがる人は多い

わからない

もうどう考えてもわからない

こんなことを考えるのは、私が女だからだろうか

自分の身の危険を案じているのだろうか


「もし私とあなたの性別が逆だったら」
という体で話したカップルがいたらしい

旦那さんは子どもが欲しかったが、
奥さんは子どもを持たない選択をしていた

もちろん、産むのは奥さんだから
旦那さんはその意思を尊重した

だが、
旦那さんが女性だったら、奥さんが男性だったら、

旦那さんは言った
「僕が女性だったら、子どもを持つ選択をしていた?」と

奥さんは思ったらしい

もしそうなら、

私の身体が危険にさらされることはない

悪阻もなく、ただ10ヶ月待つだけ

仕事も辞めないでいいからキャリアも諦めないでいい

しかも、目の前のパートナーが全部背負ってくれる

なんてラッキーなんだ……って

でも目の前の旦那さんをもう一度見て思った

「私は愛する人にそんなことさせられない」

この人が死んでしまうかもしれないのに…
この人が苦しんでしまうのに…

そう思ったらしい


――――私にはわからない

なぜ子どもを持ちたいのか
なぜ子どもを産みたいのか

でも、私はやっぱり


子どもが欲しい
子どもを産みたい

なぜだかはわからない

でも欲しいのだ、産みたいのだ


私はもっと考えなければいけないのかもしれない

”子どもを持つことの意味”を

私の元にその子がきてくれたときに
きちんと胸を張って、まっすぐ目を見て、

「あなたに会いたかった」

って言えるように

私の元にきてくれたその子を
命がけで守るために


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