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OSCE対策(直腸診、小児科、婦人科)

 医学部の中間テストといえば、CBTとOSCEでしょう。CBTはただ問題を解いていくだけですが、OSCEでは、臨床技能を評価します。

 落ちることはないと言われている試験ですが、良い評価を取るに越したことはないですよね。
 そこで、OSCEではどんなことをするのか?ポイントはどこなのか?を学校での実習で言われたことをメモしました。
 今回は、直腸診、小児科、婦人科の診察についてです。

1.直腸診・前立腺触診

 まずは、実際の流れです。

 手袋をする。
 「では、左を下にして横になってください。」
 「これから直腸診を始めていきますね。直腸に病気があるかもしれないので、肛門に指を入れて実際に診ていきますね。」
 まず、視診を行い、裂肛や痔核が無いかを見る。
 指にゼリーをつける。
 「それでは口を開けて、アーと言って力を抜いてください。」
 右手の人差し指を肛門の奥まで挿入する。
 全周性に指で癌やポリープがないかを探し、指を抜いていく。

*直腸診は一人で行うとトラブルになるので、他のスタッフが同席の上で行う。
 直腸診で見るポイントは、
 ・癌の大きさ
 ・凹凸があるかどうか(進行期では凹んでいることが多い)
 ・ポリープは有茎性かドーム型か


*前立腺触診は横ではなく、仰向けでおこなってもらうこともある。
 前立腺触診で見るポイントは、
 ・大きさ(正常は触れない~くるみ大)
 ・硬さ(正常は弾性:軟、癌だと硬や石様硬)
 ・圧痛があるか(正常は圧痛なし)

70歳以上では前立腺は萎縮してほとんど触知しない。
他には、表面が凹凸かどうかなどを見る。

 

2.小児の診察


 まず、全体の流れです。

 「これから診察をしていきますね。まず、服を脱がしていきますね」
 視診を行い、皮膚に異常がないかを見ていく。
 「では、肺を聴診していきますね」
 上肺、中肺、下肺を2か所ずつ、計6か所を聴診する。
 背中側も同様に行う。
 「次に、心臓も聴診していきますね」
 A弁・P弁領域、心基部、心尖部の4か所を聴診する。
 その後、腹部の視診を行い、聴診に移行する。
 「次に、腹部の聴診をしていきますね」
 グル音が聴取されるかを聞く。
 「次に、腹部の打診をしていきますね」
 肝臓のある右側と鼓音が聞こえるか腹部中心で打診を行う。
 「次に、肝臓と脾臓の触診をしていきますね」
 肝臓の辺縁に沿って、手を添えて触診する。その後、右手を背側に回して脾臓を持ち上げ、左手で脾臓の触診を行う。ㇵの字に触診する。
 「では、下半身の方もみていきますね」
 停留精巣があるか親指で陰嚢の上から押していく。背中を向けて、二分脊椎のくぼみがあるかを観察する。
 「次に、頭の方を見ていきますね」
 首をしっかり30度ほど持ち上げ、親指で大泉門の大きさを確かめるように触診する。
 「耳に異常がないか確認しますね」
 外耳道を確認する。
 「全身のリンパ節を見ていきますね」
 具体的には、まず顎、胸鎖乳突筋付近、鎖骨上窩、腋窩、鼠径部の順にリンパ節が腫れていないかを確認する。
 「最後に、顔の方を見ていきますね」
 上下の眼瞼結膜、口の中を観察する。

 *顔を触られると、泣くことが多いので、顔の診察は最後に行う。初めから泣いている場合は、聴診することができないのであきらめる。

3.婦人科診察


 まず、全体の流れです。

 手袋を着用する。
 「では、診察の方を始めていきますね」
 視診を行う。
 「病気があるかもしれないので、子宮口を見たり、触ったりしていきますね。(妊娠時であれば、どれくらい子宮が開いているかを見ていきますねなどもOK)」
 クスコを取り出し、右手で手前の部分を持ち、一声かけて、閉じた状態でクスコを入れていく。子宮口まで到達したら、クスコを開き固定し、観察する。 
 「では、次に実際に触って内診していきますね」
 左手の中指と薬指を膣の中に挿入し、子宮頸部の大きさ、硬さ、可動性をさわって確認する。
 右手で下腹部を圧迫し、頸部が下がってきたのを左手で確認する。
 異常があれば、腫瘤などが触れることがある。

 *内診は行わない場合もある。



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