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口の中を切って縫ったんだよ

こんばんは、カネトです。

今日、
口の中のできものと…
ついに…おさらばしました…!!!!

レポ漫画描きたいくらい激動の1日だったんだけど、一般的にできがちなものとかじゃないと思うんで、どういう切り口でレポ漫画にしたら良いか分からないし…とりあえずnote開いた次第です。一言で言うと、怖かった~~~~いや、今も怖い~~~!!!!痛みが…なんこれめっちゃ痛いんだけど…いつまで続くの…?怖い…

ことのあらましは↓の記事に書いたとおりなのですが、今日ついに予約している処置日が来てしまったのでした。今、フラフラ買い物などして帰宅して、お腹が空いたので試しに明太子のおにぎりを食べてみたのですが、結果からいうと口の中がひとえに血の味です。

わりと本気で切除せずに共生していく道も考えていたし、前回の通院から今日の処置日まで2ヶ月あったので、「うっかりすると私ひよってキャンセルしてしまいそう」とずっと思っていて。
だって悪いものじゃないのに切るなんてなんかもう自由意志みたいで逆に腹括れなくないですか!?絶対痛ぇし!!悪いものじゃないのに切らないといけない意味…。
いよいよ2週間前くらいの一番行きたくない気持ちが高まっていたときに、午前中に楽しい予定を入れて人間のかたちをして都会に出てしまえば(そして今から病院だよって言えば)受付までたどり着けるだろ!!と思い、仕事関係の会いたかった人とのお茶会を入れていたのです。
今日の予定をそんなふうに使われているとは相手はつゆ知らず、という状況からくる罪悪感も功を奏し、なんとか…切ることが…(私は身体を持ってって口開いてただけだけど)できた…。本当にすみませんありがとうございました。楽しければ楽しいほど病院に行けるだろうと思ったのですが本当に楽しくて助かった…。

お茶会をした和風の喫茶店がすごく素敵で、普段はお茶系のお菓子はあまり食べないのに、急に食べてみたくなってほうじ茶のテリーヌを選んだのが、めっちゃめちゃ美味しくて。今日この状況じゃないと普段は選ばなかったであろうものが美味しいなんて、なかなかない素晴らしい日ではないか!と思ったし、漫画の話を沢山して面白い話を沢山聞いて脳が刺激されて、ああ~この数時間でめっちゃ面白い漫画描けそうや~~~!!と思ってテンションを爆上げして、これでもう病院に行って最悪の気分になっても今日は良い日だったと言える…などと思い、まあ要するにずっと倒錯してました。お話してる内容はちゃんと理解してるし覚えてるし面白かったし考えて冷静に話してたんですけど、午後に手術を受ける部分の私が水面下でずっとテンパってました。
私こういう話は面白おかしく人に話すことでギリギリ平静を保って乗り越えられるタイプなんですけど、普通?はどうなのかな~。今もめっちゃ痛くなってきてテンパってるけど、この記事を書くことでなんとか精神を保ってます。あと同居人にめっちゃ実況のラインを送り付けている。いちいち反応してれてありがとうな。本当に…。

受付時間よりかなり早めに病院の駅についてしまい、本当にキャンセルしたすぎたので「今ここで事故に遭うかもしれない…そうしたら未完のまま愛しかないが終わってしまう…」「最後の食事はほうじ茶のテリーヌだったか…悪くない…」などともっと痛いことを考えたりしたのですが、そもそも大して車道を歩いたりもしない駅直結の病院なので事故に遭うこともなく。
食欲も落ち着いてしまったので「最後にマックとか食べたかったけど胃も痛くなりそうだし、こいつマック食べてきたなって思われながら手術されるのも恥ずかしいからもういいや…」などと思い、予約時間の40分前にもう病院にログインしたのですが、時間になっても名前が呼ばれず、「あの…私…この…予約してるんですが…まだ呼ばれないんですけど合ってますか…?」とスタッフぽい人に聞いたら、そもそも待つ場所が間違っていたという自分らしいポカもちゃんとやりとげました。
処置室に行ったらめっちゃ先生待ち構えてた。本当にすみません。
(しかもログインしてるのはシステムで分かるけどどこにいるか分からなくて、トイレでも行ってるのかな~?って思ってた~って言ってて大人の私の部分がすごく恥ずかしかった。本当にすみません。)

間違えた場所で待っている間、職業柄訓練された妄想力をフルに発揮していろんな手段で口の中を切る痛みを味わわなくて済むルートを考えたのですが、手術内容の説明を受けつつ同意書を確認している際に、死亡リスクの説明みたいな欄で「この手術で死ぬことは絶対にないのでこの項目は飛ばしますね」と言われて、「あ…そう…ですよね…」と、なぜか大変に恥ずかしい気持ちになったりもしました。きっと私の頭の中が顔に出ていたのだと思う。

5月に診察を受けたときより随分潰れてしまっていて、切除できるかわからないなあ~と先生がおっしゃって、診てみた感じでもしかしたら今日取らないかも、とまた手術の同意書を書きながら心が揺らぐようなことを言ってくださるんですよ。
しかも、言わないといけないことなんだろうけど、この同意書を書いたからといって、同意書にサインしたあとやっぱり手術に同意しない(とりやめたい)ということならいつでもやめることができます、と。
もう…やめて…。早く…殺して…!!と、影が白飛びしてベタフラのモノローグを背負っていました。
「きょ、今日取らなくても大したことないですよね!!悪いものじゃないしね!!」って目をうずまきにして言ったら、「大したことないことはないでんですけどね」とそこは否定してくれて、前回も思ったんだけどきっといい先生なんだろうなあと思い、少し緊張がほぐれました。

あと面白かったのが、新人の先生(かな?)が助手に入ってくれていたのですが、診察の後「やっぱり取ろう」と先生がおっしゃい、麻酔をかけて時間を置き、ふぅ…いよいよだ…いよいよ処刑の時間だ…と精神を統一していたら、先生が「◯◯◯切除の処置の助手、やったことある?」と、助手の先生とものすごく穏やかででも私にもギリギリ聞こえる声で会話を始めたのです。
助手の先生は「やったことないです~…」と答えていて(なんかすごく喋り方が初々しくてかわいいなあと思って、自分の歳を感じました)、「そうか、じゃあ…」と、どんなふうにどんな手術をするかめっちゃ丁寧に(私に話すのとはまた違って、本当に手技の説明みたいな切り口で)私にギリギリ聞こえる声で、助手の先生に説明してくれるのです。私…この先生すごく好きだなと思ったんだけど、多分すごく仕事の出来るドSの女医さんだと思う。まだ診察した日の15分と、今日の15分くらいしかお話していなかったけど、絶対人を選んであんなふうに話したと思う。違ったらすみません、そう思わせておいてください…。素敵すぎて興奮した。

その助手の先生は、切除する部分の左右を両手の指でグッと引っ張って抑えて、血管がたくさん通っているところを抑えることで止血をする役割を(人力なんですね?!と思った)任せられていたのですが。
(吸引のあのノズル?みたいなやつで血を吸ってもおいつかないし止まらないし、ガーゼで抑えるしかなくて、血管を抑えて血を止めておくのが一番良いそうなのです。って頭上で会話してんの、アア…神よ…(特になにも信仰はしていない)ってなりました)
「麻酔はしてるし患者さんに遠慮せず力いっぱい抑えてね」と言って細かく手を入れる場所から引っ張り方を指導して、「そう、そのまま絶対動かないでね、そのほうが出血が少なくて済むし処置も速く済むから患者さんも楽なのよ」となんかさりげなく一言入れてくれて。なんか…すごくいい現場に立ち会ったような気がして、さっきまで「この手術をするくらいなら死んだほうがましじゃ」くらいに思っていたのに、「がんばれぇ~!いいよもっといっていいよ!!がんばれえ~!結構時間長いけど手疲れてない!?ありがとうな!?」と、気がついたら助手の先生を心の中で応援していました。

とはいえね、麻酔も効いてるし効いてることも丁寧に証明してくれてたし本当に不安になることはなかったのですが、チョキチョキチョキチョキチョキチョキ…チョキチョキチョキチョキチョキチョキ…っていうのめっっっっっっちゃ怖かったよね!!!!!少しずつ切ってんだろうけど結構切るなと思った!!!あと、医療ドラマ(ドクターX)で見たメッツェ…的な切り方じゃなくてチョキチョキなんだ!?っていうね!!?明らかハサミ的なやつの音じゃん…と思ったけど、いや別にどっちでも怖いけど…
目を開けていると先生と助手の先生の目を交互に見てしまうし、器具も目に入るし、なによりこの時間が倍くらいに感じそうだったので、途中から目を瞑っていたのですが、うっかりチョキチョキを数えてしまってそれはそれで恐怖だった。もう何してもダメだ、怖い。
そろそろお気づきの方も多いかと思うのですが、大した手術じゃないのです。切ったのもマジ数ミリだと思う。けど怖いんだよ!!!私怪我したことないんで!!!手術したことも入院したこともないんで!!!

いよいよ縫い始めたなって段階で喉に血の味がかすかに入ってきたとき、「上手に抑えてくれてるよ~」と先生がさらっと助手の先生を褒めつつ私の心を安心させてくれ、助手の先生ありがとう…と思っていたら、「先生によっては◯針を使う人もいるんだけど、私は絶対に◯針。粘膜とかこういうところは…」などと解説が始まって、私は内心「ドクターXで見たやつや…!」と興奮してきてしまい、怖かったけど来てよかったなあ~~~~と思ってしまっていました。まだその時間は麻酔が効いてて特に痛くなかったからね。いや油断したよね。

切った膿疱、見ますか?と選択を迫られて、いやあ…結構で…って言いかけたけど今後のためにと思い直し(何のために?)見たら、なんかぶよぶよしたホルモンのすごく小さいやつみたいな感じでした。血まみれでしたけど。唾液が中に溜まっているんだそうです。ほぼホルモンでした。

どうでもいいんですけど、「人によると思うけど食べやすいものってありますか?」と聞いたら「傷口的にダメなものとかはないけど、食べやすそうなのはアイスクリームかな」と言われて「………(アイス…)(←嫌いなのだった)」という顔をしていたら、「甘いものが苦手だったら…」と次いで話してくれたので、なんかすごく心が読める先生なんだと思う。とても好きになりました。いつか親知らずを抜かないといけないことがあったらあの先生に抜いてほしい…ぜひ助手も同じ先生で…

来週抜糸に行くのでまたお会いできます。


長くなりましたがそんなこんなで無事切除が完了しまして、今左側の口半分が激痛です。なにこれ顎?歯?いや切ったのほっぺたの中だけど、全部痛ぇよまじかよ~~~~~痛くなければ飲まなくてもいいとか言われたけど全然痛み止め飲んだよ~~~~もっとくれよ~~~~~涙 って感じです。なんか大したことないけどちょっと熱出そうな気がするくらい頭も痛いなあ。鼻の奥から頭が…ズキンズキン…。
私、人に比べて本当に痛みに弱いんですよ。大したことないってわかってても痛いものは痛いんだ…。
噛む動作が結構口の中が引っ張られて痛いので、数日は液体のご飯しか食べたくないかもしれない。でも痛いけどめっちゃ我慢すれば食べられるレベル~~~。やだー中途半端~~~。いっそ殺して~~~。
今週は最後に食べたほうじ茶のテリーヌの思い出を胸に、頑張って生きていこうと思ってます。

ところで手術終わったくらいまでは「もう今日お休みでいんじゃね~?口痛い状態でネームなんて無理だお~今月の納品無理かもな~」なんて思っていたのですが、お会計したら二度見するレベルの値段で、やっっっべえめっちゃ働こうと思ったので今からネーム直します。
ナマ言ってすみませんでした…
びっくりした…
口も痛いけど心と財布が痛い…

今月もがんばって働きます。健康第一、原稿料も第一!

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